リペアマン遠藤の仙台リペアブログ~その75~バッテリーザグリ加工の巻!

みなさまこんにちは!

リペアマン遠藤です!

6月なのに連日30度超えの猛暑で早くも夏バテ気味の今日この頃です。

梅雨とはいったい何だったのか…


それでは早速本題に入りましょう。

今回はいつもと違って加工後の写真からお見せしていきたいと思います。

Fenderのストラトのボディバックです。

すでにある部分を加工済みです。

突然ですが、今回の作業ではどこを加工したでしょうか?

ヒント:真ん中のトレモロスプリングキャビティに何となく違和感を感じませんか?



…?



はい、答え合わせです!

今回はここを新しく掘りました。

正解した方は恐らく、あるギタリストが好きな方だと思います(笑)

その事については後で説明します。

今回の作業としてはザグリ治具を作りトリマーを使ってブイーンと掘りました。

この新しく掘ったザグリには何が収まるかと言うと…

はい、9V電池が収まりました!

ぴったりです。

そしてこれが裏パネルの範囲内にしっかり収っていれば最高ですね。

はい、収まりました!最高です!

今回の作業としてはこれで完了です。


この辺りで解説を入れましょう。

元々電池を使うタイプでないギターを電池を使う仕様に改造すると、どこに電池を収めるか問題が出てきます。

元々のコントロールザグリにスペースがあればそこに収めますが、ピックガードを外さないと電池交換が出来なくなってしまうギターもあります。

ストラトが良い例ですね。


なので、たいていはボディにバッテリーBOXを新規で取り付ける改造を施します。

下の写真は過去の例ですが、ボディバックにザグリを掘ってバッテリーBOXを新規で取り付けました。

基本的にはこのような改造をするわけです。


しかし、今回はちょっとワケが違います。

コントロールを確認したら元々のストラトの標準仕様からFenderノイズレスピックアップ、ミドルブースト仕様にお客様で改造されていました。

ミドルブーストがアクティブサーキットになるので電池が必要になるのです。


…と、ここまで来たら分かる人は分かる、あのギタリストの仕様です。

そう、エリッククラプトンです。


Fenderから出ているシグネチャーモデルでエリッククラプトン・ストラトキャスターなるギターが存在します。

コントロールはノイズレスピックアップ(初期モデルはレースセンサーピックアップ)、TBXトーンコントロール、ミドルブーストという仕様です。

そしてブログ冒頭の写真のように、トレモロスプリングキャビティの横に9V電池を納める仕様になっています。


ですので普通にバッテリーBOXを新規で取り付けても良いのですが、シグネチャーモデルと同じ仕様にしたい為に今回はあえてクラプトン式バッテリーザグリを施したのです。見た目も普通と変わらずにスマートです。

バッテリーBOXではワンタッチで電池交換が出来ますが、今回のパターンだと裏パネルを外す必要があるので電池交換の手間は若干増えます。

しかし、それがこだわりなのですね!

いかがでしたでしょうか?

電池を使う仕様に改造する際に出てくる、どこに電池を収めるか問題。

単にバッテリーBOXを新規で付けるだけでなく、今回のように様々な方法があります。ぜひお気軽にご相談ください。

以上、リペアマン遠藤でした!

またお会いしましょう~

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この記事を書いたスタッフ

仙台ロフト店遠藤

宮城県出身。長野県でギター製造に携わった後2017年から島村楽器仙台イービーンズ店の店頭リペアマンとなり、現在の仙台ロフト店に至ります。仙台のリペアは遠藤にお任せ下さい!

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