シンセサイザー修理の基本|よくある故障原因と対処方・故障事例や修理方法・保証期間の確認

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シンセサイザー修理の基本|よくある故障原因と対処方・故障事例や修理方法・保証期間の確認

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。



ウインドシンセや電子サックス、ステージピアノ含めシンセサイザー(キーボード)の故障と思った時に確認すべきことと修理についてをご紹介します。

目次

シンセサイザーの故障ってあるの?

シンセサイザーは電子楽器(電子機器)ですので、もちろん、壊れる場合があります。大きく分けるとハードウェアの破損か内部の故障の原因によって正常動作ができなくなることがあります。
ハードウェアの故障は、持ち運びしたときにぶつけてしまった、あるいは演奏していて鍵盤などパーツが壊れてしまったなどがあります。
内部故障は、液晶の寿命やアップデートや保存の作業で失敗してしまった場合です。
他にもほこりによって電子部品が壊れてしまったり経年劣化によって故障したりするケースもあります。

よくあるトラブルの原因と故障かな?思ったらすべきこと

「シンセサイザーが思うように鳴らない」場合、故障を疑ってしまうことは自然な流れかもしれません。しかし、修理に出しても「異常なし」と言われるケースがよくあります。修理に依頼すると点検費用がかかることもあるので、それを避けるためにも、お手元で以下の初期対応方法を試してみてください。
※もし、これらの対応で解決しない場合は、修理に出す前にメーカーへの問い合わせを推奨いたします。

音がでない

音がでない症状の場合、シンセサイザーによるものか、それ以外に原因があるのかを特定する必要があります。
簡単にチェックする方法としては、まず別の機材でヘッドホンを使って音が出るか確認します。その後、そのヘッドホンをシンセサイザー本体に挿し、ボリュームを上げます。オーディション機能(デモプレイ)が搭載されている場合は、それを再生してみてください。
これで音が出る場合は、シンセサイザーは正常だが外部要因で音が出なくなっている可能性が高いです。(シンセサイザーの出力設定あるいは出力端子の故障の可能性もあるので一概にはいえません)

音は出るが鍵盤を弾いても音がでない

ローカルスイッチ(ローカルコントロール)がオフになっていないかを確認してください。このモードはDAWや外部音源などシンセサイザーをMIDIキーボードとして使用するときなどに使う機能になります。

音がおかしい

特定の音色に問題がある場合は、その音が編集されている可能性があります。まず、音色を初期化(イニシャライズ)するか、加工されていないプリセット音色に変更して、異常が続くか確認してください。
一方、特定の音色ではなく全体がおかしい場合、モジュレーション操作装置が影響している可能性があります。また、音程がおかしい場合は、ピッチベンドやマスターチューン、キー設定が変更されているかもしれません。
どうしても問題が解決しない場合は、工場出荷時設定に戻してみる(ファクトリーリセット)と故障かどうかが判明することがあります。ただし、工場出荷時設定に戻すとデータが初期化されるのでご注意ください。

電源がつかない、動作が不安定

アダプターと電源コードがしっかりと接続されているかを確認してください。付属の専用電源以外を使用すると、故障の原因となることがありますのでご注意ください。
さらに、氷点下などの厳しい環境で使用する際には、問題が発生する場合があります。動作環境の温度については、必ずメーカーに確認を取るようにしてください。

当社の修理受付に関して

当社が取り扱っているシンセサイザーは一部製品を除いて基本的には修理受付可能です。ただし、生産終了してから長く経過している、またはパーツが終了している場合には、修理ができない場合があります。

修理の受付店舗と修理期間について

当社ではほぼすべての店舗にて修理を受付可能です。最寄りの店舗までお問い合わせください。



修理期間は、修理の混雑具合や修理メーカーの営業日などによって大きく変わる場合がありますが、修理受付~修理完了までは下記になります。

  • 最短:約10日間
  • 混み合っている場合:約1ヶ月

※上記はあくまで目安です。製品によっては非常に長い期間を要する場合があります。

GW・SW、年末年始やお盆の時期には、上記の期間より時間がかかることがあります。これらの連休期間前後に修理をご依頼される場合はご注意ください。

修理料金について

修理料金は、「部品代」+「技術料」+「運送費」+「税」等で構成されます。下記の一例の料金は大まかな目安の平均的な金額であり、修理代金を事前に保証するものではないことを予めご了承ください。

