2017年7月24日(日)録れコン2017グランプリ受賞作品「Sweet Lullaby」(odasis)のリプロダクションが、東京港区芝公園にあるレコーディングスタジオ「Sound City」Annex T1 Studioにて行われました。グランプリ受賞楽曲「Sweet Lullaby」が、プロの手によってどのように変化していくのか、画像・動画を交えてお届けいたします。
グランプリ受賞楽曲「Sweet Lullaby」が、プロの手によってどのように変化していくのかお届けいたします。
パーソネル
- アーティスト:odasis 氏
- エンジニア:鎌田岳彦 氏・中澤智 氏
- パーカッション:岡部洋一 氏
1.準備編
01.打ち合わせ
グランプリ特典である『リプロダクション』を実施するにあたり、何をすれば「Sweet Lullaby」がより良くなるかをエンジニアの鎌田氏・中澤氏、録れコン事務局が本人の要望を聴きながら事前に打ち合わせます。
総合的に検討した結果、今回のリプロダクションは、特にメインであるアコースティックギターのグルーブはそのままで、そこに合わせられるプロのパーカションプレイヤーにレコーディングをお願いするという方向でまとまり、当日の流れがほぼ決定しました。
- パーカッショントラックの追加
- ギタートラック・ヴォーカルトラックなどの全音源データの修正
- プロエンジニアによるミックスダウン
※リプロダクションの方向性決定までのプロセスは、レポートの終わりにodasis氏、エンジニア鎌田岳彦氏、エンジニア中澤智氏のコメントがありますので、そちらをご参照ください。
今年のリプロダクションどのようになるのでしょうか?
(写真:前列左より odasis氏、エンジニア – 鎌田岳彦氏、写真 後列 録れコン事務局 – 小久保、エンジニア – 中澤 智氏、アシスタント・エンジニア – 青木礼門氏)
02.リプロダクション当日

7月24日(日)11時、「Sound City」Annex T1 Studioに到着。目の前には東京タワー!
現場は東京タワーのすぐ前のビルの地下1階に構えるスタジオです。
メインフロアに加え、2つのブースを有し、3リズム、ストリングスダビングからヴォーカルダビングまで、幅広い録音作業に対応。 コンソールにSSL4000Gを備え、ヤマハセミコンサートピアノを常設。占有ラウンジを有し、落ちついて録音に取り組むことの出来る環境です。

数々の有名な楽曲がこのスタジオでレコーディング、ミックスされてきました。細部まで妥協なくチューニングされたモニター環境により、作品をしっかりと確認することができます。

こんな贅沢なスタジオで行われるリプロダクション。トッププロが使用するレコーディングスタジオでプロのプレイヤー、エンジニアによって「Sweet Lullaby」が変貌していく様子をぜひ一緒にお楽しみください!

2.トラック修正編
03.オリジナルトラックの確認
全員が集合し、早速各々が準備を進めていきます。全員が集まった段階で本日の流れを説明し、まずはスタジオ環境でオリジナル音源を確認。
04.オルガントラックのピッチ補正
この作品はこれはこれで完結している秀逸な作品なのですが、細かいところでピッチのずれが気になった、と鎌田氏。「オルガンについて最初ピッチがフラットして聴こえたため、原因を追究したところ、ギターとのピッチの関係性が良くないことに気づき、ピッチを17cent上げてみました。その結果、よどんだ感じがなくなり、オルガン全体の音量を上げることが可能になりました(鎌田氏)」
単純に全体の音量バランスをとるだけでなく、ハーモニーをしっかり合わせるすることによって、音量の上げる余地ができ、各楽器のアンサンブルを際立たせることができるとのことでした!
05.ギタートラックの修正解説
また、ギターのコードの構成音が「当たっている」部分があり、その音符のみコード・トーンに寄せて修正を施し、音量を下げました。Celemony Melodyneのポリフォニック素材の処理機能を使って、コード内の当たっている音のみピッチを修正します。

