【どちらを選ぶ?】 DJ初心者のための“機材二択”「DDJ-FLX2」と「DDJ-FLX4」 比較

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【どちらを選ぶ?】 DJ初心者のための“機材二択”「DDJ-FLX2」と「DDJ-FLX4」 比較

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

爆発的人気のDJコントローラーといえば「DDJ-FLX4」。DJをこれから楽しみたい、DJアプリで始めたけどもっと本格的にしてみたい、現場でDJをしたいけど持ち運びしやすいものを探している、そんな方に選ばれています。

ただ、「DDJ-FLX4」が発売されたのが2022年11月、その後、「DDJ-FLX2」が2024年11月に発売され、どっちを選べばよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットをわかりやすく整理し、あなたに最適な一台を選べるヒントをお届けします。

DDJ-FLX4 とは?

DDJ-FLX4は、パソコンやスマートフォンとUSB接続して使用できるエントリークラスのDJコントローラーです。DJソフトウェアは、rekordbox、Serato DJ Liteに対応しています。djayにも対応していますが、使用するには課金が必要です。

その他、詳しくは下記をご覧ください。

DDJ-FLX2 とは?

DDJ-FLX2は、パソコンやスマートフォンとUSB接続して使用できるエントリークラスのDJコントローラーです。DDJ-FLX4と同じくDJソフトウェアは、rekordbox、Serato DJ Lite、djayに対応しています。

DDJ-200の後継機にあたり、ユーザーからの要望が高かったUSBオーディオ出力を装備しています。

その他、詳しくは下記をご覧ください。

両モデルの違い

※ご使用のソフトウェアによっては、コントロールできる機能が異なる場合があります。下記の内容は、パソコンでの使用を前提としています。すべてのDJソフトに当てはまるわけではありませんので、ご注意ください。

DDJ-FLX4は楽曲選択と読み込みが可能
DDJ-FLX4には楽曲を選ぶロータリーエンコーダーと楽曲を読み込むロードボタンが搭載されています。DDJ-FLX2にはこのツマミとボタンが非搭載です。トラックの読み込みや選択はソフトウェアを起動しているデバイスから行う必要があります。

DDJ-FLX4はBEAT FXが操作可能
BEAT FXは、再生する楽曲のテンポに同期したエフェクトあるいは自分でタップしたBPMのエフェクトのパフォーマンスが可能です。DDJ-FLX4には、これを操作するボタンが設置されています。

DDJ-FLX4にはTRIMおよびインジケーター装備
TRIMは、各チャンネルに搭載されていていて、入力レベル(音量)を調整するためのツマミです。再生する楽曲に音量差があるときにバランスを整える重要な役割を持ちます。DDJ-FLX2にはTRIMがなく音量を上げることができないこともあり、音量レベルを見やすくするインジケーターが搭載されていません。

ジョグのサイズとパッドのサイズが違います。
DDJ-FLX4のジョグホイールのサイズは132mm、パッドのサイズは16mm、DDJ-FLX2のジョグホイールのサイズは106mm、パッドのサイズは14.8mmになります。ジョグのサイズおよびバッドサイズは大きい方が操作がしやすい特徴があります。

フェーダーが異なる
DDJ-FLX4はフェーダーつまみの真ん中に白線があり、また、3層構造でロックがかかります。フェーダーのつまみが外れにくい設計となっています。

DDJ-FLX4はKEY SHIFTが操作可能
DDJ-FLX4には楽曲のキー(調)を変更することができるKEY SHIFTボタンがあります。楽曲の元の音程から上下の半音単位で設定が可能です。なお、Serato DJソフトでは別途Serato Proへのアップグレードと、Pitch ‘n Time DJが必要になります。

DDJ-FLX4はBEAT JUMPが操作可能
DDJ-FLX4では、再生中の楽曲のリズムを崩さず瞬時に再生位置を移動することができるBEAT JUMP機能を操作できます。DJプレイのパフォーマンスに使用します。

本体のサイズと重さが異なる
DDJ-FLX4のサイズは横482mm x 縦 272.8mm で重さは2.1kg、DDJ-FLX2は横383.2mm x 縦 208mm で重さが1.2kgです。

DDJ-FLX4はマイク入力を装備
外部マイクを接続することができます。配信や演奏時に、他の機材を用意することなくトーク、MC、パフォーマンスをコンパクトに行えます。

DDJ-FLX4はLOOP専用のボタンを設置
両機種ともに、PADモードにBEAT LOOPがありますが、DDJ-FLX4にはループを使ったDJミックスや切り替え操作などをスムーズにするLOOP専用ボタンが設置されています。

DDJ-FLX2はアプリ版djayに無償対応
両モデルともに、対応しているDJソフトウェアは同じです。ただし、スマートフォン版アプリ「djay」を使用する場合「DDJ-FLX2」は無料で接続できますが、「DDJ-FLX4」は有償となります。

