指板調整のお話

こんにちは!弦楽器修理担当の石川です。
やっと過ごしやすくなってきましたが雨の日も多いですね。体調を崩しやすいので皆さんもお気をつけください。工房ではスタッフが梨をたくさん送ってくれて瑞々しい梨を満喫しました。

今回は指板の調整についてお話し致します。

【目次】
1.どうして指板を調整するの? 
2.指板の調整方法
3.指板の染色と磨き
4.お問合せ 

どうして指板を調整するの?

調整前の指板:色褪せてきています。

バイオリンの指板は黒檀という堅い木でできており、指で弦を押さえた時に支えとなる重要な部分です。演奏している時に駒側から指板を見ると、指板が楕円形をしているのは皆さんお分かりかと思いますが、指板は実はペグ側から駒側にかけての縦方向にもわずかな楕円のアーチを描いています。これは弓で弦をこすった時に弦が弓形に振動する為、弦の振幅で弦が指板にぶつかって雑音になるのを防ぎ、ローポジションからハイポジションまで正しい音程と押さえ心地を保つために重要である為、このような形状となっているのです。
作られて間もない指板はきれいなアーチを描いていますが、演奏を重ね時間が経過すると指板は変形して凸凹や弦のわだちができて黒色も色褪せていきます。変形してしまった指板のまま演奏を続けると、弦の振幅が指板の凸凹部分にぶつかって雑音になったり、弦が押さえにくくなります。
よって定期的に指板の形状をチェックして調整するのは、長い間いい音を出すために必要な修理なのです。

調整前の指板:弦のわだちができて白い線が見えます。

指板の調整方法

指板削り

まずはおおまかにカンナで指板の凹凸を削り適切なアーチを整形します。削った後はスクレーパーや紙やすりで整えていきます。

削った後の指板

この指板の場合は削ると色が抜けてしまいました。削っても黒いままの指板もありますがこの様に元々は色がマーブル模様の縞黒檀の場合もあります。

指板の染色と磨き

色が抜けてしまった指板を黒く染めます。

染めた後の指板

綺麗に黒く染まりました。このままでもお使いいただけますが、仕上げに艶も出してみます。

磨いた後の指板

コンパウンドなどの艶出し剤で磨くとピカピカになります。綺麗になるとより一層練習にやる気が出てきますね。この様に一見調整の必要もないように見える目立たない部分でも調整すると綺麗になって弦が押さえやすくなり音色も良くなります。是非一度、指板の調整を試してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いたスタッフ

シマムラストリングス秋葉原石川

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