ネジで分かる管楽器の性質
こんにちは!杉浦です!
今日は最近テレビで見て
なるほど~と思ったお話です!
ネジの頭は何型?
皆さん、ご自身の楽器に
ネジはどのくらい付いていますか?
杉浦調べによると…
フルート…約30個
クラリネット…約25個
サックス…約60個
オーボエ…約65個
メーカー等によって差はありますが
想像以上に沢山使われています。
では、その数十個もある
ネジの頭を見た事ありますか?
そして、そのネジの特徴を知ってますか?
+++++++++-らしい…
ボーッとテレビを見ていたら
「日本で流通しているネジは
9割がプラスネジ、残りの1割が
マイナスや特殊な形状です。」
と聞こえてきました。
…え、でも管楽器ってほぼマイナスだよな?
プラスを使わない楽器もあるよ?
管楽器はスタンダードじゃないの…?!
ネジを見てみる
実際の楽器を見てみました。
赤矢印がマイナスネジ
青矢印がプラスネジです。
※ネジをご自身で外す・回すと
音が出なくなる危険があります。
ネジを触るのはおやめ下さい。
サックス
マイナスが殆どでしたが、キィガード↓
板バネ(プレート状のバネ)↓↓
にはプラスネジが使われていました。
しかし、同じ場所でもマイナスの楽器もあり
必ずしもプラスということではなさそうです。
マイナスネジver.↓↓↓
クラリネット
どこもかしこもマイナスでした。
フルート
こちらはサックス同様。
プラスもありましたが
マイナスの品番もありました。
金管楽器
木管と比べてネジは少ないですが
殆どがマイナスです。
ホルンやトロンボーン・チューバなどで使われる
ロータリー周辺はプラス(又は星型)もありますが
マイナスもあります。
これは個性でしょう!
まとめ
管楽器のネジは殆どがマイナスでした。
プラスやそれ以外のネジもありましたが
どの楽器も「必ずプラス」の場所はなく
絶対的なものではないようです。
なぜだ!なぜスタンダードの逆をいくのだ!
理由はなんだ!
なぜマイナスを使うのか?
今から、テレビで見た情報を
さも自分で考えたようにお話します。笑
まず、いち早く日本へ伝わったのは
マイナスネジだそうです。
でも次第にプラスネジが増え
今では9割がプラスだそう。
これはネジの頭それぞれに
特徴にがあるからなんです!
特徴が謎を解くヒント
プラスネジの1番の特徴は
作業が楽で効率的にできることです。
十字の溝があり中心が合わせやすく
簡単にドライバーをはめ込み
少ない力で強く締め込めるのが特徴です。
逆にマイナスは端まで溝が掘ってあり
ドライバーが滑るのを防ぐため
手を添えないと締めにくい構造です。
※「手間がかかる」という意味です。
締め込めないということではありません。
ですので、時代が進むと共に
プラスが主流になったのです。
ここまでだと「全部プラスにしよう!」
と思っちゃいますが、別の特徴もあります。
汚れには有利?!
実は別方向から考えると
マイナスネジが1歩リード!!!
それはネジの頭に汚れが詰まる
可能性があるからです。
汚れとはホコリやサビなどです。
溝に汚れが溜まることは
皆さんも想像できますよね。
マイナスネジは一直線に溝があるだけなので
汚れを掻き出しやすく、頭を潰しにくいのです!
逆にプラスネジは縦横の他に
中心に向かって溝が深くなる
複雑な形をしています。
ですので、汚れを掻き出しにくく
ドライバーが滑り頭が潰れてしまいます。
確かに!
楽器のネジの頭には汚れが溜まってるわ~
それ掻き出すの無意識にやってるわ~!
お掃除すると…↓↓↓
楽器以外でも、汚れが付きやすい場所には
マイナスが多く使われるようですよ。
例:電気メーター・消火栓・水まわり
その他特殊形状の場合は
より締め込める形を突き詰めたり
防犯上(誰でも簡単に回せない)の理由から
種類があると考えられます。
どの形にもメリットとデメリットがあり
用途によっての使い分けが重要ですね!
ネジで分かる管楽器の性質
ここまではテレビの情報でお送りしました。笑
で。ここからが私の伝えたいことです。
もうお分かりですね。
管楽器にマイナスネジが多いのは
水分が付きやすいからです!
強く締め込みたい等様々な意図があり
プラスネジも採用されていますが
それはネジに汚れが付かないよう
お手入れしてもらう前提でのお話です。
吹奏楽器なので汚れが溜まるリスクは
ネジの形状に関わらず十分あります。
そして、異音防止の為に
オイル・グリス類もたくさん使われています。
異音のお話しはこちら↓↓↓
押すとカチャカチャ 要・調・整のサイン
皆さん、思い出して下さい。
練習中に気付いたら手がびちょびちょに…
なんて経験ありませんか?
それ、汚れが溜まる前兆です。
水分や油分がホコリを引き付けて
最終的に汚れになってしまいます!!!
そうするとネジの頭が詰まって
調整できなくなるんです。
いちばん伝えたいこと
マイナスネジは「プラスと比べれば」
汚れを掻き出しやすいです。
でも、実際はプラスもマイナスも関係なく
汚れたネジの頭は潰れやすいんです。
なんなら固着して動かないことも…トホホ
というのが管楽器の現実です。
それほど水分が出ますよ!!!
(説得力のあるリペアマンの体験談)
もし、汚れが溜まってもそれが
音に現れるか(気付けるか)というと
そうもいきません。
「音が出るからいいや」とそのままにすると
突然パーツが折れたり、修理に時間がかかります。
以前、お伝えした音が切り替わらない事件も
パーツがボロボロ事件も水分・油分が原因です。
本番直前にアクシデントが起きて
「修理に時間がかかる」なんて嫌ですよね…
(私たちもそんなこと言いたくない…!)
「ちゃんとお手入れしておけば…」
と、過去の自分を呪うことの無いよう
汚れを溜めない努力を行いましょう!!
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中高6年間をトランペットとコルネットの二刀流で部活漬けの毎日を過ごしてきました!全国の皆様からのご依頼、心よりお待ちしております!