こんにちは、スクラッチ大好きなDJ HAGI a.k.a Dragonです。
ここ最近スクラッチを始めたいという方がちらほらご来店されます。スクラッチシーンが盛り上がってきているようです!
そこで、今回はそんなスクラッチシーンに触発されてスクラッチを始めてみたい!と思った方向けに、令和にスクラッチを始めるには何が必要かをまとめようと思います。
スクラッチを始めるならこの3パターン
今からスクラッチを始めるなら大体下記の3パターンだと思います。DJ HAGI的なオススメ順で書いておきます。
- アナログターンテーブルとDJミキサーを揃える。
- ポータブルターンテーブルでスクラッチを始める
- DJコントローラーでスクラッチをやってみる

オススメ①:アナログターンテーブルとDJミキサーを揃える。
一番オススメなのが12インチ用のダイレクトドライブターンテーブルと、スクラッチプレイに対応したDJミキサーを購入するパターンでしょう。

スクラッチ用の音源レコード(バトルブレイクス)の種類も豊富ですし、12インチでしかできない技などもあります。ザ・王道のスクラッチセットでしょう。
スクラッチのみしかやらないのであればターンテーブル1台あればOKですが、その内DJバトルっぽい技もやってみたいという方はターンテーブル2台揃えましょう。

DJバトル参考映像:DJ SYUNSUKE vs DJ 松永 – DMC JAPAN DJ CHAMPIONSHIP 2019 FINAL supported by Technics
1台で練習する時は、スマホ等でスクラッチ用のビートが流れるアプリなどをDJミキサーに接続してスクラッチの練習をやる方が多いです。

ターンテーブル(12インチ)の違い、ダイレクトドライブ・ベルトドライブ
12インチのターンテーブルにも安いものから高いものまでいろいろありますね。大きく分けると
- ダイレクトドライブ・ターンテーブル(画像左)
- ベルトドライブ・ターンテーブル(画像右)
に分かれます。

ダイレクトドライブの方が回転に安定感があります。
ベルトドライブはゴムベルトで動いていますので、回転ムラがあったりします。さらにターンテーブルの天板を強く抑えすぎるとゴムが引っ張られて伸びる原因になったりします。選ぶならダイレクトドライブ・ターンテーブルがオススメです。
ちなみに、ベルトドライブはこのようにゴムがついています。

では、ダイレクトドライブなら何でもよいのか?というとそうではありません。ダイレクトドライブの中でも低価格のものはトルク(回転の強さ)が弱いものが多く、トルクが弱いとスクラッチをした後、手を放したときの立ち上がりがゆるくなり、思うような音が出せなかったりします。オススメはダイレクトドライブでトルクの強いものです。
現行品であれば、Pioneer DJのPLX-1000や、Technics SL-1200MK7等がオススメです。

↑SL-1200MK7の展示店舗はこちらから
アナログレコードか、DVSでパソコンか
最近は専用のアナログレコードを使って、PC内の音源をスクラッチすることができるDVSというシステムが当たり前になってきました。

しかし、スクラッチをやるならDVSではなくアナログレコードで練習することをお勧めします。
DVSを使うと、PCを介するので音がわずかに遅れて出力されるからです。
スクラッチ対応のミキサー(クロスフェーダー)を選ぼう
注意するポイントはやっぱりクロスフェーダーです。このクロスフェーダーで音をON/OFFします。端に持って行くとOFF、真ん中の方に少し動かすとONになりますが、このON/OFFの切り替わる位置が端に近いほどキレが良いと言われます。ミキサーによってはON/OFFの切り替わりがゆっくり切り替わるミックス向けのミキサーもあります。
レコードカートリッジにも気を付けよう
レコード針にはスクラッチに強い円錐型の針と、音質重視でスクラッチには弱い楕円型の針があります。あと針飛びしにくい針というのも存在します。スクラッチに最適化した針を選びましょう。現行品ではortofonのSCRATCHなどがオススメです。
スクラッチ専用のレコード、スキップレスで練習しよう
針飛びに強い針というのもありますが、そもそも針飛びしても音が飛ばないレコードというものがあります。スクラッチ専用のレコードの中で、スキップレスやスキッププルーフなどと言われるものです。スキップレスのレコードだとスクラッチの音が繰り返し収録されており、針が飛んで隣の溝に飛んでも同じ音が収録されています。
参考URL:
スリップマット・スリップシート
スリップマットやスリップシートというものもあります。スリップマットは通常ターンテーブルに付属しますが、スクラッチをする場合滑りの良いマットを使うとスクラッチがやりやすくなります。また、スリップマットの下にスリップシートというものを複数枚すくことでさらに滑りを調整できます。
12インチターンテーブルのメリット・デメリット
メリット
- 操作性が最高
- 音質が良い
- 針飛びが少ない
デメリット
- 高い(価格)
- 大きい(サイズ)
- 持ち運びできない
オススメ②:ポータブルターンテーブルでスクラッチを始める
次にオススメなのがDJ HAGIが産んだカルチャー”Portablist”。7インチのポータブルターンテーブルを使ってのスクラッチです。
オススメ①のアナログターンテーブルとDJミキサー(クロスフェーダー)が1つにまとまって持ち運びができるという機材です。

