ローランドの歴代音源モジュール、SC-88Pro、XV-3080、JD-990、INTEGRA-7を聴き比べてみる

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ローランドの歴代音源モジュール、SC-88Pro、XV-3080、JD-990、INTEGRA-7を聴き比べてみる

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

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Roland シンセ音源モジュール今昔

部屋の機材を整理していましたら、ローランドさんの懐かしいシンセ音源モジュール(私物)を発掘したサカウエです。

せっかくなので最新モデルのINTEGRA-7と聴き比べをしてみることにしました・・写真上からSc-8820(左)、SC-88Pro、XV-3080、JD-990、INTEGRA-7です。全部電源入って音も出ます(INTEGRA-7は当然ですが)!多少のガリはお許し下さいませ。
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※現行機種は一番下の「INTEGRA-7」のみですのでご注意ください

「音源モジュール」とは?

Wikipediaによれば「トーン・ジェネレータともいい、鍵盤などの演奏インターフェイスを分離・排除した、音声生成部のみからなるシンセサイザー」ということですが、省スペース =「かさばらない」という点と「鍵盤付きと比較して価格も低く押さえられる」というメリットで普及しておりますね。

その昔、複数台のシンセを同時に使用したい場合はこんな感じの「要塞」状態、、

・・まあこれはこれで素敵だと思うのですが・・シンセの音源部だけ独立させても「キーボードやDAWとMIDIケーブルで接続すれば音が出る」わけですから、全てのシンセに鍵盤が付いている必要もありません。極端な話、マスターのキーボードさえあれば後は全部音源モジュールでもOKということになります。

最近のシンセはプラグイン(ソフトシンセ)が主流ですが、ハード・シンセである音源モジュールも、ハードならではの「安定感」、「存在感」が好まれ、YAMAHA 「MOTIF-RACK XS」、「Clavia Nord Lead 4R」・・等々、多くの人気機種が存在しています。

MOTIF-RACK XS
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近日発売予定の「Clavia Nord Lead 4R」美しいですね・・
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歴代の音源モジュールを聴き比べ

ということでまずはXV-3080、JD-990、INTEGRA-7の内蔵デモデータ(ROM PLAY)を聴き比べてみましたので御覧ください(私の作品もございます)

いかがですか?それぞれの機種の特徴が現れていたと思います。なおJD-990のデモ曲作者 Eric Persing さんは、現在はプラグイン・インストで有名なあのSpectrasonicsの社長さんです。昔一緒に仕事させていただいたことがありますが、あの方のサウンドメイキング・センスは本当に凄いです・・天才ですね。

それでは次に年代順に各機種の特徴をご紹介していきたいと思います。

Super JD 「JD-990」 発売:1993年

なんと20年前の製品・・価格も20万円(当時・税別)。視認性の高い大きめのディスプレイとVALUEツマミによる操作性、素晴らしいユーザーインターフェースを搭載したPCMシンセ音源モジュールの銘器です。

ローランドが1991年に発表したシンセ「JD-800」(小室哲哉氏が愛用)の流れを汲んだアナログ・ライクなオペレーションが特徴ですが、さらなる進化を遂げたJDシリーズの銘機です。SUPER JDという別名の通り、とにかく音が良い!厚い!

24音同時発音ですが、1音色あたり最大4音重ね音色の場合は「6和音」しか出ません。一応6パート+リズムのマルチ・ティンバー音源ですが、マルチ音源として使用する人はあまりいなかったのではないでしょうか。

JD990

シングル状態のパッチ・モードでガンガン弾き倒すタイプのシンセだと思います。ワタクシはパッド系、シンセリード系のメインとして愛用しておりました。内蔵エフェクトは Delay, Reverb, Phaser, Distortion, Chorus, EQ。これがまたいい音。

