SONICWARE deconstruct MINIMAL 実機レビュー!伝説的ドラムマシン特有の揺らぎやグルーヴ感”を再現する新たなグルーヴマシン!

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SONICWARE deconstruct MINIMAL 実機レビュー!伝説的ドラムマシン特有の揺らぎやグルーヴ感”を再現する新たなグルーヴマシン!

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

本記事は、SONICWARE様より機材提供を受け、協力のもと作成しています。

こんにちは、島村楽器名古屋パルコ店の立浦と申します。
本日はSONICWAREから新たに登場したヒプノティック・グルーヴマシンdeconstruct MINIMALについて、ご紹介させていただきます。

deconstruct MINIMALはミニマルテクノ/ミニマルハウス向けに特化したグルーブボックスで、SONICWARE社お馴染みのLIVENシリーズと異なりジャンル・音楽そのものにフォーカスした新たなdeconstructシリーズの第1弾となるモデルです。

単なる「テクノ・ハウス向けグルーヴボックス」ではなく、“伝説的ドラムマシン特有の揺らぎやグルーヴ感”を再現することをテーマにしているのが大きな特徴で、また、LIVENシリーズと筐体サイズはそのままに様々な部分が改良されより強力で使いやすいグルーヴボックスに仕上がっています。

本日は、そんなdeconstruct MINIMALが、どんなモデルなのか、どんなふうに使っていくのか、というのを実機を使ってご紹介させていただきたいと思います。

概要

SONICWAREといえばLIVENシリーズでお馴染みですが、LIVENが「音」に焦点を当て、それぞれのサウンドエンジンに最適な音楽制作を手軽に行えるシリーズ(たとえば、8bit音源、FM音源、グラニュラー、Lo-Fiなど、音源方式やサウンドエンジンの個性を軸にした製品展開)なのに対し、今回のdeconstructシリーズは、「音楽」の構造を分析・分解し、再構築することで、より深い音楽表現の探求を可能にすることをコンセプトにしているとのこと。
そのため、deconstruct MINIMALでは単一の音源エンジンではなくドラムのシンセシスやサンプラー、VAベースシンセなどその音楽に必要な音源を網羅した形になっており、また、制作だけでなくライブでのビルドアップやパフォーマンスにもシームレスに対応できるようなUIや機能を追求しています。

テクノやハウスでよく使われるRoland TR808/909をはじめとした様々な音色を収録したバスドラムやスネア、ハイハットなどリズム系の音色(インスト)を6トラック、そしてサンプリング音色を扱えるトラックを4トラック、そしてアシッド系ベースから簡単なリードシンセまでカバーするシンセエンジンを搭載したベーストラックを1つの合計11トラックが用意されています。

ドラムやサンプルの10トラックの音色はそれぞれ、この小さなノブで、そしてベースのサウンドはこの上の“BASS”と書かれたノブで独立して調節可能。
この各トラックごとにノブが用意されているのは良いですね!

LIVENシリーズでは既存のノブとSHIFTボタンと併用して特定のパラメーターにアクセスする、という作業も多くてやや分かりずらかった部分もあり、ある程度“慣れ”が必要だったのですが、今回のdeconstruct MINIMALは基本的な操作を表のノブで操作できるようになっています。また、そのノブもドラムのトラックとベースのトラックでしっかり独立して操作することができるので、ライブ演奏中などでも戸惑わずに済みそうです。

本体下の鍵盤で各トラックを鳴らすことができ、また鍵盤ボタンを有効にすることで、ピッチを伴った演奏や打ち込みも可能!
また、最大64ステップ・128パターンまで組めるシーケンサーも搭載しており、グルーヴボックス機能としても優秀なのはもちろんなんですが、テクノ・ハウスでよく使われる808/909をはじめとした様々な音色を収録するだけでなく、そういったレジェンドモデルの音がなぜ心地よく感じるのかを細かく解析して、その揺らぎやグルーヴ感をトラック・ビートに落とし込む事が出来る非常にユニークな発想を持っているモデルです。

こちらは後ほど細かく紹介していきます。

外観や端子類

deconstruct MINIMALはLIVENシリーズと筐体のサイズは同じ模様。
全体的なボタンや端子の配置、本体スピーカーが搭載されている点など含め、パッと見ると、かなりよく似ています。

しかしながら、画面の高精細化をはじめ、トラック選択やシーケンス作成時に使用するステップボタンのLED化、前述したトラックごとのパラメーター調整ノブの新設、USB-C端子および3.5mm MIDIへの対応など、細部にわたって着実なアップデートが施されていることが分かります。

