【マイスター工房通信】ペグボックス割れ修理
今回はペグボックス割れ修理について、簡単ですがお話していきます。
ペグボックス割れ
前回森貝の記事でペグについて書かれていますが、ペグボックス割れは前回記載のペグテーパーが合わずにペグボックスに負担をかけ続けると起こりうる症状です。他にもぶつけたり落としてしまったなど、原因は様々です。
今回は割れてしまったペグボックスに補強材接着という方法の修理工程です。
写真(ブッシング後の割れが見えづらい写真ですみません)のように割れ方は木の繊維に沿ってペグ穴から下側ペグボックス外側に向かって割れていたり、ペグ穴からペグ穴の間が割れていることが多く見られます。また写真の事例とは異なりますがA線ペグ穴は上側ペグボックス外側との距離が近いためヒビが入りやすいことがあります。
割れを接着後、ペグ穴ブッシングをしてから割れている範囲を覆うように外側から平面を削り取っていきます。
補強材を成形し、削り取った面と合わせていきます。この時補強材はネック材と同じメープルです。仕上げ後を想定して繊維の方向や杢反射が周りと出来る限り同じになるように木取りします。
補強材接着後、余分な肉を削り取り成形していきます。傷口に貼られた絆創膏みたいですね。
ニスを塗り重ねます。
この後ペグ穴を開け直し、テーパーの合ったペグを差し込んで、完了です。
多少使いづらくても使い続けることは出来ますが、今後起こりうる症状を頭の片隅に入れていただければ防げることはあります。セルフチェックを行い、少しでも使いづらいなと感じるときはシマムラストリングス秋葉原、またはお近くの島村楽器までお越しいただければと思います。
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