DJ機材を買ったものの、いざ始めようとすると「何からやればいいの?」となる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、DJ機材を購入してから1週間以内を目安に、一度見ておきたい基本をまとめています。DJが何をやっているのか、最初に覚えたい機能、曲のつなぎ方、その後の練習方法まで順番に紹介します。
すべてをすぐにできるようになる必要はありません。まずは全体を見て、「DJではこんなことを覚えていくんだ」と分かればOKです。気になったところから、実際に機材を触ってみましょう!
- この記事では、DJ機材とパソコンなどの接続、DJソフトのインストール、楽曲の読み込みが完了した後の基本操作を紹介します。接続や初期設定については、お使いの機材の取扱説明書やスタートガイドをご確認ください。
DJって何をやっている?
DJが何をやっているのかというと、「選曲」と「ミックス」です。曲を選んで、今かけている曲が終わる前に次の曲へつなぎます。このとき、2つの曲を重ねたり、エフェクトなどを使って切り替えたりすることを「ミックス」と呼びます。
かける曲、曲順、ミックスの方法で、その人らしいDJプレイになります。
難しく考えなくて大丈夫です。
まずは好きな曲を2曲選んで、次の曲へ切り替えてみる。そこがDJのスタートです。
曲をつなぐ前に知っておきたいこと
小節(BAR)・拍(BEAT)について
ダンスミュージックの多くは、4分の4拍子で作られています。
4つ打ちの曲では、一定の間隔で鳴る「ドン」というキックの音を1拍の目安にできます。
1回分が1拍(BEAT)、4拍で1小節(BAR)です。

好きな曲を流しながら、次のように数えてみてください。
1、2、3、4|1、2、3、4……
イントロからAメロ、サビなどへ展開が変わるタイミングは、4小節、8小節、16小節など、4の倍数になっていることが多いです。

ただし、ジャンルによって展開が変わる小節数は違います。いろいろな曲を聴きながら、「ここで雰囲気が変わるな」という場所を探してみましょう。
曲の展開が分かると、切り替えるタイミングも見つけやすくなります。まずは曲に合わせて、「1、2、3、4」と数えるところから始めてみてください。
BPMって何? 「♩=100」の意味
BPMは「Beats Per Minute」の略で、曲の速さを表す数値として使われます。
正確には、1分間に刻まれる拍の数です。たとえば、BPM100であれば、1分間に100回の拍が刻まれます。
曲を自然につなぐときは、BPMが同じ、または近い曲を選ぶとミックスしやすくなります。
最初のうちは、DJソフトに表示されているBPMの数値を参考にしてみましょう。

最初のミックスで知っておきたい3つの機能
DJ機材にはたくさんのボタンやツマミがあります。
全部を一度に覚えようとすると大変なので、まずは「SYNC」(シンク)、「CUE」(キュー)、「HOT CUE」(ホットキュー)の3つから触ってみましょう。
SYNCでBPMを合わせる
現在主流のDJコントローラーには、「BEAT SYNC」や「SYNC」といった機能が搭載されています。
SYNCを使うと、2つの曲のBPMを自動で合わせることができます。機材やソフトの設定によっては、拍の位置まで合わせてくれる場合もあります。
下記の画像では、デッキ1の「BPM 96」の曲に、デッキ2の「BPM 90」の曲をSYNCで合わせています。
「最初からSYNCを使っていいの?」と思う方もいるかもしれません。
最初は使って大丈夫です。
まずは2つの曲が合わさる感覚を知ることから始めましょう。慣れてきたら、SYNCを使わずにBPMを合わせる練習をするのもよいと思います。