USB-C端子はオーディオ/MIDI入出力に対応。スマートフォンやタブレットからUSB-C経由で音声を取り込み、本体でサンプリングできるほか、deconstruct MINIMALのサウンドをパソコンやスマートフォンへ直接録音することも可能です。さらに、LINE INから入力した外部音源もUSBオーディオへ同時に送出できるため、複数の音をまとめて収録できるのも便利なポイント。

レコーディング環境をシンプルに構築できるだけでなく、マシンライブの動画撮影やライブ配信にも活躍してくれそうです。

LIVENシリーズと同じく単3×6本での電池駆動も可能、さらにスピーカーも搭載しているので、この1台だけでいつでもどこでも演奏・トラックメイクができちゃいますね!

ドラムトラック

まずドラムトラック(1-6)からご紹介していきましょう。
前述の通りトラック用意されており、本体一番下の縦長のボタンかTRACKボタン+1-16のステップボタンでトラックの選択が可能。
1/2がバスドラム(BD1/BD2)、3/4がスネアやクラップ(SN/CP)、5/6がクローズ・オープンのハイハット(CH/OH)に割り当てられており、選択しているトラックに対して、ステップボタン上の小さなノブ(SOUND/TUNE/TONE/MOVE…etc )でパラメーターを細かく調整していくことができます。

SOUNDで元となる音色(BDなら808、909のキック等)の変更、TUNEでその音色のピッチ、LEVELで音量、といった具合に、メインで必要とされるパラメーターのノブが独立されており、トラックメイク・ライブ演奏中スムーズに調整できるのが素晴らしいですね!
一部のインストやパラメーターはFUNCTIONを押しながら操作することで、より深いパラメータにアクセスし調整することが可能です。

また、他のドラムトラックやサンプルトラックが主に内蔵インストやサンプルを選択して調整する形であるのに対し、バスドラム1とスネアドラム1はシンセシスが可能で、アタック感や低域感、ノイズ成分、質感などを調整しやすく、MINIMALで重要となるキックやスネアのニュアンスをより柔軟に作成できます。
一応、BD/SD/CP…と分かれてはいますが、極端な話、全部のトラックをバスドラムにしたり、スネアにしたり、というようなある程度自由にトラックの音色は組み替えることができます。

サンプルトラック

7-10トラックはサンプリング素材を割り当てられるサンプルトラックとなっています。
Track7-9 はドラム / モノラルサンプル兼用トラック(モノラルで2秒もしくは4秒)になっていて、 Track10 はサンプリング可能な最大 8 秒のステレオサンプル専用トラック(LOOPトラック)になっています。
初期時からメーカープリセットとして48種類のサンプル素材が内蔵されていますが、自身でも外部からの音声をサンプリングできるので、deconstruct MINIMAL内での作曲・演奏に使用することができます。

※各サンプル秒数に対してのプリセット数や保存可能数は下記の通り

サンプリング手順

  • 1.サンプリングしたい機器をUSB-CもしくはLINE INに接続し、FUNCTIONボタンを押しながらRECボタンを押すと、サンプリングモードに移行します。
  • 2.キーボードボタン /BS DRVボタン+TEMPOノブでLINE/USBからのサンプリングソースの音量を変更できます。
  • 3.本体のVariationボタンでサンプリング時間を選択します。Aを押すとモノラル2秒、Bはモノラル4秒、Cはステレオ8秒のサンプリングが可能です。
  • 4.準備が出来たらRECボタンをもう一度押すと赤く点灯し、信号が入力されると自動的に録音が開始されます。
  • サンプリングが終わったらVALUE を回して、保存したいスロットを選択し保存します。

ベーストラック

ドラム、サンプルトラックだけでも相当に遊べてしまう本機種ですが、さらにアナログモデリングオシレーターと4-poleローパスフィルターを搭載し、アシッドベースから太く暖かなベース、リードサウンドまで幅広く作成可能なベースシンセサイザー専用のトラックも1つ(TRACK11)実装しています。

上記のドラム・サンプルトラックでも使用したパラメーターノブに加えて、CUTOFFやレゾナンスなどベースシンセのサウンドメイクで頻繁に使用するパラメーターをこの専用ノブでコントロール可能。

専用のベースドライブも搭載されており、基本的には所謂TB-303ライクなアシッド系ベースシンセを得意としたビキビキとした太く攻撃的なサウンドが心地よいシンセエンジンで、さらに本機種には独立したサブオシレーターも搭載しています。
TONEノブでサブオシレーターのオクターブ(UNISON / -1 / -2)を選択でき、LEVELノブでサブオシレーター単体の音量も変更できます。

