続・銀磨き自由研究2021

こんにちは!杉浦です!

夏休みも佳境の(終わった方もいるかな?)今日この頃。
私には夏休みはなんて皆無で、修理しまくりました!
ですが、「夏休み気分を味わいたい!」と思い
勝手に自由研究をしました!

ズバリ。
銀磨きの「その後」を追う。です!


磨いた楽器たち

こちらは、以前紹介した
銀磨きを行った楽器です↓↓↓
フルート・フルコース
クラリネット・フルコース
オーボエ・フルコース
トランペット磨きませんか?

色んな楽器を磨きましたね。
見違える程、キレイになっています!


こちらは、1年前の記事↓↓↓
~こんなこともあるのか~夏休みの自由研究 前編
~こんなこともあるのか~夏休みの自由研究 後編

2回に分けて、変色の仕組みと
実験の模様をお送りしてます。

すごーく簡単に説明すると…銀の変色には2種類あり
塩化(えんか)すると、変色落としが出来ない!
という内容です。

実は、この自由研究で使ったマウスピースで
更に、長期研究を行っていました!



今年の研究テーマ

発表します。今年のテーマは


「銀はお手入れしないと
 どの位変色するのか」


です!


気になるよねーーーー!!!!
昨年の自由研究も関係します。
見たことの無い方は、是非、記事をご覧下さい!



銀磨きのポイントをおさらい

みなさん、磨いた後の注意点を覚えてますか?

キレイだから触らない方が良い?
1回磨いたらもう黒ずまない?

いえいえ。そんな事ありません。
空気に触れるだけで変色します。

ですので、磨いた後もお手入れが必要です!

私も、磨きを行ったお客様には
返却時、口酸っぱく説明します。



百聞は一見にしかず

ですが皆さん、これでもう変色しない!
と謎の自信を持つ方ばかりです。

では、どれ位変色するか、こちらをご覧下さい。

まずは、昨年磨いた直後です。

上のマウスピースは、塩化皮膜により
変色が落ちきらず、ただれてます。
下のマウスピースは、キレイに磨けました。


この2本を

・温度湿度管理された部屋
・ケースに収納しない
・触らない(お手入れしない)

という条件で、1年置いておきました。



実験結果

約1年に及ぶ実験(またの名を放置)
の結果がこちらです。

真っ黒!!!!
もう、茶色通り越して、青光りしちゃってます。
青光りは、茶色より更に濃い変色です。

ケース入れなかった為、空気中の硫黄成分に反応し放題!
猛烈なスピードで、変色しました。

いくら、温度湿度管理された部屋(例:リビング)
で保管していても、変色は進むということです。
全く侮れませんね。



結論

実験の答えは

銀は何度でも変色(硫化)する
しかも、塩化は時間が経っても直らない

でした!
信じられないですよね。でも本当なんですよ。



塩化の方がキレイ…?

マウスピースを見比べると
塩化の方が、薄い変色に見えますね。

昨年の自由研究では、塩化の黒ずみは
落としきれない程変色したのに…。なんでだ?

答えは、近くで観察すれば分かります。

塩化の方は、斑点のようなブツブツが見えます。

これは、塩化皮膜が落ちなかった部分です。

皮膜が残ったままの場所(=銀の性質が変わっている)は
硫化(空気に触れて起こる変色)が出来なかったので
色が変わらなかったのです。

変色する余地が無かったから
パッと見では、キレイに見えたのです。



日頃のお手入れで変色を予防!

ピカピカに磨いても、1年でまた黒くなったら
とっても悲しいですよね。

特に、木管楽器の場合、タンポ全交換がマストです。
とっても高額修理になります。

磨きを重ね、楽器に負担をかけない為にも
日頃のケアが大事です。

コツコツお手入れして、キレイをキープしましょう!

効果的なお手入れ方法・おすすめアイテムは
こちらの記事にまとめてあります!↓↓↓
磨き大好きスタッフが伝授!楽器を磨く為のアイテム紹介します!

そして、演奏後はケースに入れましょう。
楽器の上に、物が落ちたり
転倒を防ぐことも出来ます。



ここからは!
再び変色したマウスピースを、再び磨きます!



Let's ピカピカ!

それでは磨きます!

今回は、クロスでゴシゴシ系の磨き剤を使います。

磨き剤は、変色を削って落とします。
頻繁に使うと、メッキ(塗装)の場合
地金が出てきてしまいます。

変色を落とすよりも、まずは
変色させないための対策が大切ですよ!

キレイになりました~!
濃い変色でしたが、無事磨けました。

昨年塩化させた方は、おおまかに落ちました。

しかし、塩化皮膜が残り、ただれていた場所は
ブツブツ(塩化による変色)が残りました。

やはり。前回と同じですね。


ご自身で磨くのが怖い方は
私達リペアマンにお任せ下さいね♪



ピカピカをキープしたい方は、予防アイテムを。

変色を落としたい方は、磨きアイテムを。

自分でやるのが怖い!
隅々までキレイにしたい方は、リペアへ。

楽器や状況に合わせて、お選び下さい!


以上、2021年の自由研究でした!

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この記事を書いたスタッフ

管リペアセンター杉浦

中高6年間をトランペットとコルネットの二刀流で部活漬けの毎日を過ごしてきました!全国の皆様からのご依頼、心よりお待ちしております!

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