2019年8月24日(土)録れコン2019グランプリ受賞作品「ひとりぼっち宇宙」(集ウ)のリプロダクションが、東京港区芝公園/東京タワーのお隣にあるレコーディングスタジオ「Sound City」Annex T2 Studioにて行われました。
今年のグランプリ受賞作品「ひとりぼっち宇宙」がプロの手によってどのように変化していくのか、画像・動画を交えてお届けいたします。
1.準備編
01.打ち合わせ
グランプリ特典である『リプロダクション』を実施するにあたり、何をすれば「ひとりぼっち宇宙」がより良くなるかをエンジニアの鎌田氏・中澤氏、録れコン事務局が事前にトラック内容を分析し、本人へ提案および要望の意見交換を行い打ち合わせます。
総合的に検討した結果、作品として完成されているが、「グルーブを強化することでより魅力的になる」との意見が一致。今回のリプロダクションは、打ち込みでリアルに表現されているベースを生に差し換えることでよりバンドサウンドの表現豊かなグルーブを作品に加える事に決定しました。
そこで、録れコンの審査員でもある清水玲氏にベーストラックの差し換えをお願いし、楽曲をさらにブラッシュアップするという方向性が固まりました。
※リプロダクションの方向性決定までのプロセスは、レポートの終わりに集ウ氏(コメントリンク)、エンジニア鎌田岳彦氏(コメントリンク)、エンジニア中澤智氏(コメントリンク)のコメントがありますので、そちらをご参照ください。
02.リプロダクション当日
8月24日(土)10:00、「Sound City」Annex T2 Studioに到着。
東京タワーのすぐ前のビルの地下2階に構える「Sound City」Annex T2 Studio。
ヴォーカルから各種楽器のダビングまで、幅広い録音作業に対応できるよう コンソールはSSL4000G。適度な広さのブースでゆったりと録音に取り組むことのできる環境です。数々の有名な楽曲がこのスタジオでレコーディング、ミックスされてきました。
本格的な設備のレコーディングスタジオでプロのプレイヤー、エンジニアによって「ひとりぼっち宇宙」がパワーアップしていく模様をぜひお楽しみください!
03.本日の説明~オリジナルトラックの確認
11:00 集ウ(本人とmix担当takanaris氏のお二人)、エンジニアの鎌田氏、中澤氏、ベーシストの清水氏がそろい、録れコン事務局より本日の流れを説明します。
その後、オリジナル音源をスタジオのモニター環境で確認。
まずはオリジナルの音源を確認しましょう!
2,レコーディング編①
清水玲氏 プロフィール
1993年より濱瀬元彦氏に師事し、2007年からMotohiko Hamase The ELF Ensembleに参加。執筆活動としては、ベース・マガジン 誌にスラップ・セミナー「Brush your SLAPup!」を連載(現在終了)。電子楽器メーカーROLAND,BOSSのセミナーでインストラクターも務めている。
清水玲公式ホームページ(HP) 》
04.機材紹介 その1
ベース
・Geki-NARI-PB Rei Custom Bass
アンプ
・ROLAND CUBE 100 BASS
DI
・PETERSON STOMP CKASSIC
アンプにマイクをセッティングします。
エンジニア中澤氏は同軸スピーカーに対し、バランス良く収録できるポイントに向けてマイクは2本セッティング。
(奥)NEUMANN 「U47fet」 / (手前)AKG 「D112」
05.ベースレコーディング 機材紹介 その2
今回の録音セッティングです。
マイクに入った信号はコントロールルーム内の(写真:中段)TUBE-TECH 「MP-1A」~(写真:上段)Urei「1176」、(写真:下段)NEVE 「1073(vintage)」にそれぞれ入力。
その信号はPro Tools HDX システムに入力。
3,レコーディング編②
06.ベースレコーディング開始
早速、楽曲に合わせてプレイ。
清水玲氏との事前の打ち合わせで、レコーディングの時間は1.5時間程度、オリジナルのラインを活かしつつ生のグルーブ感を加味頂けるようリクエスト。
アーティストの意向をとりいれつつ、生演奏ならではのノリが加わることで、曲の雰囲気が変わってきます。
楽曲を制作したお二人もそのグルーブに自然と体が揺れて来ます!
通して録り終わったあと、細かな箇所など確認しながら完成トラックを作っていきます。
そのやり取りのダイジェストを動画にまとめました。
普段やり取りしないプレイヤーとのやり取りなど、今後の制作現場で必要になってくる方々は要チェックですよ!
▼ ベース レコーディングの様子
4,MIX〜アドバイス編
07.MIX開始
ここからは録れコンリプロダクション名物「プロのMIXをプロのエンジニアが解説するコーナー!」です。
今回は鎌田氏がエンジニアを担当!
鎌田 岳彦氏 プロフィール
関わった作品は、アーティストのアルバム、映画やTVドラマなど、非常に多岐にわたる。音楽雑誌(サウンド&レコーディングマガジン)などで、録音機器の使い方などのレクチャーや新しい機材のレビューなども20数年執筆継続中
08.レクチャー
そして、中澤氏による鎌田氏のMIXを解説!!鎌田氏が何を考えて・感じ、どのように問題解決しながらMIXを構築していくのか、わかりやすい解説をしてくれます!
プロ・エンジニアの手法を分かりやすく解説してもらえる録れコンリプロダクションならではの特別なコーナーです。
中澤 智氏 プロフィール
現在、株式会社サウンド・シティ オーディオ技術部部長。レコーディングエンジニアとしての仕事をこなしながら、レコーディングスタジオの運営、管理など忙しい日々を送っている。
まずは、鎌田氏が基準となるMIXバランスまで仕上げます。その行程の画面を見ながら中澤氏が解説をしてくれます。
▼ 鎌田氏によるミックスの解説
曲中に使用されたモールス音のこまかな処理についても。
鎌田氏のMIXが一旦整った段階で、コンソール前に移動。中身の解説までしてくれました。
09.確認〜修正
鎌田氏による基本的なMIX(バランス取り)が済み、楽曲全体の方向性確認をします。アーティストの意向を踏まえつつ、アイデアの提案など議論を重ねます。その後、各々が最終的に気になる点などを確認し、修正をしていきます。
▼ 最終打ち合わせ
10.最終確認
さまざまな再生環境を想定し、各種装置で最終確認をします。
11.お疲れさまでした
時間は20時に。あっという間の1日でした。皆さんお疲れ様でした!!
今回のメンバーショットです。
手前左より鎌田氏、集ウ氏、takanaris氏、中澤氏、アシスタント永野氏。
外はすっかり真っ暗に。
5,リプロダクション完了 ~ コメント
グランプリ楽曲『ひとりぼっち宇宙』はどのように変わったのでしょうか?聴いてみましょう!
「ひとりぼっち宇宙」のリプロダクションバージョンは各配信サイトにて配信中!!
※下のバナーをクリックすると各配信サイトをお選びいただけます。
12.リプロダクションを終えて
集ウとオリジナルmix担当のtakanaris
集ウ 公式HP http://silver-discs.info/
鎌田岳彦氏
中澤智氏
パーソナル
アーティスト:集ウ
エンジニア:鎌田岳彦 / 中澤智
ベーシスト:清水玲