ベルだって割れるのだ!

こんにちは!杉浦です!


今日はクラリネットです!
なんと割れました!

割れといえば、冬に多いイメージですが
季節関係なく割れるんですよ。

その中の1つの事例をご紹介します!



クラリネット割れちゃった

今回の楽器です。
一番下の管である、ベルに割れがあります。

矢印から矢印まで、約9cm。
真っ直ぐに割れています。
そして、裏側を覗くと…

な、な、な、なんと。
裏側まで割れているじゃありませんか!!


ヒビが入っちゃったな~程度では済まず
裏まで完全に貫通しています。



割れが起こった原因は?

なんでこんな悲しいことになったのでしょう。

以前、木製管体の割れは温度・湿度
関係しているとお伝えしました。

まだ気を抜けない! 木製管体割れ 前編後編

しかし、今回は気温や湿度が原因ではありません。



衝撃が加わると割れます

ベルは、口から一番遠い管ですので
温度・湿度の影響を受けにくい場所です。
(あくまで受けにくいだけです)

このような場合、考えられる原因は
落下・倒した・ぶつけた等、衝撃による割れです。



木部の原料であるグラナディラ材は、とてもかたい木です。
ですが、何をしても壊れない訳ではありません。

金属製のサックスやトランペットでさえ
落とせばへこみが出来るんですから
クラリネットがダメージを受けるのも当然ですよね。



・椅子に座る際、譜面台にぶつけた
・スタンドに勢い良く差し込む
・刀代わりにして遊ぶ(絶対ダメ!!)

等、ちょっとしたことでも打ち所が悪いと割れます。
赤ちゃんをお世話するように大切にしましょう。



貫通したベルはどうする?

話を修理に戻しましょう。

ヒビ割れも含めて、管体が割れると
楽器が自力でくっつく事はありません。
最悪の場合、気温・湿度の影響で更に広がることも。

そうならないよう、基本的にはヒビ割れ同様
割れた部分に接着剤を充填します。



しかし、割れが長い・貫通している
強度が保てないと判断した場合は
管体交換となります。



音が出るから良いのでは?

ごくたまにお客様が仰るのは
「音が出せればそれで良いんだけど。」
つまり、「修理しなくて良い」という意見です。



これはお勧めしません。
「音が出ない」だけが不調ではありませんよね。

そのままにして使っていれば
新たな不調にも繋がります。

見て見ぬふりで大修理となる前に
定期的にメンテナンスを行い
不調がないか、チェックしていきましょう!



新品のベルお取り寄せ!

ということで、貫通割れの修理ではなく
新しいベルを取り寄せました。

管体交換を行う場合、接続部分の確認・調整が必要です。

サックスの管体(ネック)交換はこちら☟☟☟
ネックを変えたら必ずやることって?

トランペットの管体(抜差管)交換はこちら☟☟☟
固着外し 前編後編



今回はジョイントがきつくて入らないので
コルク・木部両方を削り、調整しました。

ジョイントコルクについてはこちら☟☟☟
コルクは生きているか



ベル交換完了!

完成しました!

パッと見ただけでは分かりにくい作業ですが
壊れた場所を直す大切な修理です。



気付いた時には手遅れ…となる前に
日頃から楽器を大事に扱いつつ
定期メンテナンスで確認しましょう!



今回の修理は
・ベル交換
・ジョイントコルク調整
・ジョイント(木部)調整
 です。

修理・調整代 税込35,410円(パーツ代込み・送料別)

※パーツ代は品番により、数万円単位で変わります。
※パーツ取り寄せにお時間を頂く場合がございます。



感染症予防にご協力ください

感染症予防の取り組みとして
調整にお預けいただく際は
以下項目のご協力をお願いします。

付属品の持ち帰り

修理に必要ない付属品(楽譜・チューナー等)は
基本的に、全てお持ち帰り頂いております。
詳しくは、受付スタッフにお尋ね下さい。

外観チェック

受付時、表面の拭き上げをお願いをする場合があります。

洗浄が可能です

金管楽器・金属製管体の楽器は、洗浄が可能です。
洗浄をご希望の場合は、受付スタッフにお伝え下さい。

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店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。

この記事を書いたスタッフ

管リペアセンター杉浦

中高6年間をトランペットとコルネットの二刀流で部活漬けの毎日を過ごしてきました!全国の皆様からのご依頼、心よりお待ちしております!

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