SH-101 PLUG OUT【レビュー】プラグアウト・シンセサイザー「SYSTEM-1」でソフトシンセ「SH-101 PLUG OUT」を試してみた

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こんにちはサカウエです。「プラグアウト」という新しい発想で、制作とパフォーマンスをシームレスにつなぐ、現代のSYSTEMシンセサイザー「SYSTEM-1」と、25日に公開(無償)のプラグアウト・ソフトウェア・シンセサイザー「SH-101 PLUG OUT」少しだけ試してみました。

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まずはおさらい。 SYSTEM-1 本体からチェック開始!

新たな音楽ジャンルを生み出す可能性を秘めた革新的なサウンド

SYSTEM-1は、最先端のデジタル技術ACBテクノロジー(Analog Circuit Behavior)により、ローランド歴代のシンセをモデリングした最新のシンセ。特定の機種のモデリングでは無いとのことで、いうなればローランド・アナログ・シンセの集大成といえるハイブリッド版モデルということができそうです。

SYSTEM-1は、4ポリフォニック・シンセサイザー、最大で4つのオシレーターを使用可能・・和音が弾けます

Saw、Squareといった基本的な波形から、おなじみのSuperSaw、そして新たに矩形波を複数重ねて新たな波形を生み出すSuperSquareなど、バリエーションも豊富。さらにオシレーター・カラーにより、シンプルな波形から独特な波形への連続変化を実現しています。

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フィルター部は-12dB/-24dB(/Oct)の切り替えが可能。独立したハイ・パス・フィルターも搭載しています。ソフトシンセにありがちな階段上に音色変化するカクカク感はありません。あくまでスムースなめらかな音色変化を得ることができます。素晴らしい~

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オシレーター・シンク、リング・モジュレーター、クロス・モジュレーターといった多彩なモジュレーション機能による過激な音色の生成、トーンつまみによるサウンドのバランス調整など、こだわりの音づくりも可能にします。SYSTEM-1では、サウンド・メイクやパフォーマンスに必要なすべてのパラメーターをつまみやスライダーで直感的に操作できるのも特長です。

シンセサイザーならではのフィーリングを重視したインターフェース

SYSTEM-1はシンセサイザーならではのフレーズを生み出すアルペジオ機能、そしてAIRAシリーズおなじみのアルペジエーターに連動する「SCATTER(スキャッター)」を搭載しています。

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スキャッターは10種類のフレーズ変化から選択し、かかり具合も10段階で調整することが可能です。どんなフレーズが生まれるかは演奏している側も予測不可能・・まさに一期一会のサウンドということができるでしょう。面白いです。

他にもビットレートを変化させ過激なサウンドを生むクラッシャー、そしてリバーブとディレイを独立して搭載しています。ディレイはモノ、リバーブはステレオです。

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Mac/PCや外部MIDI機器との連携も万全

SYSTEM-1は背面にUSB端子を装備し、Mac/PCと接続してMIDI、オーディオ信号の送受信が可能です。各種つまみスライダーの動きをDAWに記録することが可能となっています。

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MIDI IN/OUT端子も装備されており、MIDIキーボード・コントローラーやシンセサイザーとの接続が可能です。なおアルペジオやディレイ・タイム等はテンポ同期させることも可能で、TR-8をはじめとしたAIRAシリーズやDAW、外部機器との同期演奏を行うこともできます。

「SH-101 PLUG-OUT」を使ってみた

続いては、制作でもライブ・パフォーマンスでも同じシンセサイザー・サウンドをストレスなく使うことができる「PLUG-OUT」対応のソフトシンセ第一弾、「SH-101 PLUG OUT」(※)を試してみました。(公開は2014年7月25日)

※SYSTEM-1を購入すると、同梱されているダウンロードクーポンを使って無償で入手することが可能です。

「SH-101」というのは1982年にローランドが発売したモノフォニック・シンセサイザーで、1VCO→1VCF→1VCA、1LFOというシンプルな構成のモデル。アナログ・シンセの入門機。ショルダーキーボード仕様にもでき人気を博したモデルです。このシンセをACBテクノロジーで緻密に再現したソフトシンセが「SH-101 PLUG OUT」というわけです・・いったいどれだけの方がSH-101の復活を願っていたのかは謎ですが・・・

SH-101実機

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Photo by Wikipedia

SH-101 PLUG OUTのプラグイン・フォーマットはVSTi 3.6(32bit/64bit)そしてAU (Sudio Unit)に対応しています。Macintosh/Windows対応で、Cubase、LogicなどのDAW上で使用することができます。(残念ながら愛用のMOTU DP8では認識されませんでした・・・VSTi3.6だからでしょうか?対応希望!)

今回はMac版Cubase7.5(64bit)で試しました。まずはインストルメントトラックで「SH-101 PLUG OUT」を起動します。これで通常のソフトシンセ同様に使用する事ができるわけですね。

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プライバシー保護のため一部画像を加工しております。

お好きなカラー(3色)を選択することができます。

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SH-101 PLUG OUTは、TR-8、TB-3同様、AIRAシリーズのコンセプトを踏襲し、当時の開発エンジニアへのヒアリングを通して、回路図通りにならないサウンドやパラメーター変化を徹底リサーチしたとのことで、SH-101のアナログ回路設計に起因する、パラメーターの相互作用まで精密に再現しているとのこと。これによりピッチの微妙な揺らぎや実機のLPF、ENVの特徴的な振る舞いまで忠実に再生することができます。

人気を博したベース/リード/ノイズ・サウンド/SEなど、SH-101定番のシンセ・サウンドがプリセットされています。下記はパッチの選択画面。懐かしい音が満載です。