  • 簡単な部品交換:¥8,000~
  • 電源が入らない:¥15,000~
  • 液晶が映らない:¥20,000~

上記はあくまで参考金額なのでメーカーや製品、修理内容によって変わります。
下記はここ数年で実際にあった修理例です。

  • 少額のケース:小さなシンセサイザーの鍵盤1鍵だけ故障し部品交換¥8,020
  • 多額のケース:通常サイズのシンセサイザーが起動しない症状でメインボード交換¥113,600

なお、当社でご購入時に島村楽器モバイル会員証をご提示いただいた修理品である場合、割引が適用されます。


修理の流れ

  1. 店舗に修理品をお持込みいただき受付を行います。
  2. メーカーにて修理品の診断を行います。
  3. 有償修理の場合は修理のお見積もり料金をご連絡します。
  4. ご連絡が取れ次第、修理される場合は修理品を修理します。
  5. 修理品をお渡しいたします。有償修理の場合は、修理料金をお支払いください。

※ 修理受付後、修理を中止する場合や見積もり時に修理されない場合はキャンセル料をご負担いただいております。金額は修理品のサイズによって異なりますので、修理受付店舗までご確認ください。

保証内修理と保証外修理

ほとんどのシンセサイザーにはメーカー保証があり、条件に当てはまる場合は無料で修理することができます。
※ 一部のシンセサイザー、中古品にはメーカー保証はありません。

保証内に含まない修理とは

保証内修理は、保証期間中に正常な使用で故障した場合に無償修理が行われるサービスです。保証期間中のすべての修理が無料になるわけではありません。「落としてしまった」「水をこぼしてしまった」などよくある事故は対象外となります。
ほとんどのメーカー保証では下記が対象外となっています。

保証対象外の一例

  • お取扱いが不適切なために生じた故障、ユーザー起因による破損。
  • 消耗部品の消耗度合いおよび消耗部品の磨耗に起因する交換。
  • 天災や火災、公害や塩害、異常電圧によって生じた故障。
  • 輸送、移動、落下などによる故障や損傷。
  • 購入国と使用国あるいは故障が発生した国が異なる場合。

シンセサイザー 追加保証サービス

当社ではシンセサイザー、ウィンドシンセサイザーを安心して長く演奏いただくため「シンセサイザーもしもの安心保証」のサービスを実施しています。

対象の製品をご購入時にご加入いただくと追加で保証サービスを受けることができます。

メーカー保証との違い

多くのメーカー保証は、お買い上げ日から1年間となりますが、「シンセサイザーもしもの安心保証」にご加入いただくと最大で5年間延長保証されます。
さらに、メーカー保証は、あくまで自然故障が対象のため、保証内であっても対象外となってしまうケースがあります。
「シンセサイザーもしもの安心保証」では、偶然、外来の事象に起因して発生した故障も対象となります。例:「落としてしまった」「水をこぼしてしまった」など

よくある故障事例

シンセサイザーで最も多い故障は、操作子故障と鍵盤故障です。これらの故障は一般的にメーカー保証の対象外となることが多いですが、このサービスは特定の条件下で対象となる場合があります。一例として下記のケースが対象です。

鍵盤故障 鍵盤故障
【状態】
鍵盤が上がらない
【状態】
鍵盤の紛失/折れた
【原因】
演奏していたら上がらなくなった
【原因】
演奏していたら折れてしまった
鍵盤が上がらない 鍵盤の紛失/折れた
ツマミ故障 ボタン故障
【状態】
ノブが取れた、折れた
【状態】
ボタンが反応しない
【原因】
ぶつけて折れてしまった
【原因】
外部的な要因はなく自然に反応しなくなった
ノブが取れた、折れた ボタンが反応しない
ベンダー故障 液晶故障
【状態】
ベンダーが陥没/曲がり
【状態】
液晶割れ
【原因】
どこかにぶつけて曲がってしまった
【原因】
なにか落として割れた
ベンダーが陥没した、曲がった 液晶割れた

対象メーカー

  • ローランド
  • ヤマハ
  • コルグ

「シンセサイザーもしもの安心保証」の詳細は下記をご確認ください。



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