ナット素材で何が変わるの??
皆さまこんにちは!
さて今回はタイトルにもありますように
ナットの素材で何が変わるか!
ご説明させていただきます。
ナットの素材ってたくさんありますよね・・・
「開放弦を弾いた時にビビりが...」
「ナット交換したいけど素材についてよく分からない!」
「カスタマイズとしてナット交換をしてみたい!!」
そんなお客様、必見の内容です。
早速ご案内させていただきます!
そもそもナットって?
まず初めに、そもそもナットって...?という方もいらっしゃるかと思いますので、細かな説明は省き簡単にご説明させていただきます。
ココです!ヘッド側の弦の出所となります。
開放弦を演奏する際には弦が常に影響するポイントですので、非常に重要なパーツとなります。
ナットの加工精度でチューニングの安定性や開放弦を演奏した際の音抜けがガラッと変わります。
「チューニングが安定しない!」という理由で修理をお持ち込みいただいたギターの中には、ナットの加工精度が原因という事も多々あります。
修理という名目だけでなく、チューニング精度の向上、音抜け改善という意味でもナット交換は非常に有効です。
特にサウンド面に関しましては、素材によってサウンドのキャラクターを変える事も出来ます!
ではでは!ナット交換で多く使用されるナット材ごとに特性をご説明をさせていただきます。
プラスチックナット
低価格帯の楽器に使用されている事が多いのがプラスチック製のナットです。
ナット素材の中でも非常に低価格で入手できますが、非常に消耗が早いデメリットもございます。
カスタマイズとしてプラスチック製のナットに交換する事はあまりなく、形がある程度整っているものを応急処置として使用する事が多いです。
プラスチックナット
•価格(入手しやすさ) ★★★★
•耐久性 ★
•チューニング安定度 ★★★
サウンドに関しましては人それぞれ好みがありますので、
あえて数値化せずに進めてまいります!
どんどんいってみましょう!!
牛骨ナット
ナット素材の中でも最もポピュラーと言っても過言ではないのが、この牛骨素材です!
販売されている楽器にも、中価格帯~高価格帯まで、幅広く使用されています。
プラスチックに比べ耐久性が上がり、サウンドのまとまりも良くなります。プラスチックよりもマイルドなサウンドになるイメージです。
またオイルに漬けた牛骨ナットは、ナット素材そのものに潤滑成分が含まれるオイルがしみ込んでいます。
その為、ナットでの弦の滑りが良くなり、チューニングの安定性に繋がります。
コストを抑えかつプラスチックより長持ちさせるのであれば漂白タイプの牛骨ナット、チューニングの安定性や美しい見た目を求めるのであればオイル漬けの牛骨ナットがオススメです!
牛骨ナット(漂白タイプ)
•価格 ★★★★
•耐久性 ★★★
•チューニング安定度 ★★★
オイル漬け牛骨ナット
•価格 ★★★
•耐久性 ★★★
•チューニング安定度 ★★★★
+美しい見た目
タスクナット
こちらもポピュラーなナット材です。
モダンなタイプのギターに使用されている事が多いでしょうか。
また牛骨とは違い、人工素材となります。
通常のホワイトのものに加え、素材そのものが黒いブラックタイプのタスクナットもあり、楽器の見た目に合わせてお選び頂くことが可能です!
牛骨ナット同様、耐久性に優れます。
さらに人工素材ではありますが、素材自体の潤滑性が良い為チューニングにも優れます。
サウンドは牛骨ナットよりも「シャリ」っとするイメージでしょうか。(人それぞれ感じ方が違うかと思いますので、あくまで私の所感となります)
また、人工素材の最大の強みは1つ1つの素材の密度やバラつきが非常に少ない事です。
安定とカラーバリエーションを求める方にピッタリの素材でございます。
タスクナット ブラックタスクナット
•価格 ★★★
•耐久性 ★★★
•チューニング安定度 ★★★★
+安定感
象牙ナット
出ました、ナット界のロールスロイス、象牙です!
サウンドキャラクターを口で表すのはとても難しいのですが、象牙ナットの付いている楽器を弾くと、
「あっこれは象牙の音だ...」となるくらい非常に美しい透明度の高いサウンドを奏でる事ができる素材でございます。
エレキでも有効ですし、特にアコースティックの楽器に使用するとサウンドがガラッと変わりますよ!
楽器のサウンドを格上の物にしたいお客様、決してお安い買い物ではございませんが、一生モノの楽器に是非お使いいただければと思います。
象牙ナット
•価格 ★
•耐久性 ★★★
•チューニング安定度 ★★★★
+圧倒的透明感サウンド
ブラスナット
そして最後に、ブラスナットのご紹介です!
今回唯一、金属界からのエントリーでございます。
ブラスナットの強みは何といってもこの丈夫さ!
弦は金属ですので、それに耐えうる耐久性を持ち合わせた素材となります。
ハイエンド系のベースに多用される理由が良く分かります。
また、弦の滑りが金属+金属となりますのでスムーズになります。
アーミングを多用される方や激しい演奏スタイルの方にも非常にお勧めです。
サウンドに関しましては見た目の通り、金属感が出ます。
好みは分かれますが、楽器のキャラクターをガラッと変えたい方にお勧めの素材でございます。
そしてこのつるつる感がたまりません・・・
金属になりますので、通常のナット交換よりも加工工程が増えるため、工賃自体は割増しになります。
また、お手入れをしないと錆が発生してきますので、そこは注意が必要なポイントです。
ブラスナット
•価格 ★★★
•耐久性 ★★★★★
•チューニング安定度 ★★★★★
+圧倒的耐久性
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した以外にも、木製ナットやカーボンナットやチタンナット等々、たくさんのナット素材がございます。
楽器全体としてみれば非常に小さなパーツですが、ここを変えるだけで楽器のキャラクターを変化させることができるのです。ワクワクが止まりません。。。
お客様のご希望があればたくさんのナット素材をご案内可能でございます。
素晴らしい楽器ライフのお手伝いができれば光栄でございます。
以上、ナットの素材による違いのご紹介でした!
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