【DTM初心者】モニターヘッドホンとスピーカー、どっちから揃える?最初の機材選びと定番モデルを解説

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【DTM初心者】モニターヘッドホンとスピーカー、どっちから揃える?最初の機材選びと定番モデルを解説

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「自分だけの曲を作ってみたい。」
パソコン・音楽ソフト・オーディオインターフェースの準備を始めた今こそ、次に整えたいのが“音の出口”。つまり、あなたが音を聴く窓口であるモニターヘッドホンとモニタースピーカーです。

曲作りの楽しさと伸びしろは、“音の出口”ヘッドホンやスピーカーの選び方で大きく変わります。派手な味付けをしない素直な音は、制作の完成度を高め成長を静かに後押ししてくれます。

この章では、なぜ専用機材が効くのか、ヘッドホンとスピーカーのどちらから始めるべきか、そして迷わず選べる定番モデルまでを案内します。ここから一緒に、聴く環境を整えていきましょう。

あなたの曲をレベルアップさせる、作曲の「耳」を育てよう!

耳は才能ではなく、環境と習慣で育ちます。まずはモニター用ヘッドホンやモニタースピーカーの大切さを、ここでしっかり掴んでおきましょう。

PCのスピーカーや持っているイヤホンじゃダメなの?

はじめての人ほど、手持ちのイヤホンやPCのスピーカーで済ませたくなります。けれど、ここが最初の落とし穴。理由は3つです。

理由1:鑑賞用の“味付け”がある

低音を盛ったり高音を派手にしたり、「聴いて楽しい」方向の設計です。その音を基準に作ると、別の環境で聴いたときに「ベースが出過ぎ」「高音が刺さる」とバランスが崩れてしまいやすいのです。

理由2:細部の“解像度”が足りないから

余韻、コーラスの重なり、微小なノイズなど、仕上がりを決める小さな差ほど見えにくい。見えないものは調整できません。

理由3:オーディオインターフェースを使うと、音の出口が変わる

DAWの音はオーディオインターフェースから出る設定になります。つまり、PC内蔵スピーカーからは基本的に音は出ません。
正しい接続は「ヘッドホンはインターフェースのヘッドホン端子へ/スピーカーはインターフェースの出力端子へ」という形になります。

作曲における「音の出口」の重要性

モニター用ヘッドホン/スピーカーは、作曲の土台として2つの役割を果たします。

ぶれない“ものさし”になる
味付けの少ないフラットな音で、低音〜高音のバランスを客観的に判断できる。どこで聴いても崩れにくい仕上がりに近づきます。

“楽しさ”と“モチベーション”をくれる
意図した音がそのまま聴こえる気持ちよさ、好きな曲の新しい発見。楽しいから続く、続くから上達するの良い循環が生まれます。

「耳を育てる」その本当の意味と重要性

「耳が育つ」と言われても、すぐにはピンとこないかもしれません。テレビの画質の進化に例えると分かりやすいです。

昔の少しぼんやりとしたSD画質のアナログテレビも、当時はそれが“普通”。その画質でドラマに感動し、スポーツに熱狂していましたよね。だから当時は「これ以上きれいになる必要ってある?」と感じた人もいたはず。
でも、一度くっきり鮮やかなHDや4Kに慣れてしまうと、昔の映像を見たとき「こんなにぼんやりしていたんだ!」と驚きます。理由のひとつは情報量。私たちは無意識にたくさんの情報を読み取り、やがてそれに順応して新しい基準が生まれます。基準が上がると、過去の映像との差がはっきり感じられるのです。

音でも同じことが起こります。
解像度の低い(情報量の少ない)イヤホンやスピーカーは、いわばSD画質の状態。それでも音楽は楽しめますが、モニター用機材で“HD音質”の世界を知ると、今まで気づかなかった音の輪郭や奥行き、位置関係が見えるように聴こえてきます。

理想的な流れは、まず「音がクリアで楽しい」から続けられること。続けるうちに仕上がりが良くなり、気づけば耳が育っている・・・その土台を作るのが、モニター用のヘッドホン/スピーカーです。

