EDMのミキシングなどでも再度注目を浴びているM/Sとは?
【MS録音の方法】
単一指向性マイク(無指向性の場合もある)を録音対象にまっすぐに向け(Mid)、それと90度クロスするように双指向性マイクで左右に配置(Side)して録音する。
参考
【MS処理】
MidとSideの2つの信号を足しただけではモノラルであるが、DAWなどでSide信号をコピーして逆相にしたトラックを作成する。この3つのトラックを使いミックスを行う。MidとSide(正相)のパンをL、Side(逆相)をRに振りミックスすることでステレオ感が得られる(※)。ミックスの加減で広がりをコントロールできるので、通常のステレオ録音にはできないサウンドメイキングが行える。
※
- L=M+S
- R=M-S
最近のEDMなどではこのMS処理の仕組みを利用した音圧調整などが盛んに行われている。波形編集ソフトの中にはこのMS処理機能に対応している製品もある(Wavelab9など)またMS機能を搭載したプラグインなども発売されている(Waves CENTER等)。
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M/S方式とは?ステレオ信号方式の一つである Mid/Side 方式のこと。一般的な L/R 方式では左側(L)と右側(R)の音声信号を使用するが、M/S 方式では「Mid」と「Side」の音声信号を処理する。音の定位の「中央 付近のみ」、「左右の成分のみ」といった通常のステレオ処理では不可能だった処理が可能となる。センターに位置しているボーカルや楽器のみの調整や、ステレオの広がり具合などの調整を後から処理することができる。