PCMとデータカードスロットが付いており、波形の拡張、音色の記録が可能。なつかしいですねこれ。256Kbです〜

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メセニー様のギターシンセ音色をこのJD-990で作ってみたところ、見事に「クリソツ」になりました。未だにこれを凌駕するシンセにはお目にかかっておりません。家宝です。

「SC-88Pro」 発売:1996年

SCシリーズは他の機種とは少々毛色が異なる「DTM用音源モジュール」通称「ハチプロ」。いわゆる「コンピューターミュージック」のMIDIデータと呼ばれた「ミュージック・データ」は、このSCシリーズを使って作成されるケースが多かったです(90年代)。レイ・ハラカミ氏が愛用したことでも有名ですね(氏は88Proだけで制作したアルバムをリリースしています)。

SC

パート数32 最大同時発音数64 音色数1117 ドラムセット42 音色マップ:3(SC-55/SC-88/SC88Pro)エフェクト リバーブ 8種類, コーラス8種類, ディレイ10種類, 2バンドイコライザー インサーションエフェクト64種類1系統。これバカ売れしました。

今聞くとさすがに個々の楽器のクオリティーはINTEGRA-7には及びませんが、アンサンブルで鳴らした時のバランスが絶妙です。いまでも中古市場では人気の製品です。

俗に「スーパーのBGM」と称されるカラオケ的データは、このSCシリーズで作られたものが多かったですね(まだ各所で聞くことができるようです)。ワタクシはこの88Proは文字通り「使い倒した」ので、「どちらがが88Proの音でしょう?」といった芸能人格付けチェックみたいなクイズでも、必ず一流芸能人になれると思っております。

懐かしのMIDIデータ集

話がそれますけども、同じく押入れ片付けていましたらこんなものが出てきました。リスニング用(!)MIDIデーター集、譜面付き。
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パット・メセニー、ドナルド・フェイゲン、プログレ・ベスト等々、、今では考えられませんが、こういう時代もあったのですよ。
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フロッピーディスク・・2DDと2HD。若い方はご存じないかもしれません・・・2DDは720Kb。iPod 16GBの2万分の1位下の容量ですたぶん(泣)
しかし2011年まで生産されていたとはワタクシも知りませんでした。

今ではわざわざMIDIデータでコピー曲を聞かなくとも、iPod等で気軽に原曲が聞けるようになりましたが、このMIDIデータの利点は「音が見える」ということです。DAW等で楽譜表示もできるわけですから、練習やアレンジ研究にも使えるわけです・・正確な耳コピであれば・・という前提ですが・・

Pat Metheny / Third Wind のピアノパート
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な、なんと!まだMIDIデータがオンライン販売されていますね
ローランド・ネットワーク・サービスのリスニングデータ販売
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「パット・メセニー・コレクション」

このメセニー先生のMIDIデータ作成は究極の耳コピ仕事でした・・余談ですが、このデータは本来は「SC-55」で聞いていただかないと製作者の本来意図するサウンドにはなりません。また音源の同時発音数の制限があったので、泣く泣く音符を削ってます・・・のでご理解ください。

小さい方のSC-8820は、1999年発売のSC-8850(88Proの後継)のコンパクト版・・ややこしくてすみません。ここでは割愛させていただきます。

という訳で話をもとに戻します。

XV-3080 発売:2000年

今でもローランドさんのWebに掲載されていました。当時の価格は¥128,000(税別)
XV-3080製品情報

XV-3080は同時発音数=128音、16パート・マルチティンバー音源。XV-3080の魅力はなんといっても、ハイクオリティーな内蔵音色と、拡張可能なウェーブ・エクスパンション・ボード。リアルなアコースティック楽器からビンテージ・シンセの波形をサンプリングしたアナログサウンドまで幅広い音楽ジャンルをカバーできるのが特徴でした。

これがエキスパンション・ボード・スロット。

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SRXシリーズ×2(最大128Mバイト)とSR-JV80シリーズ×4(最大64Mバイト)の最大6枚を同時使用可能な拡張性が魅力でした。