ヘッドホンとCUEで次の曲を用意する
DJは、次に流す曲を準備するときにヘッドホンを使います。
各チャンネルにあるヘッドホンCUE(モニターCUE)ボタンを押すと、チャンネルフェーダーが下がっていても、そのチャンネルの曲をヘッドホンで聴くことができます。
- デッキ部分にある再生位置を設定する「CUE」ボタンとは役割が異なります。
片方の耳でスピーカーから流れている曲を聴き、もう片方の耳でヘッドホンの曲を確認しながら、次の曲を流す場所を探します。
最初は、2曲を同時に聴くことが難しいかもしれません。
まずはCUEボタンを押して、「スピーカーからは出ていない曲が、ヘッドホンでは聴こえる」という仕組みを確認してみましょう。

HOT CUEに曲をつなぐ場所を用意しよう
HOT CUEは、曲の好きな場所に印を付けて、その位置を瞬時に呼び出せる機能です。
初めは曲を切り替えるポイントに印をつけておくとミックスがやりやすくなります。
画像では、次に流す曲にA〜DのHOT CUEを設定しています。Dが、次の曲を本格的に聴かせたいIN POINTです。
A・B・Cには、Dの16小節前・8小節前・4小節前を設定します。
一方、今流れている曲にはE〜HのHOT CUEを設定します。Hが、次の曲へ切り替えたいOUT POINTです。
E・F・Gには、Hの16小節前・8小節前・4小節前を設定します。
たとえば、今流れている曲がFに到達したら、次の曲をBから再生します。2曲を8小節かけて重ねると、今の曲はHに、次の曲はDに到達します。
このタイミングで、フェーダーやEQを使って曲を切り替えましょう。曲の展開をそろえながら、次の曲へつなぎやすくなります。
16小節前・8小節前・4小節前に目印を付けておけば、曲に合わせてミックスを始める長さも選べます。

