リペアマン遠藤の仙台リペアブログ~その20~スキャロップドナットの巻!

皆さまこんにちは!

リペアマン遠藤です!


7月に入りましたが梅雨感満載ですね~

個人的に雨が降ると頭痛と関節が痛くなるのでやめて頂きたい今日この頃です(笑)

気付けば私も来月で30歳になるのでそろそろ体にガタが来そうです…



というわけで早速本題に入りましょう。

またマニアックな内容です。

今回はスキャロップドナットです。

スキャロップド指板は聞いた事あるけどナット…?



一般的にはなかなか馴染みが無いかもしれませんね。

イメージし辛いのでどんな感じになるか最初に今回作業した完成形を見せてしまいましょう!


おお、えぐれてる!

いつものように解説していきましょう。



スキャロップドナットはその名前のとおりに弦溝の間がえぐられた形のナットです。


効果としては

・ナット上での各弦の振動の干渉を抑え音の分離感を高める。

・ナット自体の重量に変化を与えることで、開放弦の音の立ち上がりや音質を押弦時と同じように近づける。

作業を行う前の状態と比べると音の立ち上がり、分離感がよくなる為に音像がスッキリする傾向があります。

指板へのスキャロップド加工が押弦のし易さの為に行うのに対し、ナットの場合は積極的なサウンドアプローチの目的で行われます。


作業風景を見てみましょう。

すでにマスキングで保護してますが元のナットはこの状態です。まだ普通ですね。

ヤスリで徐々に削っていきます。

計算しながら削ってます。

このような感じで他も続けていきます。

ヤスリで削った後はサンドペーパーで整形しつつ番手を上げていきます。

そしてコンパウンドでピカッと仕上げます。

いかがでしょうか?

スキャロップドナット、かっこいいですね~

肝心の効果ですが、音鳴りが施行前と変わり音自体が比較的スッキリとした印象になりました。



そして今回施行したギターはコチラでした。

なかなかお目にかかれるものではなく私も緊張しました…


今回の依頼の内容としては鳴り、音抜けがイマイチ悪いという事でのトータル的な改善でした。

その一環としてスキャロップドナットを導入し他にもPU交換、ポット交換、配線材交換となかなか盛りだくさんの内容でした。

最高のギターになりましたね…!


試してみたい方はぜひ気軽にご相談下さい!



以上、リペアマン遠藤でした!

またお会いしましょう~

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この記事を書いたスタッフ

仙台ロフト店遠藤

宮城県出身。長野県でギター製造に携わった後2017年から島村楽器仙台イービーンズ店の店頭リペアマンとなり、現在の仙台ロフト店に至ります。仙台のリペアは遠藤にお任せ下さい!

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