レイテンシーとバッファサイズの関係とは?
オーディオ・インターフェースとパソコンを接続し、DAW側と音のやり取りを行うドライバソフト(ASIOという規格がおなじみですね)を正しく設定されている状態を前提に話をすすめます。
Cubaseの場合:デバイス設定でドライバーを選択
レイテンシーとバッファサイズの関係は
と表すことができますので、
例)バッファサイズ512、サンプルレート44.1kHz(44100Hz)の場合
512÷44100=11.6msec
例)バッファサイズ512、サンプルレート96kHz(96000Hz)の場合
512÷96000=5.3msec
サンプルレートを上げた方がレイテンシーは小さくなるのですね。さらにバッファサイズが小さいほどレイテンシーも小さくなることがわかります。ただしレイテンシー値は実際には様々な要因が絡んでくるので、ぴったり上記の数字にはなるというわけではありません。
覚えておきましょう!
下記の表は Cubase8.5でのデバイス設定画面で表示される出力レイテンシー値の例です(一番右の列)
バッファサイズ | サンプルレート(Hz) | 理論値(msec) | 出力レイテンシー |
2048 | 44100 | 46.440 | 49.705 |
1024 | 44100 | 23.220 | 26.485 |
768 | 44100 | 17.415 | 20.68 |
512 | 44100 | 11.610 | 14.875 |
384 | 44100 | 8.707 | 11.917 |
256 | 44100 | 5.805 | 9.07 |
192 | 44100 | 4.354 | 7.629 |
128 | 44100 | 2.902 | 6.168 |
64 | 44100 | 1.451 | 4.717 |
32 | 44100 | 0.726 | 3.991 |
バッファサイズ | サンプルレート(Hz) | 理論値(msec) | 出力レイテンシー |
2048 | 96000 | 21.333 | 24.031 |
1024 | 96000 | 10.667 | 13.365 |
768 | 96000 | 8.000 | 10.698 |
512 | 96000 | 5.333 | 8.031 |
384 | 96000 | 4.000 | 6.698 |
256 | 96000 | 2.667 | 5.365 |
192 | 96000 | 2.000 | 4.698 |
128 | 96000 | 1.333 | 4.031 |
64 | 96000 | 0.667 | 3.365 |
32 | 96000 | 0.333 | 3.031 |
※Mac OS 10.11.4、3.5GHz Core-i7、メモリ16GB、オーディオ・インターフェースはSteinberg UR-824を使用
Cubaseでのバッファサイズ設定方法
メニュー>デバイス設定を選択
コントロールパネルを選択
バッファーサイズ選択画面が現れる(使用するオーディオ・インターフェースによって画面は異なります)
バッファサイズを設定
適切なバッファサイズを設定しよう
サンプルレートを上げたり、バッファサイズを下げる(詰めるなどとも言います)ほどレイテンシーは小さくなりますが、その分パソコン負荷がかかります。多くのソフトシンセを立ち上げてパソコン高負荷状態になると、冒頭の「音割れ」「フリーズ」といった現象が起こる可能性も生じます。したがってまずは512くらいから試してみて、状況に応じて前後していく・・といったやりかたが良いと思います。
レコーディングの際はレイテンシーは短めの方が快適ですが、データ入力やレコーディングが終了して、いざミキシング!という場合はそれほどレイテンシーを詰める必要はありません。その際は安定を優先してある程度バッファーサイズを大きくするといったように、各自の制作環境、状況でうまく設定していただきたいと思います。
レイテンシーとオペレーションの快適さはトレードオフの関係といっても良いのかもしれませんが、適切なバッファサイズの設定でDTMライフをエンジョイ(古)してください~