こんにちは、管楽器リペアの森です。

さて、今日は先月持ち越しになった疑問への解答編です!

簡単におさらいを。

楽器分類の最大項目は「発音体」。

なので、姿かたちは違えどサックスとオルガン、チェンバロとギターのように似た音色の楽器が有る訳です。

逆に、同じギターでも張ってある弦の素材が違えば、ジャカジャーンと明るい音色のフォークギター(スチール)とポロンポロンとやわらかい音色のクラッシクギター(ナイロン)のように音色が変わるのも納得がいくと思います。

次の項目は「演奏方法」。

そこで、ちょっと普通じゃない奏法で楽器を演奏している動画を観ていただきましょう!

まずは、最近話題のジミー・ペイジ先生。

「バイオリン奏法」で有名ですね!真似した事が有る人もいるのでは?
www.youtube.com

うーん、「バイオリンの音色」かというとエフェクト掛けたりアンプで歪ませたりしてるんで・・・

でも明らかに普通にピックで弾いたときとは違う音色ですよね。

続いてはこちら。
www.youtube.com

男5人がかりでピアノを嬲り倒す気か?と思いきや、美しいサウンドにびっくりですわ。

奏法を変えることで、一台のピアノからギターやベースやストリングスやパーカッションのような音色が生まれるんですねぇ。

こういう奏法は、ピアノの内部を使うので「内部奏法」といいます(そのまんま)。

観た事ない方も多いと思うんですが、日本のほとんどのホールで内部奏法はご法度らしいのですよ。

理由は「楽器が壊れるから」。・・・なんというか、つまらんですね。

しかし、この動画のピアノはどうやら内部奏法を想定した特別誂えのように見えます。

さすがヤマハ!おれたちにできないことを平然とやってのけるッ!

とヤマハの凄さにしびれたところで、やっと本題です(前置き長くてすみません)。

じゃあ、発音体も同じ空気で、奏法も同じリップリードで、

もっと言うなら同じ真鍮製で管の長さも同じBb管で同じマウスピースを使う、
トロンボーンとユーフォニウムはなんで音色が違うんでしょうか?

という事でしたが、次の2枚の画像をごらんください。

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トランペットとフリューゲルホルン、何が違います?

こうして似てる形の楽器で比較すると、ベル先端までの管の開き方が違うのが良く分かると思います。

トランペットは細い部分が長くて、ベルの端に近づくにつれて急に開きが大きくなります。

一方フリューゲルホルンは、かなり早い段階で太くなり始め、ベル先端まで緩やかに太くなります。

前者をスローテーパー、後者をファーストテーパーと呼びます。

すごくおおざっぱに言うと、前者は明るく鋭い音色、後者は暖かみのある柔らかい音色です。

トロンボーンはスライドがありますから同じ太さの部分が多いです。

ベルだけ見てもトランペットに似てますね。「スローテーパー」の楽器です。

ユーフォはぐるぐる巻いてますから分かりづらいですが、

形としてはフリューゲルタイプ、「ファーストテーパー」の楽器です。

そうなんです、気鳴楽器は「楽器内部の空気の柱がどんな形か」で音色が決まるのです。

ほかの金管楽器もサックスもどの種類の管楽器も、

モデルが変われば(その楽器の形をはみ出ない範囲で)管体テーパーの形状も変わるのです。

例えばヤマハの82Zというサックスはスローテーパーです。だからレスポンス良く明るい音色で鳴るのです。

875というサックスはファーストテーパーです。だから太く暖かい音色で響くのです。

トランペットの銘機BACHストラディバリは180MLの後の「37」「43」「72」という数字がベルの型番です。

37を標準とすると、43ベルはスローテーパーで、72ベルはファーストテーパーです。

「え、ちょっと待って、フルートは円筒管じゃない?」

というフルーティストの方、頭部管を良くごらんあれ。

クラウンから胴部管に向かってテーパーがついてないですか?

フルートはやれ銀だ金だ木だ、という管体の素材よりもこのテーパー形状が音色に及ぼす影響のほうがはるかに大なんです。

だって、鳴ってるのは楽器じゃなくて楽器の中の空気ですからね。

素材よりも中がどんな形か、というほうがよほど重要なんです。

最後にもうひとつ動画を。

タロガトーという東欧の楽器があってですね、パッと見はアルバート式のクラリネットなんですが、

管の形はソプラノサックスみたいなテーパー管なんですね。

で、クラリネットとソプラノサックスのどちらに音色が近いかって言うと・・・
www.youtube.com

ね!面白いでしょ?

それで、私が何を言いたいかというとですね。

管楽器は中をよーく掃除しましょう!!

と、いうことなんです。

だって内側に汚れが溜まったら中の空気の形が変わっちゃうわけですからね。

でも、見た目ピカピカ中ドロドロっていう状態で使ってらっしゃる方、少なからずいるんです。

そうした楽器の内管や音孔内壁をきれいにして吹いてもらうと、

「わー、すごく良くなりました!」

っておっしゃるんですけど、すごく良くなったんじゃなくてすごく悪くなってたんですよ、それ。

もったいないなあ、って思うんです。

掃除なんて、日々管内の水をきれいに拭き取るだけの手間なんです。

ピッチが合わない、音があたらない、もうひとつ音が抜けないという方、

練習しなきゃ!とか、マウスピースを変えてみようかな?とか思う前に、

まずは楽器の中のお掃除をしてみて下さい。

意外とそれだけで問題が解消したりしますよ!

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この記事を書いたスタッフ

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