「手軽にスマホで動画作成、音楽制作をされたい」「スマホからYouTubeなどに動画をアップしたい」という方の問い合わせを多くいただきます。スマホに音を録音するにはさまざまな録音方法がありますが、今回はサクッと簡単に録音したい方に向けて、iPadやiPhoneなどのiOSデバイスに対応する外付けマイク(コンデンサーマイク)をまとめてみました。
まず、マイクに関して簡単に説明すると、マイクの種類を大きく分けるとダイナミックマイクとコンデンサーマイクの2種類があります。ここでは、コンデンサーマイクはダイナミックマイクの違いについては割愛しますが、誤解を恐れずざっくりと言いますとコンデンサーマイクはダイナミックマイクに比べ綺麗に録音することができます。
もし、楽器やボーカルをiOS機器にレコーディングをするのであればコンデンサーマイクを基本的にはおすすめいたします。もちろん、録音される楽器などによってはそうではない場合もありますので、詳しくは各店舗スタッフまでご相談いただければと思います。
コンデンサーマイクをiOSデバイスに接続する方法は、iPadやiPhoneに直接接続できる専用マイクを選ぶ方法と仲介装置(スマホ対応のオーディオインターフェース)を使って接続する方法の2種類に別けられます。
今回はその中でiPadやiPhoneに直接接続できる専用マイクをご紹介します。
iOSスマホ用マイクの種類
iPadやiPhoneに直接接続できる専用マイクもLightning 接続タイプ、スマホのイヤホンマイク端子に接続する4極ミニプラグタイプ、専用のアダプタを仲介して接続するタイプの3種類があります。
直接iOS機器に接続できる製品は、iOSデバイスに接続するLightning端子がその製品に設けられていたり、専用ケーブルを利用することでiOSデバイスに繋げられます。
一方のアダプタを仲介して接続するタイプはApple社の「Lightning - USB カメラアダプタ」を利用することで、iOS機器に接続できる製品です。このアダプターはUSB端子をLightning端子に変更することができますが、USB端子をもつ機器ならすべてiOS機器に接続できるかといえばそうではなく、接続したい機器がiPhoneやiPadなどに対応している必要があります。
マイクの選び方と注意点
購入したけど「挿しても認識しない」「接続しても反応しない」「iOSのバージョンを上げたら使えなくなった」などのリスクを極力減らすように、マイクはご使用されているiPhoneなどのiOS機器に対応する製品を選ぶ必要があります。
まず最初に確認した方が良いのはその製品がApple MFi認証されているかどうかです。各メーカーサイトにはMade for iPod、Made for iPhone、Made for iPad の各ロゴによる表示がされていますので、それを目印にしてください。
次に動作条件です。この動作条件は2つあり、1つはマイクを挿したいiOS機器とバージョンの確認です。例えばある製品の互換性情報が下記の画面キャプチャです。ご使用されているのがiPhone8でiOSバージョン11.0の場合ですと赤線の部分になるので、動作条件に当てはまることになります。
ここで1つ注意しなければならないのは、ほとんどのメーカーの互換性情報には上記のように「iOS 6 以降」のような表記しかありません。これはiOS6以上は全て対応しているという訳ではありません。WEB更新頻度が高いメーカーサイトであれば、使用できないあるいは不具合が発見されているバージョンであればそのページやサイトのどこかに明記されているのでそこも確認が必要になります。特に最新のiOSバージョンを使用されている場合はまだ発見できていない場合もあるのである程度期間をおくことをおすすめします。
2つ目の動作条件ですが、アプリとの互換になります。製品に付属している専用アプリであれば互換表記されている場合が多いですが、それ以外のアプリに関してはほとんどが表記されていません。「認識しない」「片方の音しか出ない」がよく起こるトラブルとしてあるため、使用したいアプリで使えるかどうかはそのアプリを入れて店頭などで実際に確認してみるのをおすすめします。もし、近くに店舗がない時はスタッフまでご相談いただければお調べできる場合がございます。
単体録音?パート録音?
