みなさま、こんにちは。弦楽器修理担当の鍵主です。
12月に入り段々寒くなってきました。インフルエンザも流行ってきていますので、お身体に気を付けください。
ちなみに寒くなると気温や暖房の影響で湿度が下がります。湿度が低くなりすぎると響板の剥がれや割れなど楽器に悪影響を及ぼす場合もありますので、出来ればお部屋や楽器ケース内の湿度を40~50%くらいに保てると楽器も良いですね。

エンドピン折れについて

今回はエンドピン折れの修理についてお話しします。エンドピンはちょうど楽器の一番下の横板のところに刺さっているピンのことを指します。

普段気にすることもない場所ではありますが、実は弦の張力を支えて常に力がかかっている場所でもあります。縁の下の力持ちのようなエンドピンですが、非常に力がかかっているころですので、長年の力により段々抜けてきたり折れたりしてしまう場合があります。

エンドピンに割れが入ったりして折れる予兆がある場合もありますが、普段なかなか注意を払わないところですので、ある日ケースを開けたらエンドピンが折れて駒もテールピースも外れてしまっているというショッキングな事態に遭遇することが殆どになってしまいます。

滅多に折れる事はありませんが、体感としては木材のエンドピンよりもプラスチックのエンドピン折れの修理の方が多い気がします。古い入門者向けの量産楽器ですと、プラスチック製のパーツが使われていることがあります。プラスチックが経年変化で劣化して弦の張力に耐えられなくなり折れるパターンが多いのではないかと思いますので、古いプラスチック製のパーツが楽器に使われている場合は一度点検に出して頂けると良いと思います。

エンドピン折れ修理

エンドピンが折れて残っている場合、きつくしっかりと入っているので私達技術者でもそのまま取ることは出来ませんので、残ったエンドピンを削り取る作業が必要になります。

そのためまずドリルでエンドピンに穴を開けます。

ドリルで穴をあけたらペグリーマーというペグ穴を成形する専用の道具で残ったエンドピンを少しずつ削って無くしていきます。

残ったエンドピンを綺麗に削り取ったら、次はエンドピンの穴を整えます。エンドピンは弦の張力で常に持ち上がるような力を受けていますので、力に負けて穴も段々と変形していってしまいます。穴が変形したままですとうまく交換出来ませんし交換しても抜けやすくなってしまいますので、ペグリーマーで穴を削って形を整えます。

穴を整えたら交換する新しいエンドピンをエンドピンホルダーにセットします。

セットが完了したらペグシェーパーというペグを削る道具で削っていきます。きつ過ぎても緩すぎてもいけませんので、ちょうどよいきつさになるように精密に削って合わせていきます。

ピッタリと削って差し込めば完成になります。

さいごに

今回の様にエンドピンが折れるというのは滅多に経験することではありませんが、楽器の点検をしていれば折れる前に交換できることもあります。
ちょっと楽器の様子が気になる時はもちろん、問題を感じなくても定期的に点検に出して頂ければと思います。

楽器は湿度や気温によって影響を受けるので、特に問題を感じなくても乾燥する冬など季節の変わり目等に点検することをお勧めします。点検自体は無料で行っておりますので、いつでもお気軽にご相談ください!

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この記事を書いたスタッフ

シマムラストリングス秋葉原鍵主

ちょっとした調整でかなり弾きやすくなることもあります。今まで一度も点検に出したことが無い方もお気軽にご相談ください!

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