モデルチェンジしたヤマハの定番ミキサー『MGシリーズ』(第3世代)レビュー

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モデルチェンジしたヤマハの定番ミキサー『MGシリーズ』(第3世代)レビュー

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

2003年に発売され小型ミキサーから中規模ミキサーまで幅広いラインアップを揃えているヤマハ社のミキサーといえば『MGシリーズ』。
その定評あるMGシリーズが今回モデルチェンジしました。

新MGシリーズは大きく分けると、エフェクター、USBオーディオ・インターフェースが搭載されたモデル(X/XUモデル)と、通常のシンプルなミキサーの2種類。
また、コンパクトな6チャンネルモデルが新たにラインナップに追加されております。
では、種類ごとに、どの辺りが旧モデルに比べ良くなったか見てみます。

通常のスタンダードタイプのMGシリーズミキサー

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まずは通常のシンプルなスタンダードタイプのミキサーからみていきます。
エフェクトやUSB端子がないモデルは以下の5モデル。

  • 20チャンネルミキシングコンソール「MG20」
  • 16チャンネルミキシングコンソール「MG16」
  • 12チャンネルミキシングコンソール「MG12」
  • 10チャンネルミキシングコンソール「MG10」
  • 6チャンネルミキシングコンソール「MG06」

コンパクトなモデルから中規模のライブまで対応するモデルまで豊富なラインナップです。

旧MGシリーズとどこが違うの?

旧シリーズに比べ新シリーズ(第3世代)の新しく改良された主な箇所は全部で6つ。

  • プリアンプが改良
  • PADボタン搭載
  • ノイトリック社製コンボジャック
  • メタルシャーシ
  • メインアウトにXLR端子とフォーン端子
  • ACインレットタイプの内蔵電源(MG06,MG10以外)

プリアンプ

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一番大きく変わったのがプリアンプ部分。ヤマハのMGPシリーズやオーディオ・インターフェースで使用されている「D-PRE」を採用しております。
「D-PRE」はディスクリート方式のClass-Aマイクプリアンプで高級オーディオアンプで使用されているインバーテッドダーリントン回路を採用。インバーテッドダーリントン回路は歪発生の原因となる増幅素子固有の非線形特性を解消し、歪の発生を抑制した増幅方式で、豊かな低音と、伸びやかな高音、そして音楽的な位相特性を実現するというもの。実際に「D-PRE」が採用されているハードウェアをお持ちの方なら分かるかと思いますが、クリアな高音域と艶やかな腰のある低音がほんとに素晴らしい。

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新MGシリーズはさらに回路に使われているオペアンプにも拘りをみせており、音質に重点を置いたカスタムメイドオペアンプ”MG01″を開発。
マイクを繋ぎ試してみましたが、はっきり言ってこの価格帯とは思えないクオリティ。以前のモデルではレコーディングとなると違うプリアンプ用意していた方も多いと思いますが、新MGシリーズはそんなノイズにシビアな場面でも活躍できます。

PADボタン

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PADボタンは入力信号のレベルを減衰させることが可能で、ラインレベルなどの音量レベルの高いソースでも歪みのない適正な入力レベルに設定することができます。
オンの状態ではモノラル入力チャンネル端子からの入力信号を26 dB減衰します。
以前までのモデルはXLR端子とライン端子が別でしたが、コンボジャックの採用とPADスイッチを採用したことで、端子を変えることなくワンタッチでレベル調整することができるのがいいですね。

ノイトリック社製コンボジャック

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モノラル入力チャンネルにはノイトリック社製コンボジャックを装備しております。コンボジャックとはXLRジャックと標準ジャック(フォンジャック/6.3mm)の双方の接続できる端子で、キャノンケーブル用いたマイクやアウトボードでも、シールドケーブルを使ったキーボードや音源でも接続することが可能。
端子が一つになることで筐体が小さくなってますね。

