へこみ直しシリーズ その4 ~サックスベルめくれ~

こんにちは!杉浦です!


本日はサックスのベルです!


今までのへこみ直しシリーズ↓↓↓
ベルの歪み修正
楽器がへこむと人もへこむ…
へこみ直しシリーズ3

ベルがぺろんってしてるヤツ

本日はこちらの楽器です。
落としてしまったそうです。

ベルの広がっているところが
(私達はベルふちと呼びます)
ぺろんとめくれています。

正確には「へこみ」ではなく
ベルふちめくれ」という症状ですが
元の形に戻すのは同じです!


横から見ても

ふちを水平から見ても

演奏者目線で見ても

どこから見てもめくれてる...(涙)

でも大丈夫です!
私が!直してみせましょう!

合言葉はいつもの

はい、作業前の合言葉です。
\ ぶ ! ん ! か !い !/

キィがなくなってスッキリ♪


分解もういっちょ

ここでワンポイント!
サックスの分解はひと味違う!
もっと楽器を軽くするんです。

名付けてベル脱着!!!

右手薬指「レ」のキィの下に
胴輪(輪っか)があり、ネジ止めされてます。
ここから更に分解出来ます。
(胴輪とネジが無いモデルもあります)

実はこの部分、溶接ではなく
接着剤でくっついてるんです。
キィを外して内側を見ると
接着剤が少しだけ見えますね。

このように接着剤+胴輪(ネジ)で
しっかりと固定されています。

ピッコロでも同じように
接着剤を使う場所がありましたよね。☟☟☟
こんなこともあるのか~ピッコロ編~

もちろん!
ちょっとやそっとでは外れない
強力な接着剤ですので
正しく使えば外れませんよ♪

接着剤の使用は今までの
トランペットやホルンの分解とは
明らかに違う点ですね。

トランペットのベルについてはこちら☟☟☟
衝撃~らっぱの悲劇~

普通の調整では外しませんが
接着剤が劣化していたり
今回のような修理の時には
この部分まで外します。

ちなみにU字の反対部分は
溶接で付いているので
接着剤は使いませんし
修理で外すことはまずありません。

胴輪と接着剤を外すと

めちゃ軽!
サックスは金管楽器に比べて
金属が肉厚なのでこれくらい
軽くすることで作業できます。

それでは作業に入ります!

ベルふちよ、戻れ~

まずはベルふちのラインを
真っ直ぐにします。

ベルふちを平らなものに当ててみると
めくれた部分が盛り上がっていて
机との間にすき間が見えますね。

これを元に戻します。

ものの数分でこんな感じ。

写真はマットの上ですが
作業は超平らな台の上で
きちんと確認してますよ。

水平から見ると良いですが
上から見ると紙を折ったように
折れ目に沿って角ばったエラが
残っています。

他の部分と同じように
キレイな曲線になるよう
角を均していきます。

※エラが残った様子は写真では
伝わりずらいです。ごめんなさい!

めくれよ、無かったことになれ~

矢印の部分!エラを均して
キレイな曲線になるよう
作業した結果がこちらです!

ここまで出来たらベルを取り付けて
キィを組み付けます!

完成

キィを組み付けるのと同時に
傷んだタンポの交換や
他の調整も行います!

調整の様子はこちら☟☟☟
定期調整の大切さ
こんなこともあるのか~木管楽器編~

そして完了したのがこちら!
どーーーーん!

横から見ても

ふちを水平から見ても

演奏者目線で見ても

いかがでしょうか?
すっかり元通りになりました!

※めくれた時の金属のくもりや
修正跡・僅かな歪みは残ります。

音が出れば良いってもんじゃない

皆さん楽器を落とした・ぶつけた
倒してしまったことはありますか?

また、「音が出るから大丈夫~」と
そのまま使い続けていませんか?
それ、楽器にはかなりの負担ですよ

楽器は柔らかい金属を使っているので
「こんなことで?」ってくらい
簡単に重症になります。
例えケースに入れていたとしても。

実際に、今回の楽器もベルふちがめくれた他にも
キィが曲がっていたり
動かない場所がいくつもありました。

アクシデントが起きた時には
ご自身で判断されず、必ずリペアマンに
状態を確認してもらいましょう。

楽器を預けてみて
何にも問題なければラッキー♪
不具合があれば見てもらって良かったー!
という感覚で利用して下さいね。


今回はベルふちめくれの他に
全体調整・タンポ交換・
キィ動作修正とベル脱着です。

修理・調整代 29,425円(税込・送料パーツ代別)

記事中に表示価格・販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その価格・在庫状況は記事更新時点のものとなります。
店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。

この記事を書いたスタッフ

管リペアセンター杉浦

中高6年間をトランペットとコルネットの二刀流で部活漬けの毎日を過ごしてきました!全国の皆様からのご依頼、心よりお待ちしております!

管リペアセンターの店舗情報

このスタッフの記事をみる

おすすめ情報