【今さら聞けない用語シリーズ】3分でわかる!インピーダンスって何でしょう? ロー出しハイ受け?

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この記事のポイント

  • インピーダンスは「交流抵抗」
  • 2つの機器を接続する際は「ロー出しハイ受け」

インピーダンスって何?

こんにちはサカウエです。ギター、ベース、キーボードを演奏する方はぜひ知っておいたほうが良いもの・・それが「インピーダンス」・・でもこれが意外と曲者なんですね。

電子楽器、マイク、エフェクター、アンプ、ミキサー同士をケーブルで接続して演奏や録音をする際、この「インピーダンス」を知っているかそうでないかによって、実は出音に大きな違いが生じてしまうこともあるのです・・・というわけで今回は「インピーダンス」についてです~

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楽器と機材を接続する際に重要なこと「インピーダンスを合わせる」

インピーダンスとは「交流抵抗」と呼ばれますが、そもそも「抵抗(レジスタンス)」とはその名の通り何かに「たてつく」わけで、ここでは「抵抗」が大きいと「電流が流れにくく」なると考えてください。

なお抵抗の単位は「Ω(オーム)」です。100Ωより1KΩ(キロオーム)のほうが電流は流れにくい・・ということになりますね。(1K=1000)

電気の流れとは電流のことですが、電気の信号には交流と直流があるのはご存知かと思います。家庭用コンセントは交流(AC)、乾電池は直流(DC)。そしてAC/DCはオーストラリアのロックバンドです・・・

交流は時間とともに向きが変化する電流のことで、0を隔ててプラス(+)とマイナス(-)側を行ったり来たりする以下の様なイメージですね。

Simple_harmonic_motion

オーディオ信号は交流電流ですが、交流電流における抵抗を「インピーダンス」といいます。

法則関連(この部分はスルーOKです)

電力、電圧、電流、抵抗については以下の公式が有名です。※あえて単位で表記します

公式1「電力(W)=電圧(V)✕電流(A)」

公式2「電圧(V)=電流(A)✕抵抗値(Ω)」 =「抵抗(Ω)=電圧(V)÷電流(A)」

こーゆーの昔習った・・ような気がしませんか?(実際はV、R、Iです)・・オームの法則

VRI

例えば同じ10Wの電力を送る場合でもいろいろな方法が考えられます。

A)100V(ボルト)、0.1A(アンペア)で転送する場合 (100V✕0.1A=10W)

この時のインピーダンスは:1000Ω

B)10V、1Aで転送する場合 (10V✕1A=10W)

この時のインピーダンスは:10Ω

音響機器を使用する場合、電圧が高いほうが効率が良いので、上記の例ではA)・・・すなわちインピーダンスが高いほど電圧が高く取れるのです。ところがインピーダンスが大きくなればなるほど今度は「ノイズを拾いやすい」という特性があるのですね。

つまり

ハイインピーダンスは効率的だがノイズに弱い

ということになります。

インピーダンスを水の流れに例えてみる(イメージ)

さてホースで水を流すことを考えてみましょう。

ハイインピーダンスは「太いホース」~威勢よく水が出てきますが、ゴミ(ノイズ)も多いです

ホース大

ローインピーダンスは「細いホース」

太いホースと同じ量を放水するには水圧が必要ですが、ゴミが少ないです

ホース小

というわけで少々無理のあるたとえかも知れませんが、あくまでイメージということでご容赦ください。

ともかく「ハイインピーダンスは効率的だがノイズに弱い」のです。もう一度復習しましょう・・

インピーダンスが

  • 高いと:ノイズに弱い
  • 低いと:ノイズに強い

以上覚えておきましょう。絵が下手ですみません。


インピーダンスのマッチングが重要なわけ

出力側と入力側のインピーダンスが一致した場合に、最も効率よく信号のエネルギーを伝達できます、これをインピーダンス・マッチングといいます。

以下の図はホース同士をつないで水をやりとりするイメージです。

1)出力側のインピーダンス = 入力側のインピーダンス 

インピーダンスのマッチングが行われている場合は効率が良いですね。

inp1

実際にプロ用の機器では入出力を600Ωで信号の受け渡しを行っています。

では「出力側と入力側のインピーダンスが異なる場合」はどんなことが起きるのでしょうか?

