BFD3 と Trilian で至高のドラム&ベース を打ち込むための2つのコツ

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は記事更新時点のものとなります。

© Shimamura Music. All Rights Reserved. 掲載されているコンテンツの商用目的での使用・転載を禁じます。

こんにちはサカウエです。リアリティーを徹底的に追求したアコースティック・ドラム音源「BFD3」と超リアルなベース音源「Trilian」という最強コンビで至高のドラム&ベースを打ち込んでみよう!・・というのがこの記事のテーマ。今回はシンプルな8ビートを元に至高のグルーヴを生み出す為に必要な2つのテクニックをご紹介いたします。

超定番音源「BFD3」と「Trilian」

今回使用するドラム音源は、超定番 Fxpansion「BFD3」(ビーエフディースリー)です!

screenshot_610

BFD3はなんとスネアやタムなどの各ピースごとに、最大8つのアンビエント・マイク・チャンネルでサンプルが収録されているという超贅沢なドラム音源なのです。ドラムに対する知識がなくても「すぐにミックスが行える豊富なプリセット」やフレーズ集」が用意されているので初心者でもOK。また超グルーヴィーなドラムフレーズも山のように収録されています。

「じゃあわざわざ打ち込む必要はないんじゃないの?」と思われた方・・確かにそうなんですが、いざ「ちょっとイメージが違うんだけど・・・」と思った時にサクッと修正・編集できたら良いと思いませんか?今回の打ち込みテクニックはそんな方の為に役立つのではないかと思います。

【関連記事】【レビュー】定番ドラム音源の最新版 FXpansion「BFD3」を試す

そしてBFD3と最強コンビを組むドラムベース音源がこちら。 アコースティック、エレクトリック、シンセのすべてにおいて、最高のベース音を提供するソフトウェア音源 Spectrasonics「Trilian」(トリリアン)です。

screenshot_609

とにかく何から何まで超リアル!ベース独特のハンマーオン、プリングオフ、トリル、レガート、リリース、スライドといった奏法による音色変化を鍵盤を弾くだけで再現してくれます。とりあえず買っておいて損はないというか、持っていないといかんでしょうコレはというくらい必携のアイテムです。

昔はピッチベンドなどを駆使してさまざまな奏法をシミュレーションしていたのですが「Trilian」を使うようになってからは必要なくなりました・・・

「そんなにスゴいんならベタ打ちでよくね?」と思われた方・・残念ながら、実はそんなに世の中は甘くないのです。たとえ音源が超リアルであってもそれらしく聴かせるためにはベース奏法の知識、微妙なタッチのテクニック、演奏のニュアンスを聴き分ける耳・・・等々が確実に必要になってくるのですね。例えばピアノのように「ドミソ」で押さえたらベースには聞こえませんよね?

YouTubeの動画でシンセをデモってるのはその道のプロで「お、自分でも弾けるんじゃね?」と思わせるのが彼らのお仕事なのです・・・というわけで今回は「鍵盤弾けなくても打ち込みだったらボクでもできたよ!」というのがテーマとなります。

ではいきなり完成形をお聞き下さい。

「まだまだ詰めが甘い!」と叱られそうですが、今回ご紹介する2つのテクニックを習得すれば、こうしたグルーブも5分程度で打ち込むことができるようになると思います。

なお使用するDAWは、下記の条件を満たすものであれば何でも結構です。ご自分の使い慣れたDAWでお試し下さい。

  • 「BFD3」と「Trilian」に対応(VST、AU、AAX等のプラグイン対応)
  • 打ち込んだノートをピアノロール画面で細かく修正できる

というわけでレッツスタート!

ドラムを打ち込む

ここではまずドラムの基本「8ビート」を打ち込んでみます。1小節に8つのビートを刻むのが「8ビート」の基本ですね。典型的なのはこんな感じ。

今回はもう少々手数の多い2小節パターンにチャレンジします。なおドラムの基本グルーヴですが、1小節の繰り返しではどうしても耳が飽きてきてしまうので、2小節、できれば4小節程度でひとまとまり感のあるパターンが好ましいと思います。

