冬場に起こりやすいアコースティックギターの弦高トラブル
皆さまこんにちは。
今回はアコースティックギターの弦高調整作業です。
アコギの弦高調整と言うと、
普通こんな感じや
こんな風に
「高くて弾きづらいので下げて欲しい」というご要望がほとんどですが、時には逆に弦高を上げる修理を承る事もあります。今回はそんなご依頼です。
弦高を上げる修理と書きましたが、お客様から「弦高を上げてください!」と依頼される事はまずありません。たいていは「音がビビる、詰まる」と言って持ち込まれます。
今回の依頼品もまさに「音詰まりの改善」として、お預かりしました。
チェックしてみると、ネックやフレットに大きな問題はありませんでしたが、
6弦12F上で約2.0mmと弦高が低く、弾き方によって全体的に音詰まりが気になる状態でした。
当然最初からこういったセッティングだった訳ではなく、乾燥によりTOP板など木材が動いて弦高が低くなってしまったのです。
アコギは、梅雨時の湿度が高い時期にはTOP板が膨らみ弦高が高く、逆に冬場の乾燥時期には凹んで弦高が低くなる傾向があります。
リペアの仕事をしていると「弦高を下げて欲しい」というご依頼を本当に多く頂きますが、保管環境に気をつけていないと、せっかく好みのセッティングにしてもらったのに、いつの間にか音詰まりが目立つ・・・といったことにもなりかねません。
前置きが長くなりましたが、修理して行きます。私が普段お勧めしているのは、サドル交換です。
状態に応じて、数ミリ高いサドルを製作し、交換します。(薄いシムを入れて調整する方法もありますが、異物がサドル下に入っているというのは、音質的にも精神的にもあまり良いものではないと思っています。)
12F約2.6mmと標準的な弦高に戻りました。
季節が変わり、ちょっと弦高高くなってきたかなと感じたら、また元のサドルに戻す。四季に応じてサドルを使い分けるイメージですね。
季節の変わり目は、ご自身の体調だけでなく、楽器の状態にも気をつけて頂ければ幸いです。
今回の修理内容
- アコースティックギターのサドル交換
合計金額 | ¥9,460(税込)+サドル素材代+弦代+送料 |
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*修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。
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石川県金沢市出身 2013年中途入社。生粋のA型で、「大人なリペアマン」がモットーのギターリペア工房の真面目担当。