こんなこともあるのか~サックスのソケット交換~

新年あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願い致します!


お正月休みも終わりましたので
杉浦ブログも本日より再開です!

今年一発目は、滅多にに行わない
レア修理をご紹介いたします!


以前のシリーズはこちら↓↓↓


サックス落下

アンラッカー仕様
(塗装のかかってない)の楽器です。

醍醐味である管体の変色が
良い感じに進んでますね♪

しかし、その時は突然やってきます。
気を付けていても、落とすことはあります。

ケースに入れて閉じたつもりで持ち上げ
転がしてしまうこともあります。

ケースを閉じたつもりにならないよう、
「これをやらないとケースを持ち上げない!」という
あえてのひと手間を加えるのがオススメです。

そんな時に便利なアイテムはこちら↓↓↓
ケース閉め忘れ防止アイテム



ネックが入らなくなった!

さて、本体の方は落としてから
ネックが入らなくなったとのこと。

1/3程しか入りません。



原因がこちら

原因はココです↓↓↓

ネックではなく本体側。
ソケットと呼ばれる部分です。
へこみが出来ています。

なぜピンポイントでへこんだかというと…

オクターブキィが食い込んだようです。
打ち所が悪かったですね…。


このへこみがレア修理なので
この後、詳しく説明しますね。



その他の症状

他にも、全体的に影響が出ていました。
色々ありますが、今回は簡単に紹介します。

キィガード歪み・半田外れ

とても分かりやすく歪んでいます。



管体曲がり・ベル位置ズレ

キィを押さえても、光が漏れています。
タンポがきちんとふさがっていません。

これは、キィが曲がったのではなく
2番管体自体が、くの字に曲がっています。

2番管についてはこちら↓↓↓
へこみ直しシリーズ~2番管~



それでは直していきましょう!



ソケットは…〇〇する!

それでは!
ソケットのへこみ直しをしま…









せん!!!!!


というのも、ソケット部分は
金属が2重になっていて
とてもかたく、直しにくい場所です。

更に、ここはジョイント
(抜き差し)する部分です。

かたさが残ったり(引っかかる感じ)
抜き差しする度に傷が入ると
機能性が大幅に落ちます。

ベルの当て金とは違い
機能性が1番重要な場所ですので
後遺症が大きく残る場合は、交換します!



交換するパーツが届きました

こちらが新しいソケットです。

え?本当にアンラッカーなの?

そうです。
新品はアンラッカーも変色していません。

ラッカー仕様と見間違える程
キレイに光り輝いています!
お客様には、また1から
良い色に育てて頂きましょう。


ソケットを取り外し、新パーツを付けるとこちら↓↓↓

色味に違和感がありますが
しっかりと半田付けしていますよ。

半田付けについてはこちら↓↓↓
ポッチは何処へ



ソケット交換を行ったらやること

ソケットを交換したら
それでお終いではありません。

ネックがしっかりと嵌まるか
確認する必要があります。

いくら、楽器が精度よく作られていても
(Made in JAPANクオリティーでも)
個体差できつい・緩いが出ることがあります。

合わないまま使っていると
・緩くてネックが固定されない
・きつくて抜けなくなる
・無理矢理抜いたらネックが曲がった
等がおこるので、状況に合わせて調整します。


今回の楽器は、調整の必要がない位
ぴったりでした!(これも個体差です)



残りの症状を直していく

他の場所も直していきます。

2番管曲がりとベル位置ズレ

管体曲がりは、少しずつ力をかけ
真っ直ぐに戻していきます。



ベルは一度取り外し、再度接着します。

ベルの接着についてはこちら↓↓↓
へこみ直しシリーズ~ベルめくれ~

キィの動作を確認しつつ
タンポは交換します。



キィガードと台座半田付け

半田外れパーツは、ピタッと沿うよう
形を直してから半田付けします。


キィガードは、歪みが激しいので
直すより交換する方が、キレイで安いです。

ソケット同様、交換して
ピカピカのパーツになりました。


完成!

全ての調整が終わりました!

全体的に影響が出ていたので
非常に大掛かりな修理となりました。

修正前は、キィの動きが鈍かったですが
しっかり動くようになりました。

タンポは全て交換。
光の漏れはなくなりました。


これでまた演奏が出来るようになりました!

皆さんは、アクシデントに備え
何かあれば、私達にお任せ下さい!




今回の修理は
・全タンポ交換
・ソケット交換
・2番管曲がり修正
・キィ動作修正
・キィガード交換
・キィガード台座半田付け
・ベル脱着
 です。

修理・調整代 税込133,400円(パーツ代込・送料別)

※パーツ代はメーカー・モデルにより
 万単位で異なることもあります。
※半田付け周辺は火を当てるので
 変色することがあります。

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この記事を書いたスタッフ

管リペアセンター杉浦

中高6年間をトランペットとコルネットの二刀流で部活漬けの毎日を過ごしてきました!全国の皆様からのご依頼、心よりお待ちしております!

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