フィルター
特定の周波数成分をカットするのがフィルター。
フィルターの種類には
- ローパス・フィルター(LPF)
- ハイパス・フィルター(HPF)
- バンドパス・フィルター(BPF)
などがあります(他にも色々あるのですが今回は割愛)それぞれの特徴についてご紹介しましょう。
ローパス・フィルター(LPF)
周波数の低い方(ロー)を通す(パス)フィルター。つまり周波数の高い方をカットします。大部分のシンセサイザーには必需品といってよいでしょう。一番おなじみなのがこのローパス・フィルターだと思います。
例)Daft Punk (祝グラミー受賞)- Around The World:イントロ部分
最初はこもった感じ(ハイをカット)から徐々にフィルターが開いていく「特殊な効果」がわかりますね。
レゾナンス(ピーク)
カットする帯域付近を持ち上げるのがレゾナンス(resonance)。シンセなどではくせのある「ビュワーン」「ビューン」といった音を作るのには必要不可欠なパラメータです。
ハイパス・フィルター(HPF)
周波数の高い方(ハイ)を通す(パス)フィルター。今度は周波数の低い方をカットするわけですね。
ボーカルやアコースティック・ギター等の録音では「ローカット」が良く使われますね。
バンドパス・フィルター(BPF)
必要な周波数帯域(バンド)のみを通す(パス)、他の周波数は通さない(カット)するフィルター。逆はバンドストップフィルタ(ノッチ・フィルター)などと呼ばれます。
以上、実際にDAW(DP8)でフィルター・プラグイン(DP8付属)をかけ、iZotope Ozone5のスペクトル・アナライザー(周波数の出力分布測定器)で表示させてみました。
なんとなく個々のフィルターの雰囲気がわかっていただければよいかと思います。音色の補正がEQの主な目的だとして、フィルターは「音色に変化を与えてサウンド表現する」といった使い方が多いです。
エキサイター(≒エンハンサー)
ハーモニックとフェイズの二種類が主流。ハーモニック・エキサイターは、音を歪ませることによって生まれた倍音(の高域成分)を原音に付加しキラキラ感を出すもの。フェイズ・エキサイターは位相のズレを利用したもの。どちらも効果としては「音にメリハリ感を加える」という効果があります。
ワウ(WAH-WAH)
バンドパスフィルターの帯域をずらすことによって「ワウワウ」といった音色変化を与えることができます。ギタリストにはおなじみのエフェクターです(どうしても釣られて口が動くんですよね・・)
ジミヘン
ギタリストの場合、多くはペダルを足で踏み込んで「ワウワウ」いわせる訳です。キーボーディストの場合「ミシン掛け」(昭和生まれしか知らないと思います)してるみたいで少々・・・・
参考:アンティーク足踏みミシン
ワウペダルの定番「Cry Baby」
入力に応じて自動にワウをかけるタイプ、周期的なワウ効果をかけるタイプなどがあります。これは俗に「オートワウ」などと呼ばれています。
おまけ:マイケル・ウィンスローの「口ギター」凄いです!ぜひ最後までご覧ください「口ワウワウ」もやってます
というわけでではまたー
この記事を書いた人

デジランド・デジタル・アドバイザー 坂上 暢(サカウエ ミツル)
学生時代よりTV、ラジオ等のCM音楽制作に携り、音楽専門学校講師、キーボードマガジンやDTMマガジン等、音楽雑誌の連載記事の執筆、著作等を行う。
その後も企業Web音楽コンテンツ制作、音楽プロデュース、楽器メーカーのシンセ内蔵デモ曲(Roland JUNO-Di,JUNO-Gi,Sonic Cell,JUNO-STAGE 等々その他多数)、音色作成、デモンストレーション、セミナー等を手がける。