ボタン修理のお話

こんにちは!弦楽器修理担当の石川です。
今一番寒いですね、当店の回りは冷たいビル風が強い今日この頃です。インフルエンザも流行っていますので皆さんもお気をつけください。

今回はボタンの修理についてお話し致します。

ボタンとは?

チェロのボタン:まさにボタンの形をしています。

古いバイオリンのボタン:ネックを外して内側から見た画像

弦楽器のボタンは、洋服に付いているようなボタンではなく、ギターなどと同じで裏の響板の上部に出っ張ている部分を言います。ネックを支え弦の張力の負荷を最も担っている屋台骨のような存在です。ネックの仕込みの精度とそれを受け止めるボタンによって、長年の使用に耐えられる楽器になれるかが大きく左右されます。ボタンはそれだけ負荷がかかる部分ですので、長年の弦の張力によって割れたり、まれにボタンごとネックが取れてしまうことがあります。古い楽器でもボタンの修理が行われている物は数多くあります。
 

ボタンの修理1:古いボタンの削り

修理前のボタンの内側

このチェロは以前にもボタンに割れがあったらしく、それを補強するために別の木が内側からあてがわれていましたが、その補強が不十分で外側が再度割れてしまっていました。ボタンの修理にはオリジナルのボタンが割れてしまった場合、割れを接着して内側から別の木を張り合わせて補強する方法と、新しいボタンに交換する方法があります。極力オリジナルのボタンを残す事が望ましいのですが、今回は前回補強しているにも関わらず割れてしまったこともあり、新しいボタンを作り直すことになりました。

割れたボタンを削った画像

割れたボタンを補強材と共に削り取りました。直線的に削るのではなく薄いお椀型に削ります。薄いお椀型に削った跡に合う別の木材を接着し新しいボタンにします。このように削るのは以前のように直線的に削って新しいボタンを接着するよりも、接着面積が広がりより強固になるからです。

ボタンの修理2:新しいボタンとなる木材の接着

削った部分に合うボタンとなる木材を整形します。

新しいボタンとなる木材の接着面:削った部分に合うように湾曲しています。

ピッタリ接着するように慎重に合わせていきます。この精度が楽器の耐久性に影響します。

新しい木材の接着:クランプで隈なく締めてしっかり接着します。

接着後の画像:修理前のボタンの画像と異なる形になっています。

接着した後、再度割れない様に厚みや形状を考慮しつつ整形し、ニスを塗って最初のボタンの画像の様に完成させます。普段は気にも留めないような小さな部分ですが重要な役割を担っていることが少しはお分かりいただけたかと思います。万が一ご自身の楽器にネック下がりなどの症状が見受けられましたら、ボタンの異常も考えられますのでお早めにご相談ください。

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この記事を書いたスタッフ

シマムラストリングス秋葉原石川

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