IK Multimedia iLoud Precision MKII | ルーム音響自動補正 × リニアフェイズが生む、透明なサウンド

比類なき精度を追求した、サウンドの核心

iLoud Precision MKIIの最も大きな進化点は、革新的なグラフェン膜を実装した新設計の30mmテキスタイルドームツイーターです。軽量でありながら驚異的な剛性を持つグラフェンは、高域再生時の分割振動を効果的に抑制。従来モデルを凌駕する明瞭度とクリアな音質を獲得し、ミックスの中に存在する微細な空気感やリバーブのテイルまで忠実に描き出します。

この優れたユニットを制御するのが、96kHzで内部処理を行うフルDSPコントロールです。150Hz以上の帯域で完全なリニアフェイズ特性と、全帯域にわたる時間的整合性（タイムコヒーレント）を実現。各周波数帯の音が耳に届くタイミングのズレが解消されることで、驚くほど自然で立体的な音像定位が生まれます。カスタム設計のクラスDパワーアンプと、俊敏なレスポンスを誇る超軽量コーティング紙膜ミッドウーファーとの組み合わせが、音質を追求する愛好家も納得する水準の極めて透明なサウンドを提供。信頼性の高いモニタリングを可能にします。

ARC Xが実現する、インテリジェントな音響空間制御

優れたスピーカーの性能を最大限に引き出すには、設置される部屋の音響特性への最適化が不可欠です。iLoud Precision MKIIシリーズは、IK Multimediaが誇るARC（Advanced Room Correction）システムを内蔵し、この課題をスマートに解決します。付属の高精度な測定マイクをスピーカーに接続し、キャリブレーションボタンを押すだけ。リスニングポイントの音響特性が自動で測定・解析され、定在波や反射による周波数特性の乱れが精密に補正されます。これにより、どんな部屋でもフラットで信頼性の高いモニタリング環境を、誰でも簡単に構築できます。

MKIIシリーズは、この強力な機能を統括する新世代のルーム補正＆モニター管理ソフトウェア「ARC X」とシームレスに連携。ARC Xは、自動キャリブレーション機能に加え、音響やボイシングのより詳細な調整を可能にするパワフルなツールです。特にイマーシブオーディオのセットアップ時には、各スピーカーのレスポンス、ディレイ、レベルなどを完全に自動で調整し、複雑なシステム構築を強力にサポートします。さらに、市場で人気のあるスタジオモニターの周波数特性と位相特性をエミュレートする機能も搭載。制作した楽曲が他の環境でどのように聴こえるかを、自身のスタジオで正確にシミュレートできます。

イマーシブ時代に応える、プロフェッショナルのための拡張性

iLoud Precision MKIIシリーズは、卓越したサウンド性能に加え、現代のプロフェッショナルな制作環境における実用性も徹底的に追求されています。エンクロージャーには、低共鳴で高減衰特性を持つ精密設計のMDF材を採用。音の回折を最小限に抑えるよう計算された形状のフロントバッフルが、クリアで濁りのないサウンドに貢献しています。デザイン面では、IK Multimediaの新しいロゴと一体化したスリムなフロントLEDが採用され、機能的なステータス表示とモダンで洗練された外観を両立させています。

MKIIシリーズで新たに追加された改良型のマウントポイントは、現代の多様な制作スタイルに対応するための重要な進化点です。別売の専用ブラケットを使用することで、壁や天井への取り付けが容易になり、Dolby Atmos®をはじめとするイマーシブオーディオ・フォーマットのスタジオ構築に柔軟に対応できます。
ステレオ制作だけでなく、サラウンドや空間オーディオといった最先端のコンテンツ制作においても、iLoud Precision MKIIを中核とした信頼性の高いモニタリングシステムを構築することが可能です。

MKIIの進化点：旧モデルとの違い

前モデルであるiLoud Precisionシリーズは、その登場時、コンパクトな筐体から放たれる驚異的なリニアフェイズサウンドと、内蔵されたARCシステムによるルーム補正機能で、ニアフィールドモニター市場に大きなインパクトを与えました。その完成度の高いサウンドはエンジニアやミュージシャンから高い支持を得ています。iLoud Precision MKIIは、その成功を築いた核心的な技術、すなわちリニアフェイズとタイムコヒーレントな音響設計、そしてARCシステムという根幹を揺るがすことなく、さらなる高みを目指した「正統進化」モデルです。

最も顕著な進化は、サウンドの出口であるツイーターです。前モデルのチャンバー型テキスタイルドームツイーターも非常に高性能でしたが、MKIIでは新たにグラフェン強化テキスタイルドームツイーターが採用されました。この変更により、高域の解像度とトランジェント特性がさらに向上。より鮮明でクリアなサウンドイメージを体感できます。

ソフトウェア面では、コントロールアプリケーションが「X-MONITOR」から次世代の「ARC X」へと進化しました。基本的な機能は継承しつつ、ARC Xでは特にイマーシブオーディオ・システムのセットアップとキャリブレーションが完全に自動化され、複雑なマルチチャンネル環境の構築が格段に容易になりました。これは、空間オーディオ制作が本格化する現代において、非常に大きなアドバンテージです。

そして、物理的な進化として見逃せないのが、改良されたマウントポイントの採用です。これにより、Dolby Atmos®などのイマーシブ環境への柔軟な対応が可能になりました。これは制作スタイルの多様化という時代の要請に応えるための必然的な進化と言えます。各モデルでわずかに増加した本体重量は、これらの改良や内部パーツのブラッシュアップが施されたものであり、製品としての信頼性をより一層高めています。

iLoud Precision MKIIは、前モデルと同様に、5インチウーファー、6.5インチウーファー、MTM配置の2×5インチウーファーの3種類のモデルをラインナップ。部屋のサイズや制作環境に合わせて選ぶことができます。

主な仕様

紹介動画

発売日

2025年9月10日（水）

販売価格

• 価格は予告なく変更となる場合がございます。実際の販売価格はオンラインストアの表示価格および最寄りの店舗でご確認ください。

マウント用金属製ブラケット