松脂の使用期限 【弦楽器工房ブログ】
皆様、こんにちは。
弦楽器技術スタッフの高瀬です。
4日前に毎日カレー生活が終了したばかりではありますが、今度はグリーンカレー(7人前)を調理しました。
ちゃんとココナッツミルクを投入するタイプのグリーンカレーです。
冷蔵保存で現在2日が経過し、既に危険な香りが漂いつつあります。
グリーンカレーは度々作っているのですが、今回の調理時にココナッツミルクの状態がトゥルトゥルしていたので、いささか気にはなっていました。
(普段は牛乳のようなサラサラした状態です)
毎日グリーンカレー生活継続の判断に迷います。
本日は
■ 毛替え2本
■ ペグ調整
を行わせていただきました。
ご来店いただき、ありがとうございます。
先日、「松脂に使用期限はあるのか」という質問をいただきましたので、本日は松脂について書いていきます。
まず、松脂に使用期限はあるのかという質問について、答えはおそらくYESです。
私も松脂の専門家ではないので自信を持っては言えませんが、期限はあると考えています。
厳密に何年、と決まっている訳ではありませんが、皆様の松脂を見ていると通常使用でも10年ほどで劣化してくるように思えます。
そもそも松脂が使用不可となる場合は
■ 経年変化により、松脂の成分が変化した(オイル成分がなくなる)
■ 高温の環境に放置し、1度松脂が溶けて形状が変化した
■ 落下あるいは衝撃が加わり、松脂が砕けた
だいたいこの3パターンです。
経年変化の場合は、内容成分のオイルが無くなってしまっている場合があるので、買い替えが必要です。
(オイル分が無いと、塗りにくく、割れやすくなります)
こちらは年数の経過した松脂の画像です。
お客様から処分してほしいとお預かりしたものです。
おそらく10年近く経っているのでしょう、何度こすっても全く塗れませんでした。
続いて、高温化に置いた場合。
よくある状況は、夏場の車内放置です。
軽度な状態ですが、このような形状になります。
こうなってしまうと塗る作業が大変になるので、やすりで表面を整えるか、買い替えたほうが良いです。
グネグネと大きく形が変化している場合は、かなり高温で溶けている証拠なので、買い替えが望ましいです。
表面が溶ける位なら良いですが、あまりに高温だと松脂の成分に変化があるかもしれないからです。
松脂が下の画像のように砕けた場合、軽い状態でしたらライター等で軽く炙れば再接着できます(割れ目は残ります)。
粉々になってしまった場合は、シリコン容器を使用すれば以下の方法で再び固形に戻すことも可能です。
ただし、成分に関しては多少の変化はあるので、音や弾き心地を気にする方は買い替えてください。
砕けた松脂の再生方法
準備するものは
■シリコン容器(100円ショップで販売している、お弁当用のシリコンカップが良いサイズです)
■砕けた松脂(荒い場合は、叩いてより粉々にしましょう)
■鍋や電熱器
■水
以上です。
特に難しいことはありません。
シリコンカップに松脂を入れ、水を張った鍋(シリコンが1/3位浸るくらい)にシリコンカップを浸したら温めるだけです。
鍋とシリコンが直接付かないよう、簡易的な台があるとより良いです。
また、水は泡立つほど沸騰させないように弱火でコトコトと(小さな気泡が出る位)温めてください。
30分ほどで溶けますので、完全に溶けたらお湯から離して10分くらい粗熱を取り、松脂が固まるのを待ちます。
今回は私物のシリコンカップで行ったので実用性を無視した形状ですが、下の画像のような仕上がりになります。
あとは布に接着すれば以前のように使えます。
(接着は松脂を少量溶かしてくっ付ける方法が一番良いですが、面倒なら接着剤で固定しても大丈夫です)
やり方が下手だったのか、仕上がりはあまり綺麗ではありません、、、
(以前他の用途で使用したシリコンカップなので、その時の傷やたわみも付いてしまいました)
皆様はもっと綺麗に仕上がりますので、ご安心ください。
また砕けた松脂を入手したら再挑戦致します。
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弦楽器技術者の高瀬です。楽器の調子が悪い、音をもっと良くしたいと思いましたら、ぜひご来店ください。皆さまをお待ちしています!