あなたの相棒はどっち?ヘッドホンとモニタースピーカー、それぞれの役割

作曲の「音の出口」は大きく2種類。モニターヘッドホンとモニタースピーカー。いずれは両方を揃えるのが理想ですが、最初はあなたの生活リズムと作業環境に合う方を優先するのが続けるコツです。まずは得意・苦手をざっくり把握しましょう。

それぞれの得意なこと、苦手なこと

項目モニターヘッドホンモニタースピーカー
得意なこと時間や場所を選ばずに作業できる
ノイズや余韻など、細部のチェックに強い
比較的少ない予算で高精度な環境をつくれる
低音の体感や左右の広がりなど、空間での鳴りを確認できる
長時間でも耳が疲れにくく、判断がぶれにくい
実際の再生状況に近い聴こえ方に寄せやすい
苦手なことスピーカー再生との聴こえ方のズレが出やすい
長時間の装着で耳や頭が疲れやすい
大きな音が出せない環境では実力を発揮しにくい
設置スペースとセッティングが必要

あなたに最適な最初の1台を見つけるための2ステップ診断

【STEP 1】 作曲環境はある程度の音量を出しても大丈夫?

いいえ(集合住宅/深夜メイン/家族が近くにいる など)

→ まずは「モニターヘッドホン」を最優先に。時間帯を選ばず作業できることが、DTMを続けるための必須条件です。

はい(一軒家/日中ならある程度OK/簡易防音あり など)

→ スピーカー導入が視野に入ります。STEP 2へ。

【STEP 2】 今の予算感は?

〜3万円程度で着実に始めたい

→ 信頼できる「モニターヘッドホン」1台に集中投資。
長時間でも負担の少ない装着感と、細部まで見える解像度を重視しましょう。普段のリスニングも、この1台に置き換えて耳の基準を育てるのがおすすめです。

3〜5万円でバランス良く整えたい

→ スピーカーは(ペアで)約3万円〜が目安。残りの予算をヘッドホンに配分しましょう。
もしスピーカーに十分な額が割けない場合は、無理に両方を薄く買わず、まずはヘッドホンを“基準”としてしっかり選ぶのが賢明です(1万円未満は選択肢が限られます)

6万円以上で理想の環境へ

→ 「ヘッドホン+スピーカー」の両方を強く推奨。モニタースピーカーが1台あるだけで、作る時間の質が変わります。集中が途切れにくいから長時間の作業もラク。さらに、普段はヘッドホンで、要所でスピーカーに切り替え仕上がりの向上を目指せます。

【必須装備】まずは「モニターヘッドホン」を手に入れよう

診断の結果、多くの人にとって最初に必要な機材がモニターヘッドホンです。ここからは、最初の一台を迷わず選ぶためのポイントと、定番モデルをご紹介します。

選ぶポイントはたった一つ!「モニター用」を選ぶこと

DTM用ヘッドホンを選ぶ上で大事なのは、パッケージや製品説明に「Monitor(モニター/モニタリング)」「Studio(スタジオ)」と明記された“音楽制作用”を選ぶこと。

モニター用は味付けが少なく、音の輪郭やバランスをそのまま捉えやすい設計です。リスニング用のように低音や高音を強調しないため、「何を直せば良くなるか」を冷静に判断できます。

もっと詳しく知りたい方へ
ヘッドホンの種類や選び方については、別途解説記事を掲載予定ですのでお待ち下さい。

迷ったらコレ!鉄板モニターヘッドホン3選

【ザ・定番】 SONY / MDR-CD900ST

日本の多くのスタジオで長年使われてきた「基準」にしやすい一本。中高域がクリアで、ボーカルや楽器の輪郭がつかみやすく、細部のチェックに強いモデルです。業務用扱いのためメーカー保証書が付属しない販売形態が一般的ですが、イヤパッドやケーブルなど補修パーツの供給が充実しており、長く使い続けられます。使用者が多いので、アドバイスや情報が手に入りやすいのも利点です。