音楽ジャンルに合わせて抜き差ししてたのが懐かしいです。

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音色プログラムはスマートメディア(現在は生産完了)に記録可能です。写真の4MBという数字が時代を感じさせます(ちなみに挿入する際は光っている方が下)

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アウトプットはアナログ出力×6を装備。3ステレオ・ペアとしても、6系統パラレル・アウトとしても使用することができますので、特に音楽制作では非常に重宝しました。

少々年期が入っていますw

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個人的にはオーケストラ、ブラスのエキパンはかなり使い倒した記憶があります。上位機種のXV-5080は、4ステレオ・ペアとしても使用可能な8系統パラレル・アナログ出力、S/P DIFデジタル・アウト(オプティカル、コアキシャル)、R-BUSデジタル・アウトを備えていました。

INTEGRA-7  発売:2012年

プラグイン・ソフトシンセ全盛の現代において、あえてローランドさんが昨年発表したハード音源「INTEGRA-7」。JUPITERシリーズでお馴染みのSuperNATURALサウンドに加え、XV-3080,5080で紹介したエキパン「SRXシリーズ」をすべて収録しているというとんでもないお化けスペック。おまけにMotional Surroundという立体音響機能まで備えているといった最先端の音源モジュールです。

INTEGRA

INTEGRA-7については下記、島村楽器公式ブログで昨年徹底レビューを行いましたのでこちらをご覧ください。

関連記事
緊急速報!(いまのところ)世界で一番詳しいINTEGRA-7徹底レビュー

生音からシンセ、ダンス系までオールマイティーなジャンルに対応する最高峰モデル。当初は品薄状態が続いておりましたが現在でもコンスタントに売れている製品です。

音色比較

では次に音色比較です。同一のMIDIデータで鳴らし、DAW(MOTU DP8)にレコーディングしてみました。
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実はこうしたシンセの音色比較というのはものすごく難しいんです。実際にはそれぞれの機種ごとに最適化したデータでないとフェアではないのですが、今回の比較は最小限のデータ・エディット(ドラムのノートナンバーを合わせる程度)で行いました。あくまで参考ということでご了承ください。

ドラム

まずはドラム。全機種ノンエフェクトです。

JD-990:波形の容量があまり多くないので、ライドシンバルのリリースがほとんどありません。でも頑張ってます!

SC-88Pro やはりバランス良いですね。

XV-3080 ちょっとロックよりなスネアとキックがデフォルト。

INTEGRA-7 アンビエント成分までサンプリングした波形ですね。そもそもリバーブ必要ないです。

シンセパッド

JD-990 同時発音数が足りなくて音切れしてます。がんばれー

SC-88Pro 意外(すみません)とイイ音

XV-3080 すべてのジャンルのサウンドが優等生レベル。

INTEGRA-7 もうサウンドのキメの細かさが別格ですね。

いかがでしたでしょうか?約20年を隔てた新旧音源モジュールの比較でしたが、昔の音作りやレコーデイングでの苦労を久しぶりに思いだしました。

さすがにINTEGRA-7のクオリティーの高さには歴代モデルはかないませんが、いずれにせよハード音源ってやっぱり存在感があっていいですね〜XVやJDにはまだまだ現役で頑張ってもらおうと思います。

それでは〜

 

【関連リンク】ローランド株式会社 INTEGRA-7 製品ページ

この記事を書いた人

デジランド・デジタル・アドバイザー 坂上 暢(サカウエ ミツル)

学生時代よりTV、ラジオ等のCM音楽制作に携り、音楽専門学校講師、キーボードマガジンやDTMマガジン等、音楽雑誌の連載記事の執筆、著作等を行う。

その後も企業Web音楽コンテンツ制作、音楽プロデュース、楽器メーカーのシンセ内蔵デモ曲(Roland JUNO-Di,JUNO-Gi,Sonic Cell,JUNO-STAGE 等々その他多数)、音色作成、デモンストレーション、セミナー等を手がける。

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