【マイスター工房通信】表板の打痕修理について

みなさま、こんにちは。
弦楽器修理担当の石川です。梅雨真っ只中で蒸していますね。弦楽器のトラブルもこの時期に起こりやすく、当店に持ち込まれる楽器も増えています。ケースにしまいっぱなしの方はぜひ一度ケースから出して状態をチェックしてくださいね。

表板の打痕修理

今回は「表板の打痕修理」についてお話します。
お客様の楽器の全体調整で点検したところ、表板のテールピースのアジャスター下に打痕がありました。アジャスターが表板に当たってしまったことが原因です。アジャスターはネジを回し過ぎると画像のように表板に当たってしまうことがありますので、下方向に回し過ぎない様に注意してください。

今回の打痕は少々深く楽器も綺麗だったので目立っていました。

こういった少し深い打痕を早くきれいに治すには、まず打痕のくぼみに専用の充填剤を充填します。

充填した充填剤を削って平らにした後でニスを塗った後、色を付けてなるべく目立たなくします。最後にコーティングのニスを何回か塗り重ね、仕上げに磨いて完成です。

だいぶ目立たなくなりました。アジャスターの下の打痕という事もあり、弦を張ればほとんど気にならなくなります。修理するにはニスを乾かす時間が必要になるので、何日かお預かりする事にはなりますが、凹凸もなくなりきれいに修理できますので、打痕が気になっている方はぜひ一度ご相談ください。

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この記事を書いたスタッフ

シマムラストリングス秋葉原石川

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