皆様、こんにちは。
弦楽器技術スタッフの高瀬です。

先日、群馬の両親から「自家製下仁田ネギ」を大量に送って頂きました。
通常のネギとは異なり、かなり太くて甘みが強いのですき焼きにとても合います。
…という訳で早速すき焼きにしたのですが、一つ欠点があります。
美味しすぎてしばらくは通常のネギに戻れなくなります。
皆様も是非ご賞味ください。

本日は、リタッチのやり直し修理についてです。

リタッチのやり直し

過去の修理痕

まずはこちらをご覧ください。

お分かりいただけましたでしょうか。
ペグ穴の上2つ周辺がわざとらしく色を塗られています。
なぜこのように継ぎ接ぎ修理がされているかと言いますと、おそらく以前『ペグボックス割れ修理』が行われたからです。
ペグが入る「ペグ穴」に負担がかかり、経年変化である日突然割れてしまう事があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
修理工程をとても分かりやすく説明してくれています。

今回の楽器は先ほどご紹介した記事の修理方法と若干異なり、円形ではなく四角く材をカットしています。
修理を急いでいたのかもしれませんが、上下の接着面がアバウトで隙間が僅かに見えてしまっています。
他の面の接着はピッタリと行われているので、耐久面はおそらく問題ありません(と信じます)。
なのでこのままでも機能上は問題ないので、目を瞑っても良いのですが…
あからさまな継ぎ接ぎがあまりにも可哀想なので、もう少しだけ分かりにくくなるようにリタッチをやり直しましょう。

ニス剥がし、ベースの下地塗り

リタッチを行うためにニスを剥がしたのですが、想像以上に修理痕の木取りがアバウトでした。
強度的には良いのかもしれませんが、オリジナルの木材の模様や繊維の方向と全く合っていません(写真を撮り忘れてしまいました…)。
これはリタッチ作業が難航しそうです。

リタッチに使用する筆

リタッチでは場所によって筆を使い分けます。
今回私が使用した筆はこの4本です。

ニスコーティング用の筆、細かいリタッチ用の筆…などなど、場面によって使い分けるので、他にも12本ほど種類の異なる筆を所持しています。

リタッチに使用するニス

リタッチにはニスも使用するのですが、ちょうど先日ニスを大量に作ったばかりです。
せっかくなので、作りたてのニスを使用してみます。

本来は楽器の種類によってニスを調合するのですが、量産の楽器はニスの系統が似ているので、作り置きのニスでも楽器との相性が良かったりします。
写真に写っているのは一部ですが、ニスの材料をこのように分けて保管しています。
小分けをしておくと調合が楽なので、大変便利です。

修理痕のリタッチ

下地処理後、ある程度まで色を重ねた状態がこちらです。

上部の接着面は分かりにくくなったのですが、下部はどうしても隠せ無さそうです。
これを更に塗り進め、杢などを描き込むとこのようになります。

更に分かりにくくなってきたのではないでしょうか。
ちなみに、角度を変えても色味にそこまで大きな変化が無いようにリタッチしています。

こちらの楽器、実はお店の備品楽器になる予定なので、そこまで時間をかけて修理を行えません。
今回の作業もトータル30分程です。
なのでリタッチはここで完了し、乾き次第ニスをコーティングして終了となります。
(お客様の楽器はもっと時間をかけてより丁寧に仕上げますので、ご安心ください!)

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この記事を書いたスタッフ

マークイズ福岡ももち店高瀬

弦楽器技術者の高瀬です。楽器の調子が悪い、音をもっと良くしたいと思いましたら、ぜひご来店ください。皆さまをお待ちしています!

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