この他、ヴォーカルに関してもピッチが若干低くなっている箇所を修正。また、いくつかの音が小さいトラックに関しては、ゲインアップ修正が行われました。
3.レコーディング編
06.パーカッションレコーディング その1
パーカッションプレイヤーの岡部洋一氏をお迎えし、様々な楽器のレコーディングを行います。
パーカショニスト。ROVO、ボンテージフルーツ、THE THRILLのメンバーであり、溝口肇やバーデン・パウエル、菅野よう子ら多彩なアーティストともに共演。洗足学園音楽大学ジャズコース非常勤講師も務める。
まず、いきなり出てきたのはこれ!
中身入ってないじゃん!ってこれをバスドラムのかわりに使ってみよう!と。
こんな感じで!
次は何を使ってみましょう?こんなのはどうでしょう。
スネアのかわりに一斗缶!すごく年季が入っています。
こんな感じ。
お次はこれ!
やっと楽器っぽいものが出てきました。インドの楽器「Dholak(ドーラク)」です。

odasis氏もマイクの立て方を熱心に観察していました。位相を考えて両方からマイクを立てるとのことです!
ベトナムの打楽器”モーニップ”。
※上に乗っている木でできた楽器です。
口元で鳴らします。
金物はいろいろ試してみましたが、一番しっくりくるということでハイハットを採用。
他にもいろんな楽器があっておもちゃ箱のようです。
実際のレコーディングの様子をご覧ください。
実際に使用されたテイク以外にも様々な楽器を録音しました。
あっという間にパーカッションのレコーディングが終了しました!
お疲れ様です!!
4.MIX〜アドバイス編
07.MIX開始
ここからは皆さんお待ちかねの録れコンリプロダクション名物、鎌田氏の独壇場MIX Timeが始まりました。
ものすごいスピードでトラックを整理し、その音の一番おいしい帯域を際立たせ、あるべき場所においていく熟練の技術、見る見るうちにすべてのサウンドが生き返っていきます。
08.レクチャー
そして、録れコンリプロダクションの肝となる中澤氏による鎌田氏のMIX解説。見てるだけでは何をどう考えてどう構築しているのかはわかりませんが、中澤氏は鎌田氏が何を考えてどのようにミックスを構築していくのか、わかりやすい解説をしてくれます!プロ・エンジニアの手の内を解説してもらえるという録れコンリプロダクションならではのスペシャルコーナーです。
まずは、低音の処理から。鎌田さんのEQプラグインは、昨年まで愛用していたMcDSPのFilterBankから、fabfilterのPro-Qをメインに使用。iZotope OZONE7、Avid Channel Stripなども使用し、音をどんどん整えていきます。

Fabfilter Pro-Q
iZotope OZONE7

Avid Channel Strip
ミックス時の様子です。様々なプラグインを活用し、
コーラスの位相反転処理について説明しています。
09.確認〜修正
鎌田氏によるMIXが完了。MIXのポイントについて語ってくれる鎌田氏。プロ・エンジニアのこだわりに感動していた様子でした。
確認をします。その後、各々が気になる点を確認しさらにブラッシュアップしいきます。
最後まで妥協せずに完璧なサウンドを追求します。
10.最終確認

最後の最後まで集中して聴きます!!
11.お疲れ様でした
時間は19時に。あっという間に1日が終わってしまいました。皆さん本当にお疲れ様でした!!

グランプリ楽曲『Sweet Lullaby』はどのように変わったのでしょうか?聴いてみましょう!
Sweet Lullaby リプロダクションテイク
リプロダクションを終えて
odasis氏コメント

鎌田岳彦氏

中澤智氏 コメント







録れコン、リプロダクションとは全国の音楽ユーザー、パーソナル・クリエイター、プレイヤーが制作した渾身の楽曲で日本一を競い合う、国内最大級の録音作品のコンテスト。録音された楽曲を通じて演奏技術・アレンジ能力・オリジナリティーなどを競います。
「リプロダクション」とは?
プロのエンジニアに協力いただき、プロの現場や機材、スタッフを体験しながら、「録れコン・グランプリ受賞曲」をリプロダクツ(リミックスなど)します。グランプリ受賞作品が決まった段階で受賞者の方と相談しながら、どういう方向でどんな方達と創っていくかを決めていきます。作品CDは全国の島村楽器で販売されます。