図解でわかる!~パーツの名称・ネック編~

「何かがおかしい、ここが壊れているんじゃないかな?」
「パーツが無くなってる!でも、何て言えばいいのか、わからない!」そんな事ってありませんか
大雑把には覚えているけど、何て呼べばいいのか分からないギターの細かなパーツを紹介していきます。

因みに今回はネックに範囲を絞ってご案内しますね。



ネックはここ!

エレキギター、ベース、アコースティックギター、ウクレレなど
いずれもネックと呼ばれる箇所は共通しています。

今回はこのネックの各部名称と役割を紐解いていきます。

まずはヘッド

このエリアです。

ペグ

殆どの楽器でヘッドについているのがこのパーツ。弦楽器として成立させるために必須なペグです!
形状は個体によって様々ですが、役割はすべて同じ。弦の張り具合を調節し、チューニングを合わせる為のパーツです。

ナット

弦を支えると同時にスケール(※このページでは開放状態で弦を弾いた際に弦が振幅する長さを指しています)の起点になる部分です。

楽器によってはスケールの起点として0フレットが打たれており、ナットは弦同士の間隔を調整するため搭載されているものもあります(ゼロフレット仕様のナット交換)
ナットには牛骨や象牙、樹脂、カーボン、ブラスなど様々な素材が用いられ、素材によって特性が異なります。詳しくはナット素材で何が変わるの??をご覧下さい。



テンションピン

ヘッドの形状によりピン自体の有無があります。

ナットからペグに向かう弦の角度を変え、弦に加わるテンションのバランスを調整する役割をしています。
1つのピンで2本の弦を押さえるものが多いですが、各弦を押さえる仕様のもの、全弦まとめて押さえるバー状の物など種類があります。

続いてグリップ部

このエリアです。

指板

フィンガーボードとも呼称されます。
文字通り、押弦時に指の腹が当たる部分を指します。指板に使用される代表的な木材はローズウッド、メイプル、エボニーがあります。使用されている木材により見た目や質感が異なります。

ネックグリップ

ネックを握った際、親指の付け根から手のひらが主に当たる部分を指します。ネック、と言うと、この部分を指すことが多いです
ネックに使用される木材はメイプルやマホガニーが主流ではありますが、装飾性や耐久性を求めて異なる木材同士を張り合わせ使用することもあります。

フレット

スケールの起点から規則的に打たれている金属製のワイヤーです。フレットワイヤーとも呼称されます。
押弦した際の音程を決める役割をしています。弦楽器以外だとピアノで言う鍵盤、リコーダーで言う音孔のような存在です。
敢えてフレットを打たず、押弦時の音程をプレイヤーに委ねたフレットレスと呼ばれる仕様の楽器もあります。
音程は開放音でのチューニングと、振幅する弦の長さで決まるため、条件を整えてあればフレットが無くても同じ音を鳴らすことが出来ます。バイオリンやチェロ等の弦楽器と同じですね。

ポジションマーク

何番目のフレットなのかを視覚的に分かりやすくする為の役割をしています。
装飾的要素が強いものを含めてインレイと呼称することがあります。
使用される素材は樹脂や貝、木材など様々で個体によっては繊細な彫刻のごとき装飾が施されている事も。
指板の横に打たれたものをサイドポジションマークと呼称します。

トラスロッド

エレキギター・ベースと近代仕様のアコースティックギターの多く取り入れられているパーツです。
表面的な露出が少ないパーツである為、一目見ただけでは搭載の有無が分からない楽器もあります。
トラスロッドは操作することでネック反りの方向を調節する事が出来ます。

ネックの反りについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。
トラスロッド操作部の位置・形状には種類が多く有るので、個体により操作に使う器具が異なります。

スカンク

ネックグリップの中心に位置していながら、ネックとは異なる素材のライン状に埋め込まれた木材を指します。指板・グリップ共にメイプル製の楽器で特に多く見受けられます。

基本的にはトラスロッドをネックグリップ側から仕込んだ際の蓋として埋め込まれた木材がスカンクとして見えています。
稀に装飾的な意味合いでスカンク風に色を塗っていたり、実際に木材を埋め込んでいる楽器もあります。



ネック周りだけでも・・・

ネックという狭い範囲ですが多種多様なパーツが折り重なって存在していることが分かるかと思います。
パーツが外れてしまった時や動作に不安があった時、相手に何と伝えて良いかわからない場合の参考にしてみてください。

次回はボディ編です!

図解でわかる!シリーズ一覧はこちら

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この記事を書いたスタッフ

浅草橋ギター&リペア店中野

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