皆様、こんにちは。
弦楽器技術スタッフの高瀬です。


最近は修理の受付件数増加や家の引っ越しが重なり、多忙な日々を過ごしています。
引っ越したばかりの新居では昨日まで料理が出来る環境が整っていませんでしたが、本日からようやく10日ぶりの料理が行えます。
新居初の料理はやはりカレーでしょうか。
和食と悩みます。


本日は

  • 毛替え
  • リタッチ
  • 弓の反り直し

を行わせていただきました。
ご来店いただき、ありがとうございます。


今回は、肩当のスポンジ交換の事例についてご紹介致します。


肩当スポンジの交換

今回、お客様からお預かりした肩当がこちらになります。

長年の使用により、端のスポンジが欠けてしまっています。
普段は肩当のスポンジ交換は承っていないのですが、どうにか修理できないかとご相談いただきましたので…
素材探しからはじめました。


EPDM系スポンジ

似た質感の素材を探したところ、『EPDM系』のスポンジゴムが丁度良さそうなので数種類取り寄せてみました。
天然ゴム素材も試しに取り寄せてみましたが、今回のお客様の肩当にはEPDM系の柔らかめの素材が適していそうです。
今回出番が無かったスポンジたちは、肩当スポンジをもっと固くしたい、薄くしたい…というご要望があった際には役立ってくれそうです。


交換事例

肩当のスポンジ除去

では早速スポンジの交換を行いましょう。
まずは既存のスポンジを剝がす作業ですが、これが結構強力に接着されています。

手荒ですが何とか除去できました。
接着剤の名残か分かりませんが、ペトペトしています。


接着面のクリーニング

このままだと再接着が難しいので、ヘラ等を使用して綺麗にします。

少量溶剤も使用し、接着面は綺麗になりました。


スポンジの型取り

白のダーマトグラフで型をマーキングします。
マーキングに沿って、ナイフを使用してカットを試みたのですが…完全に油断しておりました。
スポンジ素材なので、一度ナイフを入れたらノンストップで切断しないと切断面がガタガタになってしまいます。
(もったいないですが、1回分無駄にしてしまいました…)
慎重に切り進め、どうにか切断出来ました。


完成

後はスポンジを接着し、完成となります。

もう少しアウトラインを正確にカット出来ていたら…と心残りはありますが、お客様にも了承は得ていましたのでこちらで完成となります。
まだまだ改善の余地はありそうなので、実験を重ねてある程度形になりましたら当工房で正式に修理受付を開始しようかと検討しています。
肩当のスポンジが劣化してきている方は是非ご相談ください。

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この記事を書いたスタッフ

マークイズ福岡ももち店高瀬

弦楽器技術者の高瀬です。楽器の調子が悪い、音をもっと良くしたいと思いましたら、ぜひご来店ください。皆さまをお待ちしています!

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