まずは2つの曲をつなぐ準備をしよう
ここまで紹介した機能を使って、実際に2つの曲をつなぐ準備をしましょう。まずは、BPMが同じ、または近い曲を2曲選曲してみましょう。
曲をつなぐ前の準備
- デッキ1とデッキ2に、それぞれ曲を読み込む
- デッキ1のチャンネルフェーダーを上げる
- デッキ2のチャンネルフェーダーを下げる
- クロスフェーダーを使わない場合は、中央にしておく
準備ができたら、デッキ1の曲をスピーカーから流します。
次の曲をヘッドホンで確認する
デッキ2のヘッドホンCUEを押して、次に流す曲をヘッドホンで確認します。
続いてSYNCを使い、デッキ2のBPMをデッキ1に合わせましょう。
SYNCでBPMを合わせても、曲をスタートするタイミングがずれていると、きれいには重なりません。デッキ1の曲を聴きながら、
1、2、3、4|1、2、3、4……
と数え、曲の展開が変わる最初の「1」に合わせて、デッキ2のHOT CUEを押してみてください。
2つの曲の拍が合っていることをヘッドホンで確認できたら、曲をつなぐ準備は完了です。
実際に2つの曲をつないでみよう
フェードイン・アウトに挑戦
最初は、フェーダーを使ったシンプルなミックスから始めます。
次の曲の音量をゆっくり上げていきながら、スピーカーから聞こえる音量が大きくならないように、今流れている曲の音量を少しずつ下げてみてください。いきなりきれいにつながらなくても問題ありません。
7割くらい音量を上げたタイミングから次の曲が聞こえてきます。2曲が重なると音量が大きくなってしまうので、2つの曲の音量を聴きながら、バランスをとってミックスしてみましょう。
曲の展開が変わるタイミングに合わせてフェーダーを動かすと、自然につながりやすくなります。
EQを使ったミックスに挑戦
フェーダーで曲をつなげたら、次はLOW EQを使ってみましょう。
先ほどのフェードイン・アウトでは2曲が重なった時に全体の音量が上がってしまいましたが、実は低音が重なることで音量が大きくなってしまうんです。
次の曲のLOWを下げた状態で次の曲の音量を上げ、2つの曲のLOWを入れ替えてみましょう。スムーズに曲の切り替えができるようになります。
低音がきれいに入れ替わると、一気にDJらしいミックスになってきます!
エコーを使ったミックスにも挑戦
エコーを使うと、今流れている曲の音を余韻として残しながら、次の曲へ切り替えることができます。
フェーダーだけではつなぎにくい曲でも、エコーを使うと自然に切り替えられる場合があります。
ただし、エコーをかけすぎると音が分かりにくくなります。最初は短めにかけて、音がどのように残るのかを聴いてみましょう。
フェード、LOW EQでうまくつながらない楽曲でも、エコーを使うことで上手くつながることがあります。
まずはLOW EQで2曲をつなぎ、しっくりこなかったらエコーを試してみてください。
基本操作を試したら、このあとやること
30分のDJプレイを想定してプレイリストを作成しよう
2曲をつなげるようになったら、次は何曲かを並べてプレイリストを作ってみましょう。
まずは30分から。
イベントの流れや選曲テーマ、ジャンルなどの「縛り」を想定して、それぞれ、その日に流したい曲をリストアップします。
難しく考えず、
- 今、自分が流したい曲
- 同じジャンルの曲
- BPMが近い曲
- 絶対にかけたいお気に入りの曲
を選んでみてください。曲をリストアップしたら、BPMや曲同士のつながりを考えながら、流す順番を決めます。
プレイリストを通してプレイできるように練習する。
プレイリストができたら、最初から最後まで通してプレイしてみましょう。
最初は決めた曲順で大丈夫です。
順番に曲をつなげるように練習して、余裕が出てきたら、その場の雰囲気に合わせて選曲を変えてみましょう。
途中で失敗しても、すぐに止めなくて大丈夫です。
そのまま次の曲へ進んでみると、「失敗したときにどう立て直すか」という練習にもなります。
自分のDJプレイを録音してみよう。
作成したプレイリストを通してプレイできるようになったら、自分のDJプレイを録音してみましょう。
録音したプレイを通勤・通学中などに聴き返すと、プレイ中には気付かなかったことが見つかります。「ここはうまくつながった」「ここは次の曲が少し大きかった」など、気になった場所があれば、そこをもう一度練習してみてください。
録音は、うまい・下手を判断するためだけのものではありません。
自分の好きな曲を、自分の順番でつないだDJミックスが残る。それだけでも楽しいと思います。
この先、もっとDJを楽しむために
ここまでを、購入後すぐにできるようになる必要はありません。まずは記事全体を一度見て、「DJではこんなことを覚えていくんだ」と分かれば十分です。
気になったところから機材を触って、少しづつ覚えていきましょう!
オトナカマでDJ仲間を探してみよう
島村楽器が運営する音楽サークルポータルサービス「オトナカマ」では、お近くのDJサークルを探すことができます。
DJ機材を購入してから、クラブなどの現場でデビューするまでの練習場所として、DJサークルや練習会も実施しています。
同じようなジャンルが好きな仲間を見つけて、イベントを企画するもよし。
人前でプレイする場数を踏みたい方にもおすすめです。

分からないところはDJスクールで聞いてみよう
独学で練習していると、「このやり方で合っているのかな?」と思うこともあると思います。
そんなときは、経験のある講師に直接聞いてみるのも上達方法のひとつです。
お近くの島村楽器でDJスクールを開講しているか、ぜひ確認してみてください。
スクラッチをやってみたい
スクラッチをやってみたい方は、以前ご紹介したスクラッチ入門講座の記事をご覧ください。
曲を自然につなぐミックスとは、また違ったDJの楽しさがあります。
この記事を書いた人

三宮オーパ店 DJ.デジタル楽器アドバイザー 萩尾(はぎお)
DJ HAGI a.k.a DRAGON
2001年のDMCのビデオ映像に衝撃を受け、バトルDJに憧れる。その後すぐにDJバトルを企画し、10年以上定期的に草DJバトルをプロデュース。機器のチューンナップや修理が趣味。