【世界の人気者】 audio-technica / ATH-M50x

豊かな低音とクリアな高音を両立した、世界的ベストセラー。着脱式ケーブルで取り回しが良く、折りたためて収納もしやすい一台です。音楽鑑賞用途と音楽制作用途(有線接続)の使い分けをしたい方にはBluetooth対応モデル(ATH-M50xBT)も選べます。カラー展開があり、普段の音楽鑑賞まで高音質で楽しみたい人にも人気です。

【高コスパ】 SHURE / SRH440A

マイクメーカーとして有名なSHUREが手掛けるヘッドホンです。1万円台前半ながら、フラット寄りで見通しの良いサウンド。特に中域の再現が得意で、ボーカルや主要パートのバランス判断がしやすいモデルです。ケーブルは着脱式なので交換も可能。つけ心地は人それぞれ大きく変わるところですが、試していただくと総じて評価高い傾向です。価格を抑えつつも、本格的なモニター環境を手に入れたい初めてのモニター用として導入しやすい優等生です。

【理想の環境】モニタースピーカーで音作りの世界を広げよう

ヘッドホンだけでも作曲はできます。しかし、スピーカーを加えると「作る時間」そのものが快適に変わります。部屋で鳴る響きの良さが、あなたのアイデアを生むきっかけとなりあなたのDTMライフは楽しくなるかと思います。

スピーカーがもたらす「作曲がもっと楽しくなる」メリット

スピーカーの最大の魅力は、「部屋で実際に音楽が鳴っている」という、ごく自然な状態の音を確認できることです。

耳のすぐそばではなく、目の前の空間で鳴るから、音の広がりや前後の奥行きが直感的につかみやすくなります。

また、長時間のヘッドホンの使用は、耳が痛くなったり、不快感が出てきてしまったりする方も多いです。耳を覆われないだけで窮屈さを感じず、集中力が維持できることもメリットです
そして、将来的な仕上げ(ミックス)の面でも、「部屋でどう聴こえるか」を確かめられるのは大きな強みです。普段はヘッドホンで細かな作業、要所でスピーカーに切り替えて全体の雰囲気をチェック。この視点の切り替えができると、判断がクリアになっていきます。

これが定番!最初の一台にぴったりなモニタースピーカー3選

YAMAHA / HS5

DTM制作におけるモニタースピーカーの超定番。多くの自宅環境にぴったりな程よいサイズ(5インチモデル)でクラシックな見た目のデザインも人気です。周波数特性は54Hz-30kHzで、伸びのある高域と歪みの少ない低域でクリアなサウンド。音色や音像の微細な変化を再現します。
※基本1台で販売しているのでご注意ください。

IK Multimedia / iLoud Micro Monitor

「こんなに小さいのに、こんなに良い音がするの!?」と誰もが驚く高機能スピーカー。 デスクの上が狭くても、壁際に設置するしかなくても、本格的なモニター環境を構築できます。Bluetooth接続にも対応しているので、普段使いのスピーカーとしても大活躍。サイズを超えたクリアなサウンドとパワフルな低音が魅力です。

PreSonus / Eris 3.5 2nd Gen

低価格ながら、しっかりとしたモニターサウンドを提供。 これからDTMを始める人のために開発された、まさにエントリーモデルの決定版です。高音と低音を調整するツマミも付いているので、自分の部屋の環境に合わせて音を微調整できるのも嬉しいポイントです。

まとめ

今回は、曲作りの土台となるヘッドホンとスピーカーについて解説しました。

音楽制作は、まさにこの「音の出口」を選ぶところから本格的に始まります。この記事でお伝えしたかったのは、モニター用のヘッドホンやスピーカーが単なる機材ではなく、あなたの「耳」を育て、作品の質を左右する“信頼できるものさし”になる、ということです。

まずはヘッドホンから始めるべきか、スピーカーも視野に入れるべきか。診断ステップを参考にしてみてください。
新しい機材を手に入れたら、まずはあなたが大好きなアーティストの曲を聴いてみてください。鑑賞用のイヤホンでは聴こえなかった繊細な余韻、スピーカーで部屋を震わせる低音の心地よさ。そうした発見の一つひとつが、あなたの「自分だけの曲を作りたい」という情熱を後押ししてくれると思います。

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