クラリネット・フルコース~黒ずみ落とし&木部ワックス~
こんにちは!杉浦です!
お待たせしました!
今回はクラリネットです!
フルコースとは…
フルコースとは、正式名称ではありません(笑)
ただ単純に、作業内容が多くて
呼んでいるだけなので、修理の際は
直したい事を具体的に教えて下さいね。
以前、フルート・フルコースの模様を
お伝えしましたが、クラリネットの場合
加えて行う作業があります。
Before
作業前の楽器をご覧ください。
こ、これはやりがいのある楽器です。
キィが、管体と同じくらい黒いです。
最初はキレイなシルバーでした。
タンポとコルク
某菓子パンのヒーローが、
顔を食べられたが如く、欠けていますね。
これは虫に食べられた跡です。
ぎゃーーーーーーー!!!
20年程、押し入れに仕舞いっぱなし
との事ですので、こうなると
タンポやコルクは、全て交換です。
消耗パーツについてはこちら↓↓↓
タンポが突然迷子に…
汚れ
更にキィを分解すると
管体の穴(音孔)には汚れが。
このままだと、息の流れを妨げるので
クリーニングが必要です。
音孔汚れについてはこちら↓↓↓
こんなこともあるのか~木管楽器編~
木部
そして、クラリネットならではなのが
木部の乾燥です。
写真では分かりずらいですが
人間と一緒で、木部も乾燥します。
乾燥すると、管体の密度が下がり
音が響きにくくなります。
また、乾燥した隙間に
水分が染み込みやすくなり
割れやすくなってしまいます。
ですので、ツヤが失われていたり
管体が白っぽい・明るく変化した個体には
保湿の処置を行います。
フルコース行ってみよう!
それでは!
修理フルコース行ってきます!
キィ磨き&タンポ・コルク交換
変化が1番分かりやすいパーツです。
タンポとコルクは全て外し
キレイになるまでゴシゴシ磨きます。
キレイ!別の楽器みたいですね!
タンポも真っ白です。
ここだけは…ごめんなさい!
黒ずみ落としの注意点です。
経年・水分の影響を受けると
金属が変質するので、新品同様とまで
キレイになりにくい事もあります。
ポツポツしている部分は
メッキ(塗装)が弱くなっています。
このような場所は、磨いていると
メッキが剥がれることがあります。
ですので、ある程度までの磨きとなります。
また、磨いてもなお
金属の曇りが残る部分は
ポツポツ同様、メッキが弱くなっています。
ご了承下さい。
そして、磨き作業は銀メッキに有効です。
同じ銀色に見えても
ニッケルですと行えません。
銀の変色・ニッケルについてはこちら↓↓↓
こんなこともあるのか~夏休みの自由研究前編~
こんなこともあるのか~夏休みの自由研究後編~
ジョイントコルクは
絶妙なカーブを付けます。
ジョイントコルクについてはこちら↓↓↓
コルクは生きているか
管体クリーニング&木部は油をつける
まずは、クリーニングします。
汚れがあると、効果が薄れてしまいます。
そして、木部の乾燥ですが
油分を染み込ませる処置を行います。
油分を染み込ませて、保湿すると共に
腐食を防ぐことが出来ます。
DIYで木材に塗装するのと同じです!
今回は、液体タイプを2度塗りし
その後、ワックスで油分を閉じ込めます。
勿論、油分なら何でもOKではありません。
(お顔にガソリンは塗らないですよね)
適切・適量でないと、油が染み出し
タンポを痛めます。
ご自身での塗布は、お控えください。
いかがでしょうか。
油分が入り、ツヤが出ています。
全ての準備は整った
キィ・タンポ・コルク、管体…
全パーツが生まれ変わりました。
ここまできて、ようやく
組立・調整が行えます。
完成!
全ての作業が終わりました!
さすがフルコース!
キィが光っています!
消耗パーツは全て一新!
木部も、潤いを取り戻し
すぐに練習したくなりますね!
ピカピカの楽器で、楽しく演奏しましょう♪
今回の修理は
・全タンポ交換
・ジョイントコルク交換×4
・キィ磨き
・木部ワックス塗布
修理・調整代 | 税込59,850円(送料・パーツ代別) |
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※キィ磨きとワックス塗布は
変色や乾燥の度合いで変動します。
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中高6年間をトランペットとコルネットの二刀流で部活漬けの毎日を過ごしてきました!全国の皆様からのご依頼、心よりお待ちしております!