パターンとしては2通りありますね。

2) 出力側のインピーダンス < 入力側のインピーダンス 「ロー出しハイ受け」

ワタクシの稚拙なイラストのせいで腑に落ちない点もあると思いますが・・とりあえず漏れは無いのでセーフ・・・

inp3

3) 出力側のインピーダンス > 入力側のインピーダンス 「ハイからロー」

これはイカン・・漏れてます・・正しく受け渡しができていませんね

inp2

・・・・というこれらのイメージからも分かる通り3)の「ハイからロー」では「正しく信号を受け渡すことができなくなる」のです・・・

このようにベストは「出力=入力」ですが、接続する機種の出力インピーダンスが特定できない場合に備え、楽器等の入力側はハイインピーダンスで受けられるような設計になっています。

というわけで鉄則

「ロー出しハイ受け」

これ出ます。覚えておきましょう。

インピーダンスのマッチング実験

それでは「ロー出しハイ受け」の掟を守らないとどーゆーことになるか、実際にギターをオーディオ・インターフェースに接続して録音してみましょう。

なお、ギターのボディーからの出力インピーダンスは「250kΩ~500kΩ」(機種や部品により異なります)というかなり高めのインピーダンス。使用したオーディオ・インターフェースはSteinberg「UR-824」。UR-824のMIC/LINEインプットは「4kΩ」です。

DSC08343

実験1

ギター(出力インピーダンス250kΩ~)をオーディオ・インターフェースのLINE入力(4kΩ)につなぐ

「ハイからロー」という掟破りの状態ですね。

・・うーん・・なんだか違和感が・・・

実験2

ギター(出力インピーダンス250kΩ~)をオーディオ・インターフェースの「HI-Z」入力(1MΩ)につなぐ

「ロー出しハイ受け」という正しい状態です。

いかがでしょう「ハイからロー」は明らかに高域が欠損し、こもった感じの音になっているのがお分かりいただけたと思います。ギターの出力は周波数が高い(=音程が高い)ほどインピーダンスも高くなりますので、その結果が顕著に現れたのです。

一般的なギターアンプやエフェクターの入力インピーダンスは「500k~1MΩ」となっていますが、これはギターのハイインピーダンスに対応できるようにするためです。

HI-Zについて

実験2で出てきた「HI-Z」というのは、ハイインピーダンスである事を表す略号で「ハイ・インピーダンス」「ハイズィー」「ハイゼット」などとと呼ばれます。(「Z」はインピーダンスの量記号のこと)

オーディオ・インターフェースの中には、直接ギターやベースを接続できるよう「HI-Z」入力に切り替えることができる機種もあります。

というわけで、ギターやベースを直接オーディオ・インターフェースやミキサー等に接続する場合は「Hi-Z」を「ON」にしましょう。(写真はsteinberg UR22:INPUT2がHI-Z対応ですね)

DSC08340

エレキギター用コンパクトエフェクターを使用する場合

コンパクト・エフェクターの出力インピーダンスですが、例えばBOSSのコンパクトシリーズ製品仕様を見ると

  • 入力インピーダンス/1MΩ
  • 出力インピーダンス/1kΩ

のような表記があると思います(機種によって値が異なります)が、ちゃんと「ハイで受けてローで出す」すなわち「ロー出しハイ受け」の掟に忠実であることがわかります。

したがってエレキ・ギター(出力250kΩ~500kΩ)を、直接HI-Zのないミキサー入力(例えば10kΩ)に接続するのはNGですが、間にエフェクターを一個噛ませれば、出力「1kΩ」となるのでダイジョウブということですね。

イメージ図(実機の実際のインピーダンス値は異なる場合がありますのでご注意ください)

boss

DIとは?

これと同じような役目をしてくれるのがDI(ダイレクトボックス)です。直接(ダイレクト)接続(インジェクション)の略で「DI」は「ディーアイ」と読みます。なおこのDIは「アンバランス>バランス変換」としてベースやキーボード等で使用されます(バランス・アンバランスについてはこちらの記事を参照ください)


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マイクの信号やシンセなども比較的ローインピーダンス出力。したがってよほどケーブルを伸ばさない限りノイズに対して気にかけることは無いかもしれません。

パワーアンプと(パッシブ)スピーカーを接続する際のインピーダンスについて

PAなどで、パワーアンプと複数のスピーカー(電源を必要としないパッシブタイプ)を接続する際にも、このインピーダンスを配慮する必要があります。なぜかを説明するその前に、パワーアンプとパッシブスピーカー(以降:スピーカー)の接続について考えてみましょう。

パワーアンプとスピーカーを接続して最適な環境で音を出すためには、パワーアンプの「出力(RMS)」と、スピーカーの「許容入力(PGM)」が適切に組み合わされている必要があります。

たとえばアンプの出力が1000Wなのにスピーカーの許容入力が50Wしかなかったら?