PADや再生ボタンの素材が違う
DDJ-FLX4はPADがラバー製なのに対し、DDJ-FLX2はプラスチック製で、押したときにクリック音が出ます。また、再生ボタンもDDJ-FLX4では上位パーツを使用しています。

PADモード切替ボタン
DDJ-FLX4ではPADモードの切り替えボタンがついていて、瞬時にモードを切り替え可能ですが、DDJ-FLX2では、SHIFT+BEAT SYNCでモード切替状態に入り、PADの上の段でモードを切り替えます。

DDJ-FLX4にはUSBポート2つ完備
DDJ-FLX4はパソコンなどの外部デバイス接続用のUSB端子の他に電源用も搭載されています。もちろん、バスパワーにも対応しているので通常はUSBケーブル1本で接続できますが、使用するデバイスで電源不足が生じた際に電源を確保できます。また、スマートフォンに有線接続する場合は充電しながらの使用も可能です。

主な比較表

DDJ-FLX4DDJ-FLX2
TRIMノブ
レベルメーター
ロードボタン
ロータリーエンコーダー
マイク入力
KEY SHIFT 操作
BEAT JUMP 操作
BEAT FX 操作
MANUAL LOOP 操作
ジョグサイズ132mm106mm
パッドサイズ16mm14.8mm
出力端子RCA3.5 mm ステレオミニ
有線接続USB-C、USB-A、LightningUSB-C、USB-A
電源用USBポート
筐体寸法(WxDxH)mm482 x 272.8 x 59.2383.2 x 208 x 48.2
重量2.1kg1.2kg

あえて言うなら惜しい点・弱点

細かい部分になりますが、個人的に「ここがもう少し良くなるとさらに理想的」と感じた部分をご紹介します。あくまでも比較を通して感じた一意見としてご参考ください。

DDJ-FLX4 の惜しい点

  • 一般的なUSB電源が使えない場合がある。
    iOSアプリなどのモバイルデバイスと「DDJ-FLX4」を使用する場合には、別途電源が必要です。ただし、一般的にスマートフォンの充電に使われるUSB電源アダプターやモバイルバッテリーは、規格が異なるためご使用いただけない場合があります。ご使用の際は、対応する電源を別途ご用意ください。(DC 9 V, 3 A以上のUSB-C電源、詳しくは最寄りの店舗スタッフまで)
  • djay for iOS/Androidで使用するには課金が必要。
    「DDJ-FLX4」はスマートフォンのDJアプリ「djay」には対応していますが、使用するにはサブスクリプションの登録が必要です。
  • BEAT FXの操作がパソコンの画面を見ないとできない
    ミックス時によく使用する、BEAT FXの操作子はありますが、エフェクターの種類や拍数などはパソコンの画面を見ないと把握できません。

DDJ-FLX2 の惜しい点

  • 楽曲選択と読み込み操作ができない
    購入前には気にされない方が多いのですが、実際に使ってみると非常に不便です。DJコントローラーのツマミを回して直感的に楽曲を選択し、読み込めた方が圧倒的に楽です。DJコントローラーのツマミを回して直感的に楽曲を選択し、そのまま読み込めた方がプレイがスムーズになります。
    ほとんどのモデルでは、ジョグダイヤルやセレクターを回して曲リストを操作し、選択/ロードすることができますが、それができないと、毎回PCやスマホ側で操作する必要があり、DJ中の流れが途切れてしまいます。
  • TRIMおよびインジケーターがない
    自宅で軽く楽しむ程度や、身内のちょっとしたパーティーであれば気にならないかもしれません。
    しかし、商業施設や人前での現場使用を考える方にとっては注意が必要なポイントです。
    TRIMツマミは音量の微調整に使用され、インジケーター(レベルメーター)は音の大きさを視覚的に確認するために不可欠です。これらがないと、音割れや音量不足が事前に察知しづらくなります。
  • マスター出力が3.5mm端子のみ。
    一般的なRCAピンジャック出力が搭載されていないため、マスター出力は3.5mmステレオミニ端子のみとなっています。これは家庭用スピーカーなどを使った軽い使用では問題ありませんが、業務用スピーカーやPA機器との接続においては、信頼性や接続の安定性の面で注意が必要です。3.5mm端子は接点の保持力が弱く、セッティングの交代や移動などで抜けやすいという物理的なリスクがあるほか、経年による摩耗や抜き差しの頻度によって接触不良を起こしやすくなります。
    このため、大型アンプや業務用のPAシステムとの使用は推奨されません。
  • Lightning接続には対応していない。
    Lightning端子を搭載したiPhoneやiPadなどのiOSデバイスとは有線接続ができません
    Bluetoothで接続する必要がありますが、その場合本体のマスター出力からではなくスマートフォン側のスピーカーから音が出ます
  • PADのモード切替が面倒
    モード切替には「SHIFT+BEAT SYNC」でモード選択モードに入り、そこからPADの上の段で目的のモードを設定します。そのため演奏中にテンポよく切り替えることが難しいです。例えば、通常のプレイではHOTCUEを使うけど、効果音でサンプラーを鳴らす時などに慌ててしまう場面もあるかもしれません。
  • USB-Cでスマートフォンを充電しながら使用できない。
    USB-Cケーブルでスマートフォンと接続して使用している場合、同時にスマホを充電することができません。
  • 多用されるビートエフェクト操作ができない
    BEAT FXは、曲のビートに合わせたエフェクトを手元で素早くコントロールする際に頻繁に使用される機能で、「つなぎの演出」や「盛り上げ」といったシーンで活用されます。また、再生中の曲が終わりそうなときにROLL機能で繰り返す、といったテクニックにも使われます。
    本体でBEAT FXのコントロールができないことで、こうした演出やアレンジの幅が狭まってしまう点はデメリットとなります。
  • 半拍ずらし、〇小節前に戻りたい、ができない
    指定した「拍(ビート)数」だけ瞬時に曲の再生位置を前後にジャンプ(スキップ)できる便利なビートジャンプ機能を操作することができません。これは、インスタントダブルから半拍ずらしで2枚使いのパフォーマンスをしたい方には必須かもしれない機能です。
    ほかにも、ビートジャンプで戻って演奏を続けるといったアレンジや、ホットキューやループポイントを設定するときにも使われたりします。

