弓の革巻き修理~簡易補修~  【弦楽器工房ブログ】

皆様、こんにちは。
弦楽器技術スタッフの高瀬です。

9月はイベントと修理受付で忙しく、工房に缶詰め状態でした。
11時頃に出勤して、ふと時計を見ると18時を過ぎているという毎日だったので時間の感覚が無くなりつつあります。
体感では、まだ9月に入って7日くらいしか経過していない感覚です。
お給料日がすぐに来ました。


本日は

  • 毛替え
  • ニス補修
  • ネック入れ直し
  • 銀線巻き直し、革巻き

を行わせていただきました。
楽器をお預けいただき、ありがとうございます。

今回は弓革巻きの(超)簡易補修事例について、ご紹介させて頂きます。

弓革巻きの補修事例

一般的な持ち方で弓を構えていると、練習時間に応じて『革巻き』と呼ばれる部位が抉れてしまいます。
ちょうど右手の親指が当たる場所です。
今回のお客様も、親指の当たる箇所が綺麗に抉れてしまっています。

このようになってしまった場合、通常でしたら革を新しく巻き直す修理を行うのですが、ご予算と時間の都合上巻き直し修理は行えないとのことです。
しかし、このまま放置して棹まで抉れてしまうと問題なので…
(実は既に抉れているので、あまりよろしくない状態です)
革を巻き直さず超簡易的に、革巻きの補修を行うことにしました。

部分的に革を移植補修

強度面は保障できませんが、抉れた部位に新しく革を貼って補強を行います。
汗を吸い込んで剥がれやすいですが、数か月は持つでしょう。
今回は運良くオリジナルと似た質感の革がありましたので、こちらを使用します。

抉れ部の寸法に合わせて革を採取し、凹凸が無いように革を削って貼り付けると…

このようになります。
より見た目に違和感が出ないように、革接着面の縦線も再現してあります。

最後に

今回の事例はあくまでも「簡易補修」ですので、通常は革の巻き直しをお勧め致します。
時間、予算が無い場合、取り急ぎの補修で良ければ今回のような修理もご提案させて頂きます。
所要時間は5分~10分前後、修理代金は範囲により¥500~¥1000程で補修可能です。

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この記事を書いたスタッフ

岩田屋福岡店高瀬

弦楽器技術者の高瀬です。楽器の調子が悪い、音をもっと良くしたいと思いましたら、ぜひご来店ください。皆さまをお待ちしています!

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