譜面にすると難しく感じる方もいらっしゃると思いますが、グラフィカルに表示されるDAWのピアノロール等で打ち込んでいけばわかりやすいと思います。

BFD_Trilian5

ここでは「☓」はハイハット(「○」が付いているのはオープンハイハット)、上向き「●」はスネア、下向き「●」がキック(バスドラム)で表記しています。

どんな入力方法でも良いので、まずはハイハットを8分音符で16コ入力します(2小節分)。ベロシティー(強さ)は後で直すのでテキトーでOK。リアルタイム・レコーディング派の方は「クオンタイズ」でジャストタイミングに修正しておいてください。その際は8分音符で補正されるように設定しておくと良いでしょう。

BFD_Trilian11

次にキック、スネアも同様にサクッと入力。

BFD_Trilian21

つづいてスネアは1小節目の2,4拍、2小節目の2,4拍。先程入力したハイハットを2箇所オープンハイハットに変更します。

BFD_Trilian14

譜面と比べてみましょう。たぶんあってるとおもいます。

BFD_Trilian5

さてここまでは、DAWに慣れた方だとあっという間。ゆーっくりやってもおそらく15分くらいあれば大丈夫だと思います。再生するとこんな感じです。

ベロシティーはほぼ均一なのでまだまだ機械っぽいですが、BFD3の音があまりによすぎるので「これでもイイかなー」と思ってしまいそうですね。しかし、まだまだこれから・・・・徐々に人間っぽくしていきたいと思います。

ではスネアの手数を少々増やします。下図の2拍目の「16分ウラウラ」にスネアを入力します。

BFD_Trilian22

こうなります。

このスネアが入ると、16ビートファンク風な印象に変わってしまいますね。

ベロシティー調整

突然ですが、ピッチベンダーやコントロール系のパラメータを除けばMIDIデータで「ノリ」を出すために大切なのは「ベロシティー(音の強さ)」「ゲートタイムまたはデュレーション(音の長さ)」そして「タイミング」です。

ドラム音源の場合は(一部のケースを除き)「ゲートタイム」の長さで音は変わりません。短く弾いても長く弾いてもシンバルは「ジャーン」、スネアは「ダーン」と鳴ってくれます(これをノーサスティン音色と呼ぶ場合があります)なお、今回はあえてタイミングは「ジャスト」な打ち込みです。したがって「ノリ」を出すための手段は「ベロシティー命!」ということになります。もちろんどんなフレーズを叩くかというフレージングのセンスは必要でしょうが・・・

さて今回ベロシティーで再優先されるべきパーツは一番細かく動いているハイハットです。音を聞きながらいい感じになるようにベロシティーを調整します(図はイメージです)

BFD_Trilian3

今回は8分ウラをやや小さめに修正しました。聞いてみましょう。

変わったような変わらないような・・・・という非常に微妙な差で恐縮ですが・・確かに変わっています。

ゴーストノート入力

ゴーストノート(英語ではGrace Note)というのは早い話「演奏されているけどよく聞こえない音」のことで、ドラムだけでなくキーボードやギター、ベース・・・さまざまな楽器の演奏で表現されます。耳コピや表記も手間がかかるので、市販のバンドスコアではほぼ省略され、記譜されていないと思います。さすがに教則本系は大丈夫だと思いますけれども・・

【関連記事】音楽力をアップする「耳コピのすゝめ 」第五回 スロー再生

参考(英語がわからなくても問題なし!)パット・トーピー(Mr. Big)のレクチャービデオ

「なるほど、ドラマーってこう叩いているんだ!」ということがよく分かる動画でしたね。

ドラムの場合は、ゴーストノートは圧倒的にスネアが多いと思いますが、これがバンド・アンサンブル内ではマスキングされてほとんど聞こえなくなってしまうのです。「聞こえないなら入れなくても良いのでは?」と考える方もいらっしゃると思いますが、しかしこれのあるなしで全くグルーブ感が変わってしまうのが、このゴーストノートなのです(これホント)

では先ほどのドラムのフレーズにゴーストノートを入れてみます。下図の○で囲んだ☓印スネアがゴーストノート

BFD_Trilian9

ゴーストノートなし

BFD_Trilian7

ビフォーアフターでは見た目も大きく変わりますね。

黄色枠内がゴーストノート

BFD_Trilian15

とりあえず入力したのがこれ

これだと目立ち過ぎで全然「ゴースト(お化け)」になっていません(まあこれはこれでアリかもしれませんが・・)そこでベロシティー調整でゴーストノートのベロシティーをぐっと下げてやります。

黄色丸枠の音がゴーストノートのベロシティー

screenshot_608

音色や音源のベロシティー感度によってこの値は変わってくるのですが、何度も再生しながら「これ」というポイントを探って下さい。でわどうぞ!