どちらがあなたに合う?

DDJ-FLX2とDDJ-FLX4はどちらも持ち運びやすさや使いやすさを意識したモデルですが、選ぶポイントはいくつかあります。

DDJ-FLX2がおすすめな方

DDJ-FLX2は、「軽量でコンパクトな機材を優先したい」「自宅や親しい友人とだけDJを楽しみたい」「スマホを使って手軽に始めたい」といった方に適しています。特に、とにかく軽さとスマホ接続のしやすさを求める場合におすすめです。

DDJ-FLX4がおすすめな方

持ち運びやすさを求める方にもDDJ-FLX4は十分対応しています。さらに、DDJ-FLX4は基本的なDJ機能がしっかり揃っているため、入門機として長く使いたい方におすすめです。

まとめ

もし、予算がどうしても限られている場合や、使い道が明確に決まっている場合はDDJ-FLX2。それ以外の場合は、総合力や将来のことも考えて、DDJ-FLX4を選ぶ方が無理なく長く楽しめるでしょう。上位モデルのありがちな多機能による操作性の難しさはありません。DJをこれから始める方は、少しだけ予算をプラスしてDDJ-FLX4を選ぶのが安心です。

その他のポイント

下記は「DDJ-FLX4」と「DDJ-FLX2」の2つのモデルに共通している内容です。

Bluetooth 接続の落とし穴

iPhoneなどのスマホでDJをしたい場合、Bluetooth接続が可能ですが、有線接続とは違いがあります。まず、Bluetooth接続ではスマホから音が出力されます。DJコントローラーの出力からは音が出せないため、音質はよくありません。
さらに、DJは曲の準備を行うためヘッドホンで次に再生する曲を聴きますが、それを行うにはスプリットケーブルを別途用意し、オーディオ信号を強制的に左右に振り分け、片方のチャンネルからマスター音、もう片方から次に再生する曲(キュー音)を出力させます。そのため音声はモノラルになります。

2CHのみ使用可能

上位機種では4チャンネル(4デッキ)のコントロールができるものが多いですが、両機種ともに2チャンネルのみのプレイになります。3チャンネル以上を同時に使うシーンとしては、現場で3つの音源を組み合わせて独自リミックスの再生やロングミックスなどが挙げられます。

SMART FADER のちょっとしたこと

SMART FADERというDJミックスのトランジションを魔法のように簡単にする機能が搭載されているのも魅力の1つです。ただ、この機能は手軽に高度なミックスを実現できる反面、依存しすぎるとビートマッチやEQ調整といった根本的なDJスキルが身につきにくくなるリスクがあります。
そのため、SMART FADERのない一般的なDJ機材でDJをする機会が訪れた際に、思うようにプレイできない可能性があります。
最初はSMART FADERの恩恵を活かしつつ、徐々に自身の手で細やかなコントロールや応用テクニックを磨いていくことが、長い目で見て最適なステップアップとなります。

Serato DJ Lite は機能が限定的

パソコンで rekordbox をご使用いただく場合は問題ありませんが、Serato DJ Lite の使用をお考えの方は、機能制限がrekordboxよりも多いことに注意が必要です。Serato DJ Lite から Serato DJ Pro へアップグレードすると、より楽しむことができます。また、Serato DJ Proのオプションを購入することでさらに機能が追加されます。

本記事でご紹介した商品

DDJ-FLX2

通常価格¥27,500(税込)
JANコード4573201243096

DDJ-FLX4

DDJ-FLX4をご購入いただいた方には、接続方法や使い方を解説した当社限定の「DDJ-FLX4 スタートアップガイド動画」をプレゼントしています。

通常価格¥44,000(税込)
JANコード4573201242532

DDJ-FLX4-W

通常価格¥55,000(税込)
JANコード4573201243317
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