録音方法として、楽器をソロで演奏したのを録画&録音する場合はほとんどの製品が対応していますが、バンドやユニット、楽団などみんなでセッションした動画を作る場合や音楽に声を重ねたいなどの用途にはそれに対応している製品を選ぶ必要があります。
まず、どちらかというと動画配信向けになりますが、各楽器パートごとに録音してそれを最終的にみんなで合奏するような映像(コラボ動画)を作りたい場合、メトロノームやリズム、コピーなら原曲(※1)など何かしらのオケをヘッドホンで聴きながら一人一人録音していきます。その場合、まずヘッドホン出力がマイクに搭載されている必要があります。
また、録音中に自分の演奏音をモニターするにはダイレクトモニタリング機能があるものが便利です。それにバックグランド再生できるアプリに対応している必要もありますね。そのように動画を1パートづつ録画していって動画編集アプリで最後に合わせるとセッション動画を作ることができます。
1つの映像に(あるいは映像なしで)複数の音を合わせた物を作る方法ですが、もしオケがWEB上にあり、その音と一緒にマイクの音を録音する場合はループバック機能が必要になります。よく自宅カラオケとかで利用されていますね。ただ、iOS用マイクでこの機能が搭載されているのはありません。一般的なのはオケを用意してマルチトラック対応の音楽制作アプリまたは動画編集アプリで録音を被せていく方法となります。代表的なアプリですと「Cubasis」「GarageBand」や「iMovie」でしょうか。(その際は、ループバック機能がオフにできる製品である必要があります)
この方法であれば先ほどのようにヘッドホン出力、ダイレクトモニタリング機能があれば一人が演奏した録画に自分の演奏(音声のみ)を重ねることができます。
▼(下記)iPhoneアプリ「iMovie」はShure「MV5」を使用して演奏を重ねることが可能。(音声は3トラックまで)ファイル共有して複数人による演奏動画を作成が可能。
▼合唱によるコラボ動画
それでは、対応商品の一覧になります。下記製品以外にも発売されているものがありますが、当社で人気のマイクに厳選しご紹介します。
iOSデバイス対応のマイク製品
- 直接iOS機器に接続できる専用マイク(スマホに直に取り付けるタイプ)
- 専用ケーブルでiOS機器に接続できる専用マイク(専用ケーブルにて接続するタイプ)
- iPad/iPhoneアクセサリを介して接続できる専用マイク(別途専用変換アダプターが必要)
直接iOS機器に接続できる専用マイク
iPad。iPhoneに直に取り付ける外部マイクです。マウント器具など他のアクセサリーを必要とせず素早くスマホに設置することができます。スマホケースがある場合は取り付けることが難しい場合もありますので、店頭にてご確認ください。
専用ケーブルでiOS機器に接続できる専用マイク
専用ケーブルにてiPad。iPhoneに接続する外部マイクです。ケーブルなのでスマホケースなどLightningコネクタ部分の周辺を塞いでしまっていても入力しやすく、また録音対象をより狙いやすくセッティングできる特徴があります。
iPad/iPhoneアクセサリを介して接続できる専用マイク
専用のアクセサリを介してiPadやiPhoneに接続できるマイクです。下記のマイクはメーカーが動作確認が取れている製品になります。USBマイクの中には専用アクセサリを使用するとiOS機器が認識するものもありますが、端末のバージョンや使用したいアプリ、スマホにインストールされているアプリの干渉によってできない場合がありますのでくれぐれもご注意ください。
※こちらの製品をiOS機器に使用するにはApple社の「Lightning - USB カメラアダプタ」が必要です。
※1:自作した音源以外の曲を許可なく配信することはできませんので録音されないようにくれぐれもご注意ください。また、自作した音源も法律を守って正しくご利用下さい。
※2:対応端末はメーカーが正式に対応発表しているものになります。公式対応外のものは掲載しておりません。また現時点で対応しているものになりますので予めご了承ください。(更新:2020年4月15日)
※3:録音品質は最大サンプリングレート、ビットレートになります。接続するデバイスおよびアプリによっては記載の品質まで対応していない場合があります。
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ダイレクトモニタリング機能について
録音される入力信号がiOS機器を通ることで生じる遅れを回避する機能です。(詳しくは→【FAQ】ダイレクトモニタリングとは?)この機能があれば遅れがないモニターで録音することができます。ただし、iOS用マイクにダイレクトモニタリング機能が搭載されていても製品によっては機能に差があります。機能の差として挙げられるのがブレンド(input/iOSのMIXバランス)機能の有無です。これはダイレクトする音声(録音する音)とiOS側から再生される音声の音量バランスを調節できる便利な機能です