いかがでしょう?耳をすまさないと聞こえないレベルかと思いますが、ドラマーの方は気づくと思います。

ピアノやオルガンなどの鍵盤楽器においても、ゴーストノートのあるなしで全くノリや表情が変わってきます。コレなんかその良い例ですね。

Claviduckさんのクラビネット・プレイ これはわかりやすい!(ワウペダル使用)

右手のフレーズの合間にタイミングを取るように入る左手がキモ!(こうしたゴーストノートを「捨て音」とも呼んだりします)スティービー・ワンダーの「迷信」などもこうした捨て音だらけで素敵です。

もう一例、

ハモンド・オルガンの名手バーバラ・ディナーリンの超絶プレイ(ベースは足で弾いてます)右手でソロを弾いている間の左手に注目!

合いの手のように入る左手のバッキングは、和音を弾いてソロをサポートする場合と、単にタイミングを取るために「音程はどうでもよい」的なフレージングの場合があったりします。

そんなわけでゴーストノートを入れたプレイができるようになるとかなりプロっぽい演奏になるかと思います。

ベースの打ち込み

それでは今度は「Trilian」のベースを打ち込んでみましょう。音色はFenderベースをサンプルにした「Clean Range」指弾きを使用しました。とりあえず8分音符でテキトーに打ち込み、クオンタイズします。

BFD_Trilian18

BFD_Trilian16

「Trilian」の凄いところは、リリース時に弦とフレットの間で発生するノイズ、同音を弾く度にサンプルが入れ替わる(ラウンド・ロビン)という機能によって単純なベタ打ちでもそれなりに鳴ってしまうという点です・・・・とはいえ、これではあんまりなので修正開始!

ゴーストノートのミュート音を作成

実際のバンドアンサンブルでは「キックドラムとベースのアクセントをあわせる」ケースが多いと思いますが、ここでは各小節の1拍めの8分音符2コだけ聴こえるように修正します。

BFD_Trilian30

データはこんな感じにします。

BFD_Trilian19

ここでのポイントは「その他の8分音符は削除するのではなく、ゴーストノートにする」ということです指で弦をミュートしてタイミングをとっているような雰囲気を演出するわけですね。EW&FのVerdine Whiteのイメージかなあ・・・(古)

さてここで変えているのは音の長さ「ゲートタイム(デュレーション)」になりますね。ベースに限らずタイミングはジャストであってもこのゲートタイムいかんで全く「ノリ」が変わってしまうのです。今回はベースも100%ジャストタイミングですから、ベロシティーとゲートタイムがノリを表現する重要な要素となるわけですね。

聞いてみましょう、前半はベースのみ後半はベース+ドラムです。

少々「重たい」ノリを表現するために、頭の8分音符のゲートタイムを調整します。

BFD_Trilian20

前半が修正前、後半修正後

だいぶ雰囲気が変わりましたね。では最後にドラムとベースのバランスをとってミックスしてみましょう。フレーズに変化をつけるために4拍目の8分ウラにおかずを入れました。

BFD_Trilian1

ではどうぞ。

最後に指一本で勝手にバッキングしてくれる「リズムギター・シンセサイザー」プラグイン、Rob Pappen「RG-1」のギター風バッキングを加えてみました。

RG-1

RG1-463x320

それではお聞き下さい。

いかがでしたか?今回はドラムとベースのベロシティーとゲートタイムを調節していかにノリを表現するか?にチャレンジいたしました。ここで一番大事なのは何回も聞き直してトライ&エラーを繰り返すことだと思います。ドラムやベースを弾ける必要はないですが、楽器の構造や奏法について把握しておくと一層リアルな打ち込み表現が行えると思います。それではまた~~

キーボードは文句なしにコレ

FXpansion BFD3 USB版


この商品をオンラインストアで購入するこの商品を展示している店舗

Trilian


この商品をオンラインストアで購入するこの商品を展示している店舗

【関連記事】

ナイスなドラムサウンド&演奏 まとめ


【作曲に役立つ「耳コピ」のコツ】 vol.1 作曲・コード進行・メロディー予備知識編

「dawソフト」タグの関連記事

「spectrasonics」タグの関連記事

↑ページトップ