メタルシャーシ

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新MGシリーズは、パウダーコーティングされたメタルシャーシを採用することで耐衝撃性を高め、これまでにない耐久性を実現しているとなっております。
ライブやツアーなどの過酷な環境で使用するのであれば故障の原因となるので耐久性にも注目しなければならない点ですが、なかなかそんな環境下で使用されるという方は少ないですよね。でも、筐体の材質や内部機構は音質面でも非常に重要になっております。
電気機器は使用すると熱をもちますがそれを放散する仕組みや、また、必ず発生する外部からの振動伝達による影響があり、筐体全体の剛性を高めることで高域のにじみの低減に繋がり、ノイズを抑制することができます。
簡単にいえば、筐体はデザインをかっこよくするだけでなく、音質にも影響を与えるわけですが、ここまでこだわっているところを見ると、この音質の良さはプリアンプだけの力ではなさそうですね。また、この価格帯で金属シャーシの曲線も珍しい。フランス人デザイナーを起用しているとのことですが、そういったところもヤマハの新シリーズのミキサーにかけた思いが伺えます。

メインアウトにXLR端子とフォーン端子

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全モデルでメインアウトにXLR端子とフォーン端子の両方が装備されております。プロオーディオで標準規格のXLRアウトを採用したことにより、プロオーディオ機器との配線がしやすくなります。モニタースピーカーではXLR入力のみのモデルもあるのでそういったときにも安心ですよね。
また、しっかり接続が行えるので。接触ノイズ防止や万が一ケーブルを引っ張ってしまった場合でも抜けにくくなる予防になります。

ACインレットタイプの内蔵電源(MG06,MG10除く)

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本体内に内蔵電源を採用しているのでACアダプターが不要になります。購入する際はあまり気にならない点かもしれませんが、結構これ、実用的です。
音楽製品に限らず自宅の電気製品でもアダプターの存在が鬱陶しいと思ったことはありませんか?しかも、大きいものだとコンセント2口分を使う羽目になってしまったりしてとても邪魔だったり…
アダプターではなく電源コードになったので、スッキリしますし持ち運びなどにも便利になってます。
※けっしてコンセントが必要なくなった意味ではありません

エフェクター/USB搭載のMGシリーズミキサー

今度はエフェクターが搭載されたモデルをみていきます。
エフェクターとUSBオーディオ・インターフェースが内蔵されたモデル(XUモデル)は以下の4モデル。

  • 20チャンネルミキシングコンソール「MG20XU」
  • 16チャンネルミキシングコンソール「MG16XU」
  • 12チャンネルミキシングコンソール「MG12XU」
  • 10チャンネルミキシングコンソール「MG10XU」

スタンダードモデルの改良された部分はもちろんこのシリーズにも搭載されております。※「MG06X」のみ他機種と機能が異なるのでそちらのみ別に記載します。

旧MGシリーズとどこが違うの?

旧シリーズに比べ新シリーズ(第3世代)の新しく改良された主な箇所はスタンダードタイプ箇所含め全部で10つ。XUモデルは4つが新機能となります。

  • SPXエフェクトを8プログラム追加
  • 24ビット/192kHz対応USBオーディオインターフェース
  • iPhone/iPad接続
  • USB入力アッテネーター

SPXエフェクトを8プログラム追加

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前モデルのエフェクトは16種類でしたが、それに加え新たに8種類が追加されております。
ボーカル等で使える実用的なものを中心に追加されており、特にディレイサウンドは、従来より定評のあるリバーブプログラムに加えて高品位な仕上がりとなっております。
また、音を多重化させ厚みのある響きにする「SYMPHONIC」や、AMラジオ風のローファイな感じにする「RADIO VOICE」、音程を変化させる「ピッチチェンジ」など、インターネット放送や歌ってみたで役立ちそうなエフェクトも搭載しております。

24ビット/192kHz対応USBオーディオインターフェース

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前モデルは、16bit/48kHzのUSB1.1仕様でしたが、今回のXUモデルは24bit/192kHzのUSB2.0仕様になっております。ハイレゾ音源に対応する解像度なので音楽を聴いて楽しむ方にもいいですね。生まれ変わったマイクプリと合わせて高音質のレコーディング環境が整います。
2イン/2アウトのステレオ仕様は変わっていないので、マルチ入力/出力には対応しておりません。ただ、インターフェースでも2インで十分という方が非常に多いので、そういった意味では不便さを感じる方も少ないと思います。

iPhone/iPad接続

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前モデルでは使用できませんでしたが、Camera Connection Kit を使用してiPad(2以降)、iPhone(iOS7以降)に接続できます。
本格的にレコーディングするとなると、パソコンに電源を入れて…ソフトを立ち上げて、インターフェースを準備して…など、ちょっと手間がありますが、簡易録音したいというときにiOSデバイスによる録音は非常に効果的。
すでにパソコン用にインターフェースを持っている方という方は、MGを通常はミキサーとして使い、iPadを使う時だけUSB機能を利用するという使い方もできますね。

