あの銘機「TR-808」そして「TR-909」が現代に再降臨!
【関連記事】
Roland TR-8S 発表 !歴代TRサウンドとインポート機能を追加したTR-8上位モデル
こんにちはサカウエです。発売を前にローランドさんにお借りした、リズムパフォーマー(Rhythm Performer)「TR-8」の徹底検証リポートをお送りします!(後半動画あり)
【レビュー】ローランド「AIRA」がやってきた!その1 ファーストインプレッション
【レビュー】ローランド「AIRA」がやってきた!その3 TB-3 徹底検証
【レビュー】ローランド「AIRA」がやってきた!その4 VT-3 徹底検証
【関連記事】【レビュー】プラグアウト・シンセサイザー「SYSTEM-1」でソフトシンセ「SH-101 PLUG OUT」を試してみた
最先端のACBテクノロジーで完全再現されたヴィンテージ・リズム・サウンド
リズム・マシンの銘機「TR-808/TR-909」を精密にモデリング。
オリジナルの回路図を持つローランドにしかできない、新しい形のTRの登場・・・ということでさっそくまずそのサウンドからチェック。
TR-8は、TR-808/TR-909 に搭載されているバス・ドラム、スネア・ドラム、タム、ハイハットといった各インストを、最先端のデジタル技術である「ACBテクノロジー(Analog Circuit Behavior)」により完全モデリングが施されています。
これは抵抗やコンデンサ・・といった実機の部品一つ一つをモデリングし再現しその結果、デジタルながらも挙動はまさに「アナログ」という凄い技術というわけです。
たとえば実機ではスネアとハンドクラップが同時に鳴ると微妙に「フランジング(うねり)」が生じるという特徴があったのですが、なんとTR-8もまったく同様の動作が再現されてしまった・・・・・とのこと・・・・恐るべしACBテクノロジー!
そういえば以前公開された動画でもTR-808を分解してましたね・・・・
各インストの「ATTACK」「TUNE」「DECAY」など、サウンド・モディファイ・パラメーターによる音色の変化をもオリジナルに忠実に再現されております。しかもバス・ドラムとスネア・ドラムには独立した「コンプレッサー」を備え、よりパンチの効いたビートを作り出すことができます(動画でご確認ください)。
ところで「ダンスミュージックの要サウンド」といえばなんといっても「バスドラム(キックドラム)」 ですね。
あのTR-808/909のサウンドというのは一体どんな波形になるのか興味がありましたので実際に録音して分析してみることにしました。
バスドラムをUSB経由でパソコンに取り込んでみた
TR-8はUSB端子で外部機器との同期に必要となるMIDIクロックの送受信はもちろん、TR-8の出力をそのままMac/PCへ送ることも可能です。したがってDAWと同期させたTR-8の音を録音し、各インストの音を個別にMac/PCの大画面で編集することも可能です。
今回はDAWで「24bit 96KHz」のプロジェクトを作成、TR-8のサウンドをパソコン側にとり込んでみました。(AIRAシリーズのサンプル・レートは96kHz 固定で、変更できません。)
TR-8はフルパラレル出力が可能で、合計14マルチアウト出力!!
Cubase7.5でマルチ録音した場合はこんな感じ。24bit 96KHzのクオリティーで一気に全インストが録音できてしまうのでラクチンです。
各マルチアウトのインストアサインは下記のようになっておりました(図はDP8の画面)リバーブとディレイは1-2のLR、External inは#14から出力されました
注※DAWによって画面は異なります。また今回使用したドライバーソフトは開発版です。将来的には仕様が変更になる可能性もあります。
なおTR-8の各種ツマミやスライダー、INST PLAY時のパッド等の演奏情報がMIDI出力されます(※)。したがってパソコンとTR-8を同期させてリアルタイム・プレイした場合、オーディオだけでなくMIDIデータも同時にDAWにレコーディングすることが可能です。
DP8で試してみました。※すべての操作がMIDIデータとして出力されるわけではありませんが、これは便利!
現時点ではすべての操作を試してはいないので詳細はまた後日報告します。
波形を比較してみた
では録音したサウンドを波形編集ソフト(Sound Forge)で見てみましょう。iZotopeのプラグイン「OZONE」を使用してスペクトログラム表示しています。
※)高性能ヘッドホン試聴推奨!・・・スマホのスピーカーだと違いはわからないと思います(泣)
まず808タイプのキック(コンプなし)
美しい波形です・・
50~Hz辺りの重低音ピークが特徴的。これは他機種と比較しても特筆すべきポイントですね。上モノが加わった時にもキックの存在感を主張できそうです。
「50Hzの音ってどのくらいの高さ(低さ)なの?」という方のためにコチラを用意しました(スマホのスピーカーだと聞こえません)
50Hzサイン波
909タイプ(コンプなし)
ついでなので、他社の定番ドラムプラグイン音源のサウンドも調べてみることにしました。