皆様、こんにちは。
島村楽器 マークイズ福岡ももち店弦楽器技術スタッフの高瀬です。

本日より、当弦楽器工房のブログを始めます。
このブログでは日々の修理について紹介していきますので、どうぞよろしくお願い致します。

本日は毛替えについて少し書いていきます。

毛替えといいましても果たしてどのような事をしているのか想像が難しいと思います。

読んで字の如く、弓の毛を新しく張り替えているだけではあるのですが、他のどの修理よりも奥が深く難易度が高いものこそ毛替えだと日々感じています。

ただ毛を張り直すだけならとても単純な作業です。
毛を外し、木材で楔を3つ作成し、毛束を楔で固定するだけです。これだけなら、何も気にせずに行えば30分もかからずに終わる作業です。

しかし、毛替えはそれで終わらせてはいけません。

(楔の写真です)

例えば、毛の長さ設定について簡単に説明します。

普段私が毛替えを行う際、長さ決めで考えていることは大まかに以下のことです。

  • 月毎の平均湿度
  • プレイヤーの演奏場所、環境(何県か、海が近いか等)
  • プレイヤーの演奏スタイル(普段の弓の張り具合も考慮します)
  • 弓の楔穴の形状
  • 弓の反り具合
  • 弓のしなり具合

まだいくつかありますが、大体これらのことを計算に入れて毛の長さを導き出します。

以前ご来店いただいたお客様(福岡市在住、アマチュア演奏家、力強い演奏を好む方)を例に挙げますと、

福岡市なので基準値は3.0mmに設定し、弓は通常より張るスタイルの方なので0.3mmマイナスします。

楔穴の深さが通常より浅い設定なので、楔の一番薄い値を1.8mmに設定。

弓の反りが強いので0.4mmマイナス、しなりは通常なので値に変化なしとします。

以上から、今回のお客様の場合は毛の長さ設定を4.1mmとして作業を行いました。

(一般的に、値が小さいほど毛の長さは短くなり、大きいと毛はだらんと長くなります)

厳密に言うと、使う楔材の材質により木の痩せ方が異なるので、材によっても計算が、、、となりますが、難しくなるので本日はここまでに致します。





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この記事を書いたスタッフ

マークイズ福岡ももち店高瀬

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