USB入力アッテネーター

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前モデルではコンピューターからの入力調整ができず、再生音量を調整するにはチャンネルフェーダーのみでしたが、今回のXUモデルはアッテネーター機能を搭載しております。入力レベルを-24dB ~ 0dBの間で設定できますので、チャンネルフェーダーは本来の音量バランスを整えることに使用できます。

コンパクトミキサー「MG06」と「MG06X」

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コンパクトミキサー「MG06」

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コンパクトミキサーエフェクト内蔵タイプ「MG06X」

新たにMGシリーズに仲間入りしたモデルが6チャンネルタイプの「MG06」と「MG06X」。
どちらも幅が約15cmと非常にコンパクトで重さも1kg未満と持ち運びにも便利。
スタンダードタイプのMGシリーズミキサーで紹介しているとおり「MG06」はシンプルなミキサーで、「MG06X」はそれに加えエフェクターが搭載したモデルです。

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エフェクトはディレイとリバーブを切り替えて使用することが可能で、各3種類の合計6種類が内蔵されております。
エフェクターエンジンもSPX アルゴリズムなので非常に高品位です。イベントや発表会などでオーソドックスなエコーが欲しい!という方にも便利ですし、レコーディング用のボーカルモニターや、ドラムやキーボードとしてのミニミキサーが欲しい方にもいいですね。
また、その際は別売の「BMS-10A」を装着することで、マイクスタンドに設置することもできます。

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従来通りの使いやすさに音質が向上!

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ヤマハミキサーはなんといっても使いやすさが特徴。EQのポジションや1ノブコンプなど、知識をそこまで必要としなくても扱える手軽さは多くの方に評価されておりますね。また、取り扱い説明書の丁寧さや、修理&メンテ、問い合わせなどのサービスの高さは日本ならでは。そういった意味ではもっとも親切なミキサーといえます。

今回のアップデートで、さらにパネル部分のレイアウトが使いやすく変更されております。これまでのMG のコンセプトカラーであるブルーをハイライトにしマスター部分を目立たせており、インプット操作部とアウトプット操作部を明確に色分けがされていることにより、デザイン性と実用性が両立。
また、細かいところですが、操作が分かりづらいところをインターネット上で説明しているところもいいですね。実は以前のモデルもそうですが、USB搭載モデルはネット配信にも使えるのはご存知でしょうか?

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MGシリーズはループバック機能を持ったUSBオーディオ・インターフェースと同等の機能をもっております。普段、DTMなどで音楽製作をしている方ならまだしも、始めて生放送をする方にとって、セットアップは非常にややこしいというか、難しいですよね。
そういったところを説明している点も評価できると思います。(各やり方はこちらで説明しております)

音質部分はノイズの乗り具合が前モデルより変わっております。
そしてマイクプリアンプ。これは先ほどお伝えしている通り誰もが良くなったと分かるくらいに激変しています。
ノイズの低さで定評あるミキサーではMackie社などが挙げられますが、金属シャーシを採用や圧力がパネル面に分散するノブなどの採用によりいい勝負をしそうです。
最後に前モデルのスペックをみてみます。

前モデルと仕様比較

前のモデルと新MGの比較表です。各製品ごとに仕様は少し異なるのですが、旧機種を代表して「MG166CX-USB」と新MG「MG16XU」を比較してみます。スペック上だけですと、ほぼ変化は分かりにくいですが、ノイズの比率は見えますね。

