【レビュー】Cubase Pro 8のスゴい新機能を試してみた。

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【レビュー】Cubase Pro 8のスゴい新機能を試してみた。

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トータルMixに「Multiband Compressor」をかけて音圧アップ

ギター、ベース、ドラムの3パートが揃いましたので、各パートごとにバランスを整えてMIXをしていきましょう。

これでも十分楽曲として完成していますが、「もっと迫力を!」という時に「Multiband Compressor」は大活躍します。

Multi-Comp

この「Multiband Compressor」をかけて、よりラウドにしてみました。

いかがでしたでしょうか。今回はCubase 8に新搭載のプラグインエフェクトを中心に使ってみましたが、かなり個性的なサウンドメイキングができると思います。この他にも新しく搭載されたプラグインをかいつまんでご紹介しましょう。

「Multiband-Expander」「Multiband-Envelope-Shaper」

Multiband-Expander
Multiband-Expander

「Expander」とはコンプレッサーの逆の効果を生み出します。コンプレッサーはある一定以上の音量を持ち上げる効果のエフェクターですが、Expanderはその逆、大きい音は大きく、小さい音はより小さくするエフェクターです。これにより、音にメリハリを付けることができます。
今回、実装された「Multiband-Expander」は各帯域ごとにExpanderをかけることができます。よって、「低域はそのままで、高域のメリハリを付けたい」というような要望を可能にします。

「Multiband-Envelope-Shaper」
Multiband-Envelope-Shaper
「Envelope-Shaper」とは、音声ファイルのアタック(立ち上がり)、リリース(減衰)などをコントロールするエフェクターです。例えば「キックが弱いのでアタック感を出したい」「ハイハットの立ち上がりが早すぎてバランスが悪い」などに対して効果的です。
「Multiband-Envelope-Shaper」は、各帯域ごとにアタック、リリース、音の長さなどをコントロールすることができますので、ドラムパターンはもとより、ギターなどのアタックが強いカッティング系のサウンドにも有効活用することができます。

Cubase Pro 8で実装された新機能

今回、Cubase Pro 8では多くの新機能が実装されました。その中から「制作上、これは便利だ!」と思った機能「VCAフェーダー」をご紹介したいと思います。

複数のトラックをまとめてグループ化できるVCAフェーダー

※Cubase Pro 8のみの付属になります。
VCA-Fader

VCAフェーダーの機能をざっくり言うと「グループ化したトラックのボリュームを一元管理することができる」ということになるでしょう。「それってBUSと同じじゃないの?」と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。たしかに実際の動きはBUSと変わりはありませんが、実は決定的な違いがあるのです!

たとえばオートメーションを書き、ミックスがある程度できた時点で「音量変化は書いたオートメーションのまま、全体的にスネアの音を大きくしたいなぁ」と思った場合はあらたにすべてを書きなおさなければなりません。

VCA_Kaisetu_01

しかしVCAフェーダーでグルーピングすることでパートの相対的なボリューム情報を調整することができます。

VCA_Kaisetsu_02

ボリュームの他にもソロ、ミュート、EQカーブなどの一括管理もできますので、これはミックスダウンの最終調整などに非常に重宝すると思います。まさに「かゆいところに手が届く」機能ですね。

いかがでしょうか。今回のバージョンアップで音作りからファイルの管理まで、実に様々な新機能が実装されています。皆さんもぜひ、より便利で効率的になった「Cubase Pro8」を使ってみてください。

Cubase シリーズ性能比較表

   Cubase Pro 8  Cubase Artist 8  Cubase Elements 7
 録音
最大ビット解像度 32-bit 32-bit 32-bit
最大サンプリングレート 192 kHz 192 kHz 192 kHz
オーディオトラック数 無制限 64 48
MIDI トラック数 無制限 128 64
インストゥルメントトラック数 無制限 32 24
最大入出力数 256 32 24
ミックス
チャンネルストリップ O O O
ドラッグ&ドロップ対応 O O O
A/B 比較、一括バイパス O O O
プラグイン検索 O O O
自由拡大縮小 O O O
フルスクリーンモード O
チャンネル表示/非表示設定 拡張機能 拡張機能 基本機能
クイックリンクシステム O O
コントロールリンクグループ O
カスタム表示設定 O O O
EBU 準拠ラウドネスメーター O
【NEW】波形メーター O
【NEW】VCA フェーダー O
グループチャンネル 256 32 16
Control Room O
5.1 サラウンド対応 O
MixConvert O
オートメーションモード タッチ / クロスオーバー / オートラッチ / トリム タッチ タッチ
オートメーションパネル O
【NEW】バージンテリトリー O
作曲
キーエディター O O O
ドラムエディター O O O
リストエディター O O
スコアエディター O O O
コードトラック O O O
コードアシスタント O (フル機能) O (限定機能)
【NEW】五度圏表示 O O
【NEW】近接コード表示 O
【NEW】コードパッド O O
VST エクスプレッション ノートエクスプレッション / アーティキュレーション / ダイナミクス ノートエクスプレッション
トラックバージョン O O
プラグイン
オーディオエフェクト数 73 53 44
インストゥルメント数 8 (約3,000プリセット) 8 (約2,600プリセット) 3 (約900プリセット)
MIDI プラグイン数 18 18
主なバーチャルインストゥルメント
HALion Sonic SE 2 Trip / Hybrid / Pro / Artist / Basic Trip / Hybrid / Artist / Basic
HALion Sonic SE Basic / Artist
Groove Agent SE 4 O O
Groove Agent ONE O
LoopMash 2 O O
Padshop O O
Retrologue O O
Prologue O O O
主なエフェクト
CurveEQ (Voxengo 製) O
VST Amp Rack O O
【NEW】VST Bass Amp O O
【NEW】Quadrafuzz v2 O O
REVerence O
MorphFilter O O O
VintageCompressor O O O
Tube Compressor O O O
Tube / Tape Saturation O (チャンネルストリップのみ) O (チャンネルストリップのみ) O (チャンネルストリップのみ)
Brickwall Limiter O O O
REVelation O O
LoopMash FX O O
Magneto II O O
【NEW】Multiband Expander O
【NEW】Multiband Envelope Shaper O
編集
トランジェント検出 O O
テンポ検出 O (MIDI / オーディオ)
ドラム差し換え O
拡張オーディオ(複数ドラムトラック)クオンタイズ O
ヒットポイント検出 O O O
ワープクオンタイズ O
オーディオワープ(タイムストレッチ&ピッチシフト) O O 再生のみ
タイムワープ O
マルチトラック編集 O
VariAudio 2.0 O
ハーモニーボイスの生成 O
マルチテイクコンピング O O
ワークフロー
Mediabay フル機能 フル機能 基本機能
プロジェクトアシスタント O O O
FLAC 対応 O O O (書き出しのみ)
SoundCloud アップロード O O O
OMF 読み込み/書き出し O
MP3 エンコード O オプション オプション
オフライン処理履歴 O O
キーコマンドマクロ O O
マルチチャンネルの書き出し O
トラック表示/非表示設定 O O
【NEW】インプレイスレンダリング O O
【NEW】VST Connect SE 3 O

 

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