【マイスター工房通信】弓の革巻きについて
寒かったり暖かくなったりと思わぬ気温の変化で体調を崩してしまいそうな日々が続いておりますが、皆さま体調管理はされていますでしょうか?こんにちは、シマムラストリングス秋葉原の森貝です。今回は弓の革巻き交換についてお話ししたいと思います。
皆様がお使いの弓、今どんな状態ですか?
弓を持つ時の持ち方は人それぞれかと思いますが、大体の方は親指をフロッグと革巻きの間に引っ掛けるような感じで持たれているのではないでしょうか?
筆者はチェロ弾きなのですが、弓はこんな感じに持ちます。
そうすると、長年弓を使っていると消耗してくる箇所があります。それが革巻きの部分です。サムグリップなんても呼ばれたりしますね。
この革巻きが消耗してくるとこんなかんじ↓になります。
そもそもこの革巻きというのは消耗品で、弓竿が摩耗しない為に施されているものですので、革が摩耗してきたな~と感じた時が交換の時期になります。摩耗が進むと単純に弓をかまえにくくなることと、もっと摩耗すると弓竿が露出し、手指の汗や油などが浸透し腐食したり、すり減って凹んでしまう原因になりかねません。
※また、同様に、弓の棹を守る為には弓の毛替えも定期的に行っていただく必要があります。弓の毛は使用している内にだんだんと伸びてきてしまうものですが、毛を張ったときに、革巻きからフロッグまでの距離が長くなればなるほど手指が触れてしまう面積も増えますので、適切な毛の長さ=適切な革巻き~フロッグまでの距離を保つためにも毛替えが必要です。
ちょっと話が脱線しましたが、今回は革巻きに焦点を当てまして、実際に革巻きについてご説明します。
革にも種類があって、島村楽器ではST(牛革・豚革)、トカゲ革からお選びいただけます。
ST(スタンダード)
トカゲ革
革の種類によって手触りなども異なるため、革の種類を変えることで弓が持ちやすくなることもあります。
基本的には元のバランスが崩れないように革巻きの厚みや長さ、重さなどを測り、元の状態と同じように革巻きを交換しますが、あえてバランスを変えたいといったご要望などがございましたらご相談ください。
古い革はきれいにはがして…
銀線も綺麗に磨きます。
これは状態は良い方でしたが、ものによっては長年の手汗などが革からしみこみ銀線が緑青で緑色になってしまっていることもあります。
革も寸法に合うように新しく切り出し、四方をそぎ落とします。
新しい革に巻き直して完成です。
親指が当たる部分にしっかりと革が巻き直されたことで弓を保持しやすくなりました!
革巻き交換
楽器種別 | ST(牛革or豚革) | トカゲ革 |
---|---|---|
分数バイオリン(~3/4) | ¥2,700(税込) | - |
ヴァイオリン | ¥3,240(税込) | ¥5,508(税込) |
ヴィオラ | ¥3,240(税込) | ¥5,508(税込) |
チェロ | ¥3,780(税込) | ¥6,264(税込) |
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青森県出身の森貝(もりかい)です!演奏楽器はチェロです。販売員としても、技術者としてもお客様のご要望にお応えできるよう全力でサポートいたします!