「MG16XU」と「MG166CX-USB」の仕様を比較

 
MG16XU
MG16XU
MG166CX_01
MG166CX-USB
周波数特性入力チャンネル→STEREO OUT+0.5 dB / -1.5 dB(20 Hz ~ 48 kHz)、
1 kHz @ ノミナル出力基準、GAINツマミ:最小
0, +1, -3 dB(20 Hz ー 20 kHz)、
1 kHz @ ノミナル出力基準、 GAINツマミ:最小(CH1~19/20)
全高調波歪率(THD+N)入力チャンネル→STEREO OUT0.03 % @ +14 dBu(20 Hz ~ 20 kHz)、GAINツマミ:最小
0.005 % @ +24 dBu(1 kHz)、GAINツマミ:最小
0.1 % 以下 @ +14 dBu(20 Hz ー 20 kHz) 、GAINツマミ:最小
ハム&ノイズ
(20 Hz to 20 kHz)
入力換算ノイズ-128 dBu(モノラルインプットチャンネル、 Rs:150 Ω、GAINツマミ:最大)※1-128 dBu(Rs:150 Ω、GAINツマミ:最大)※2
出力残留ノイズ-102 dBu(STEREO OUT、STEREO master fader:最小)※1-98 dBu※2
クロストーク※3-78 dB-70 dB
入力チャンネル機能PAD26 dB
HPF
(ハイパスフィルター)
80Hz、12dB / oct(モノラル / ステレオ:MICのみ1-knobComp)80Hz、12dB / oct(CH 1-8, CH 9/10-11/12)
1ノブコンプ1つのノブでパラメーター(ゲイン、スレッショルド、レシオ)を同時に調節、スレッショルド:+22 dBu ~ -8 dBu、レシオ:1:1 ~ 4:1、出力レベル:0 dB ~ 7 dB、アタックタイム:約25 msec、リリースタイム:約300 msec1つのノブでパラメーター(ゲイン、スレッショルド、レシオ)を同時に調節
EQ(HIGH)ゲイン:+15 dB / -15 dB、カットオフ周波数:10 kHz シェルビングゲイン:+15 dB / -15 dB、カットオフ周波数:10 kHz シェルビング ※4
EQ(MID)ゲイン:+15 dB / -15 dB、中心周波数:モノラル:250 Hz ~ 5 kHz ピーキング
ステレオ:2.5 kHz ピーキング
ゲイン:+15 dB / -15 dB、中心周波数:モノラル:250 Hz ~ 5 kHz ピーキング
ステレオ:2.5 kHz ピーキング ※4
EQ(LOW)ゲイン:+15 dB / -15 dB、カットオフ周波数:100 Hz シェルビングゲイン:+15 dB / -15 dB、カットオフ周波数:100 Hz シェルビング ※4
PEAK LEDイコライザー後の信号がクリッピング(+17 dBu)の手前 3 dBに達すると点灯イコライザー後の信号(CH 13/14~ 19/20は MICアンプ後またはイコライザー後の信号)がクリッ
ピングの手前3 dB (+17 dBu) に達すると赤く点灯
レベルメータ2 × 12 ポイントLEDメーター(PEAK、+10、+6、+3、0、-3、-6、-10、-15、-20、-25、-30 dB)2 x 12 ポイントLEDメーター (PEAK, +10, +6, +3, 0, -3, -6, -10, -15, -20, -25, -30 dB)
信号がクリップ手前3dBのポイントでPEAK赤LED点灯
内蔵デジタルエフェクト
(SPX アルゴリズム)
24種類16種類
USBオーディオ
(2 IN/2 OUT)
24bit / 192kHz、
USBオーディオ 2.0
16bit / 44.1 , 48kHz、
USBオーディオ 1.1
ファンタム電源+48 V+48 V
電源電源ケーブル電源アダプター PA-30
消費電力30 W35 W
寸法(幅×高さ×奥行き)444 mm×130 mm×500 mm478 mm x 102 mm x 496 mm
質量6.8 kg5.5 kg
付属品ラックマウント金具
Cubase AI
(ダウンロードインフォメーション)
Cubase AI 4
その他取扱説明書、Technical Specifications、電源ケーブル取扱説明書、電源アダプター (PA-30)または同等品、USBケーブル
オプション品(別売)フットスイッチ:FC5フットスイッチ:FC5
動作環境温度0 ~+40 ˚C 

0 dBu = 0.775 Vrms シグナルジェネ㆑ーターの出力インピーダンス:150 Ω 特に指定がない場合、ノブやフェーダーの位置はすべてノミナル位置です。
※1 ノイズはA-weightingフィルターで測定
※2 @12.7 kHz, 6 dB/octaveのローパスフィルターで測定 (@20 kHz, -∞ dB/octaveフィルターに相当)
※3 1 kHz バンドパスフィルターで測定。
※4 シェルビングタイプのターンオーバー /ロールオフ周波数:最大可変幅に対して3 dB下がったポイント

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