SOUNDノブでオシレーターの種類が変更できSAW/SQUARE/TRIANGLE/RECTANGLEと選択できるのですが、本機種にはさらに「S01モードオシレーター」というベーストラックのシグナルフローを丸ごと変更し、二つ目のシンセ音源モードを使用することも可能。

S01 モード中は

  • ATTACK ノブ→鋸歯状波と矩形波オシレーターのミックスバランスに変更
  • AMP エンベロープに Filter エンベロープを加算し疑似的な ADR エンベロープ化
  • サブオシレーターがサイン波から矩形波に変更
  • フィルターと各センドエフェクトへの信号もアクティブ化

という動作に切り替わります。
シンセ好きな方ならお気づきかと思いますが、これはいわゆるRoland SH-101風なシンセエンジンですね!
この1台でTB-303風にもSH-101風にもなるという盛りだくさんな仕様です!

また、ベーストラックでは、TB-303のようにシーケンサー上で音符ごとに「Slide」を設定も可能で、アシッド特有のヌルッとしたベースラインもしっかり構築することが出来るようになっています。

エフェクトやアイソレーター

本機種には、各トラックへのリバーブ/ディレイのセンド、そしてトラック全体にかかるマスターエフェクトMFXが用意されています。

リバーブはROOM/HALL/PLATEの3種類、ディレイはテープエコー型の1種類、そしてMFXはSweep Filter / Phaser / Distortionといったような定番のものに加え、再生中の音を細かく切り刻み、スタッターやグリッチのようなリズミカルな効果を作るSnip loopや、Track 1のBDのトリガータイミングを固定のサイドチェインソースとしてダッキングがかかるDucking Compの合計5種類が用意されています。

細かい調整パラメーターなどはなく、ON/OFFとMFXノブでかかる量を調節するのみの潔い仕様です。

また、本機種にはドラムトラックとLPトラックに掛けることのできるアイソレーターも用意されており、EQ的な使い方はもちろん、ドラムトラックを完全にカットするようなパフォーマンスに使うことができます!

シーケンサー

本機種は最大128パターンを収録でき、1つのパターンにつき最大64STEPまでのシーケンスを組むことが可能です。

PTNボタンを押し、両端の< > のボタンでBANK1 – 8までを切り替え、1-16のステップボタンでパターンを選択することができます。
また、1つのパターンの中にA/B/C/Dの最大4種類のVariationという小パターンを展開させていくことが可能。
※1つのVariationは16ステップ・BANK 1の1-8にはメーカーのプリセットパターンが収録されていますが、残りの120は全て空っぽ!
数を気にせずガンガンシーケンスパターンを作っていくことが可能です。

作成手順も従来のSONICWARE LIVENシリーズをはじめとしたグルーヴボックスにも見られる下記の4つの入力方式に対応しています。

  • ダイレクトレコーディング:シーケンサーを再生・停止させた状態で各ステップにノートを記録 
  • ステップレコーディング :1 ステップごとに順番にノートを記録 
  • リアルタイムレコーディング 鍵盤を演奏しながらノートを記録 キーボードレコーディング
  • キーボードモード中でも直接ステップにノートを記録

また、1ステップをさらに細かく分割(最大4つ)してノートを配置できるサブステップ機能、強弱をステップごとに入力するアクセント、ノブの操作をステップに記録させることができるパラメーターロック機能も搭載しており、表情豊かなリズムパターンを簡単に作成することが可能。

パラメーターロックは、入力したいステップボタンを 押しながらノブを回して直接入力するか、再生・録音中にリアルタイムにノブを操作しその動きを記録する方法の2パターンで入力できます。

FEEL機能とランダム

そして、本機種の大きな特徴となるのが、FEELとRND VL(ランダムベロシティ)機能。
例えば昔のアナログドラムマシンでは、発音タイミングが微妙にズレる、音量が毎回少し違う、フィルターやVCAの個体差で鳴り方が一定しないという特徴があり、それがリズムに絶妙に影響し特有の心地よさだったりグルーヴィーさに繋がっているのですが、FEELとRND VL機能はそれらを再現する、というものですね!