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SYSTEM-1とパソコンをUSB接続することで、SYSTEM-1を「SH-101 PLUG OUT」の専用コントローラーとして使用することが可能です。なお「SH-101 PLUG OUT」の画面を「SYSTEM-1レイアウト」にすると、SYSTEM-1にはあるが「SH-101 PLUG OUT」に存在しないパラメーターはグレーアウトされます。これで視覚的にも解りやすいオペレーションが可能になるのですね。

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SYSTEM-1レイアウト(SH-101にはないOSC2などが触れなくなります)

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SH-101 PLUG OUTの動作は思いの外軽く、複数台をたちあげても全くストレスを感じません(iMac : Core i7 2.93GHz、メモリ12GB)さすがにシンプルなモノシンセですからね~欲を言わせてもらえれば和音出たら嬉しかったのですが・・・

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実機には無い機能として、リバーブ/ディレイ/クラッシャーのエフェクトを搭載しています。

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SYSTEM-1にPLUG-OUT!!

さて、ここまではDAW上でSH-101PLUG OUTを立ち上げ、SYSTEM-1は単なるコントローラーとして使っていたわけですが「PLUG OUTコンセプト」の真骨頂はここから。

なんとこのソフトシンセ(SH-101PLUG OUT)はSYSTEM-1へ「プラグアウト」して使えてしまうのです。プラグアウトというのは「SYSTEM-1」本体にソフトウェア・シンセサイザーをインストールして使えるというもの。これによりソフトシンセを実際のハード・シンセのように操作することが可能となります。これはこれまでにない画期的なアイデア!

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Plugoutボタンを押し、SYSTEM-1へSH-101を「プラグアウーーット!」

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SYSTEM-1側でMODELを「PLUG-OUT」に設定すると・・・・・

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この瞬間にSYSTEM-1はSH-101に早変わり!SH-101に不搭載のパラメーター部分はグレーアウトしているのがお分かりいただけると思います。

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ほんの少しだけ触ってみました。SYSTEM-1単体 ⇒ DAW上のSH-101 ⇒ SYSTEM-1にプラグアウトしたSH-101 という順番で試しています。

SYSTEM-1にプラグアウトされたSH-101は、リバーブ、ディレイ、クラッシャー、そしてアルペジオやスキャッターという飛び道具を使い、SH-101のサウンドを変幻自在に変化させることができるのです。これは楽しいですね。もちろんDAW上のSH-101で作成した音色をSYSTEM-1へPLUG-OUTしたり、逆にSYSTEM-1へPLUG-OUTされたSH-101で作成した音色をDAW上のソフトウェア・シンセサイザーへLOADすることも可能です。

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本体には8音色保存可能

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というわけでこのSH-101 PLUG OUTはまさに未開のポテンシャルを持ったシンセサイザーではないでしょうか?今後もローランドの歴代ヴィンテージ・シンセサイザーをACBテクノロジーで忠実に再現したソフトウェア・シンセサイザー・シリーズをリリース予定とのことなので、これは楽しみですね。個人的にはGR-300(ギターシンセの音源)とか欲しいのですが・・・いっそのこと技術公開して他社とコラボとかやったら面白いんじゃないかと思いますが・・MS-20 PLUG OUTとか・・無理ですかねローランドさん?勝手なことを言って申しわけありません・・・

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SYSTEM-1の特徴

  • ローランド・ヴィンテージ・シンセを現代的にアレンジした最新のアナログ・モデリング・サウンド。
  • すべてのサウンド・パラメーターを直感的に操作可能。
  • 薄型鍵盤と新型ピッチベンドによるローランド・シンセ史上もっともコンパクトな設計。
  • 歴代の名器とされるローランド・ヴィンテージ・シンセをACBテクノロジーで完全再現。
  • Mac/PCでの使用はもちろん、状況に合わせて本体へインストールして持ち運べる新コンセプト「PLUG-OUT」に対応。
  • AIRAシリーズとの同時使用で快適なパフォーマンスを実現。

プラグアウト・シンセサイザー(PLUG-OUT Synthesizer):System-1

販売価格: (税込) ¥61,050 (税抜 ¥55,500)
JANコード:4957054504816


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ソフトウエアシンセサイザー SH-101 PLUG OUT の特徴

  •  SH-101サウンドをACBテクノロジーにより徹底的にモデリング。
  • 当時の開発エンジニアへのヒアリングを通して、回路図通りにならないサウンドやパラメーター変化を徹底リサーチ。SH-101のアナログ回路設計に起因するパラメーターの相互作用まで精密に再現。ピッチの微妙な揺らぎやLPF、ENVの特徴的な振る舞いをACBテクノロジーで完全モデリング。
  • ベース/リード/ノイズ・サウンド/SEなど、SH-101定番のシンセ・サウンドを使用可能。
  • 新しくリバーブ/ディレイ/クラッシャーのエフェクトを搭載。
  • SH-101 PLUG-OUT Software SynthesizerがインストールされたパソコンとSYSTEM-1とをUSB接続することでSYSTEM-1をソフトウェア・シンセサイザーの専用コントローラーとして使用可能。さらにUSBを通じてオーディオ信号の入出力も実現。
  • ソフトウェア上で作成した音色をSYSTEM-1へPLUG-OUTすることが可能。それとは逆にSYSTEM-1へPLUG-OUTされたSH-101で作成した音色をソフトウェア・シンセサイザーへLOADすることも可能。
  • Macintosh/Windows両対応。プラグイン・フォーマットはAU/VSTiに対応。

お問い合せの際は「【デジランド】を見た」とお伝えいただければ幸いです。

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