50050

アンプのボリュームを上げていくと、いわゆるスピーカーが「飛ぶ=破損する」という危険があるわけです。最悪の場合火災といったこともありうるので、アンプとスピーカーの適した組み合わせは非常に大切ということができます。ということで守らなければいけない基本条件は

アンプ側の出力(RMS) < スピーカーの許容入力(PGM)

ということになります。ただし「常にフルテンでは使わないだろう」という前提で、実際はアンプ側の出力を大きくして余裕を持たせるといった選択も無いわけではありません。

このようにアンプのLRにそれぞれ1台ずつスピーカーを接続する際は、アンプの「出力」とベストな組みあわせの「許容入力」を持つスピーカーを選べば良いわけですが、ここでも大切なのがスピーカーのインピーダンス。というのは接続するスピーカーのインピーダンスによってアンプの出力も変わってくるからです。

アンプの出力

パワーアンプの出力表記には「RMS」「PEAK」といった種類があります。RMS(Root Mean Square)は「連続して出力できる値」ということで、「PEAK」はその名の通り「瞬間最大でここまで出ますよ~」という意味になります(RMSの2倍程度)パワーアンプの説明書には以下のような数値が記されていますね。

  • 出力パワー (RMS)

    • 230W+230W( 8Ω) 、 350W+350W (4Ω)

この場合は、接続するスピーカーが8Ωなら230W(✕2台)、4Ωなら350W(✕2台)を連続して出力できるということを意味します。抵抗が少なくなれば出力が大きくなるということですね。

ここではスピーカーとアンプの組み合わせを考える場合、アンプ側は「RMS」の値を対象にしていますが、表記されている「出力(W)」がPEAKなのかRMSなのかマニュアル等で確認しておきましょう。

スピーカーの許容入力について

スピーカーの許容入力の表示には「RMS」「PGM」「PEAK」の3種類があります。メーカーによってはRMS(NOISE)、PGM(MUSIC)PEAK(MAX)などと表記される場合もあります。

例)ヤマハのスピーカー

0010

それぞれの値の大小関係は「RMS < PGM < PEAK 」となります(だいたい「1:2:4」の関係)。

ここではアンプと組み合わせる際は「PGM」の値を目安にしていますが、たとえば「8Ω で RMS:250W、PGM:500W、PEAK:1000W」のスピーカーの場合、

  • 「PEAK」⇒ 1000Wの入力を超えると壊れます!
  • 「PGM」⇒ 500Wの入力を続けていると壊れていきます!

という意味になります!したがって繰り返しになりますがスピーカーと接続するアンプの出力の目安は、

アンプ側の出力(RMS) < スピーカーの許容入力(PGM)

が基本条件ですので(例外あり)この場合は、8Ω 500W(RMS)出力以下のアンプであれば安全だろう・・ということですね。ただしアンプ側が非力すぎてもダメ。小さいアンプが一生懸命頑張って大きなスピーカーを鳴らそうとすると、歪み(クリップ)が生じ、スピーカーを痛めてしまう危険性があります。やはり適度な組み合わせが大事ということですね。

パラレル(並列)接続の場合

コンサート会場等で2本のスピーカではカバーしきれない時などは複数のスピーカーをパラレル接続する場合があります。その際はシステム全体のインピーダンスが変わりますので注意が必要です。たとえばステレオパワーアンプのLRにそれぞれ8Ωのスピーカーを2台づつ接続した場合を考えてみましょう。

4SP(イメージです)

パラレル接続というのは回路的には

parallel

といった配線になっている接続方法です。スピーカーのリアパネルには下記のようにパラレル接続のために2つの接続端子が備わっていますね。これはアンプからの信号入力用と、もう一台のスピーカーに接続するための端子となります。

0011

さてこの様に左右2台のスピーカーを接続した場合は、それぞれのチャンネルが4Ωのインピーダンスとなります(計算方法は後述)。したがってこの場合はアンプ側の出力は4Ω時の際のRMSを考慮しなくてはなりません。たとえば

300W + 300W(4Ω時)RMS

175W + 175W(8Ω時)RMS

という出力を持つアンプの場合は、片チャンネルの2本のスピーカーのPGM合計値が300W以上あれば安全ということになります。

計算方法(合成インピーダンス):

並列接続の際はシステム全体のインピーダンスの逆数がスピーカーインピーダンスの逆数の和となります。スピーカー2台のインピーダンスをR1,R2とし、全体をRとした場合は

gouseiimp

となります。したがって8Ωのスピーカー2台(R1,R2)の合成インピーダンスは

1/R=1/8+1/8=1/4 ※R=4Ω

となります。同じインピーダンスのスピーカーを2台並列に接続した場合は半分になるということですね。8Ω、4Ωの場合は

1/R=1/8+1/4=3/8 ※R=約2.66Ω  となります。

なお直列の場合は単純に足し算でOKです。

以上、機材の接続は適切におこなって「良い音」で音楽を楽しんでいただきたいと思います。それでは~




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