FEEL機能には、下記のような特徴を持つ3つのFEELタイプが用意されています。

  • FEEL 08:TR-808のリズムの揺れをシミュレートしたもので、ハイハットのピッチが大きく揺れたり、クラップやスネアのトランジェントがオフセットする等、オープンなリズムフィール
  • FEEL 09:TR-909のようなリズムの揺れをシミュレートしたもので、タイトなリズムを維持しながら、楽器ごとにわずかなオフセットやベロシティのランダマイズがかかるドライヴィングなリズムフィール
  • FEEL MN:SONICWARE独自のもので、08由来のピッチの揺れや09由来のオフセットが複雑に絡み合い、全体を大きくうねらせるアグレッシブなフィール

このFEELはサウンドバンクごとに異なったかかり方をするようです。
ハイハットはしっかり揺れるけれど、リズムの根幹に関わるキック(BD)にはごく極かにかかる、といった具合ですね!ちなみにFEELはサンプリング素材とベーストラックには影響しないようです。
また、FEELはOFFに出来ず、常にシーケンスにかかり続けるドラムマシンの設計基盤になっているとのこと。

そして、RND VLはアナログ音源やVCAが持つ発音ごとの音量ムラを再現する機能、つまりベロシティランダマイズですね。
同じステップでも毎回少し違う音量で鳴ってくれて、そのムラの具合を0-127の間で各トラックごとに任意に決めることができます。

FEELと異なり、こちらはサンプリング素材やベーストラックにも影響し、またFEEL同様、サウンドバンクごとにランダム具合が異なるようでハイハットとベースには特に激し目にランダム具合が発生するみたいです。

FEELとRND VLはそれぞれ別の機能ですが、表裏一体の関係にあり、相互に影響し合うことでdeconstruct MINIMALではドラムマシンのような独特のノリや揺らぎを作り出すことに成功しています。

その他便利な機能

シーケンスをバックグラウンドで編集可能

バックグラウンド編集 個人的に便利だと思ったのが、再生中のバリエーションとは別のバリエーションを裏で編集できる機能です。例えばバリエーションAを流しながら、バリエーションBのステップを編集していき、完成したらそのままBへ切り替えられます。
一般的なグルーヴボックスだと、一度再生を止めたり切り替えたりする必要がありますが、deconstruct MINIMALでは演奏を止めることなく次の展開を準備できます。
ライブ感覚でパターンを育てながら演奏できる、即興性の高い機能です。

複数のトラックレベルを同時に調節するマルチトラックモード

FUNCTIONボタンとTRACKボタンを同時押しすると、「マルチトラックモード」に切り替わります。
通常は各トラックのパラメーター操作に使うノブが、各トラックのボリュームフェーダーのような役割に変化し、SOUNDノブでBD1、TONEノブではSDといった具合に、それぞれのトラックの音量を個別に調整可能です。
演奏を止めることなく素早くバランスを変更できるため、ライブパフォーマンス時に重宝する機能となっています。

フレーズローテーション機能

もう一つ面白いのがフレーズローテーション機能です。
これはシーケンスの内容を変えずに、特定のトラックの再生開始位置だけをずらす機能。
打ち込んだデータはそのままなのに、アクセントやノリが大きく変わるため、まるで別のフレーズになったような効果が得られます。 

さらに再生中に切り替えても現在のループが終わってから反映されるため、演奏が破綻しないのもポイント。 
パターンを増やさなくても、同じフレーズから次々と新しいグルーヴを生み出せる機能です。 
特にミニマルテクノやIDMとの相性は抜群で、 「音を増やす」のではなく、「並び順や聴こえ方を変えて展開を作る」 というdeconstruct MINIMALらしいアプローチがよく表れている機能だと思います。

まとめ

SONICWARE deconstruct MINIMALは、単にミニマルテクノ向けの音源やパターンリズムを搭載したグルーヴボックスではなく、往年のドラムマシンが持っていた“揺らぎ”や“グルーヴ”そのものを現代的に再解釈し、演奏や制作の中で自在に扱えるようにした非常にユニークな1台です。

ドラムシンセシスやサンプリング、ベースシンセといった充実した音源・トラックに加えて、FEELやRND VLを始めとした様々なシーケンサー機能による有機的なリズム表現、バックグラウンド編集やフレーズローテーションといったライブ向け機能まで搭載。
小型の筐体ながら、トラックメイクからライブパフォーマンスまで完結できる完成度の高いグルーヴボックスに仕上がっています。

島村楽器対象店舗でも取扱を行いますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!

発売日

2026年6月17日

販売価格・ご購入はこちら

  • 価格は予告なく変更となる場合がございます。実際の販売価格はオンラインストアの表示価格および最寄りの店舗でご確認ください。

リリース記念イントロプライス

品名販売価格
品名
JANコード:4573477390296
¥39,800(税込)

この記事を書いた人

名古屋パルコ店 シンセサイザー / DTM / DJ 担当 立浦(たてうら)

シンセサイザー、DTM、DJ等デジタル機材の事ならお任せください!逆に子育ての事、教えて下さい!

「実機レビュー!立浦のコレええがね」連載中!

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