- 現行品では、基本的にベルトドライブの構造のものになります。
- クロスフェーダーはリプレイスで切れ味が良くなります。
- カートリッジの交換は基本的にできませんが、アームを交換する改造をすることでカートリッジの交換も可能になります。
ポータブルターンテーブルのメリット・デメリット
メリット
- 価格が比較的安価
- 持ち運びもできるサイズ
- 電池(バッテリー)駆動も可能
デメリット
- 12インチのセットに比べると音質が落ちる
- カートリッジの変更ができない。(カスタムで可能になります。)
- 12インチのレコードでのスクラッチができない(再生は可能)
現行品だとRELOOPのSPiNか、NumarkのPT01 SCRATCHでしょう。

↑Numark PT01 SCRATCHの展示店舗はこちらから

今のオススメはRELOOP SPiNです。大きなポイントはSPiNなら初期で搭載されているクロスフェーダーがそこそこ使えるという点でしょう。初級~中級のスクラッチなら問題なく初期のフェーダーでまかなえます。スクラッチ用のレコードが初めから付属しているのもポイントでしょう。上級レベルになってきたらフェーダーをアップグレードすることでさらに操作性が増します。
PT01 SCRATCHでは、初期で搭載されているクロスフェーダーは別のものにアップグレードするのがオススメです。その為、フェーダーをアップグレードしてスクラッチ用のレコードを購入するとほぼ同じ価格になります。
この前提でそれぞれのポイントをまとめておきます。
RELOOP SPiNのオススメポイント
- 音量がでかい
- Bluetooth搭載でビートがワイヤレスで流せる
- プラッターの沈みが少ない
- LOW CUT/BOOSTが搭載
- USBデバイスにスクラッチを録音可能
- スタート/ストップボタン搭載
PT01 SCRATCHのオススメポイント
- オプションパーツが豊富
- アームの交換も可能
- USB搭載でiPhoneやPCでDVSが可能(外部フェーダーが必要)
オススメ③:DJコントローラーでスクラッチ
やっぱりスクラッチはレコードでやったほうが良いんですが、簡単ですし今の売れ筋でもあるのでどういうコントローラーが良いかをご紹介いたします。
なるべくJOGの大きいものを選ぼう
スクラッチをやるとき、レコード側(JOG側)の手の動きでスクラッチの音を変化させる技もあります。JOGが小さいと技が制限されたり、少しの動きで多く動くので操作が難しくなったりします。
左から、DDJ-400、DDJ-800、DDJ-1000です。
DDJ-1000の場合はJOGの重さも調整可能なので、自分好みの感触に設定が可能です。
JOGマーカーがあるものがオススメ
DJコントローラーのJOGにマーカーがくるくる回るものがあります。スクラッチ音の頭出しの際はマーカーの位置を目印にしますので、これが無いとパソコンを見ることになり、結構目が疲れます。
クロスフェーダーの切れが良いものを選ぼう
DJコントローラーの場合は、たいていの場合がソフト側でスクラッチモードがついていてスクラッチができるものがほとんどだと思いますが、カットラグには個体差があります。

↑DDJ-400の展示店舗はこちらから


↑DDJ-800の展示店舗はこちらから



↑DDJ-1000の展示店舗はこちらから

いかがでしょう?
DJ HAGIは以前「New Trick DJ Battle」というスクラッチのみの全国大会を主催しました。Vestaxさんがやっていた「No Tricks DJ Battle」が終了して、スクラッチ限定の大会などが無くなってしまったので寂しくなって企画しましたが、ここ最近遂にNo Tricks DJ Battleが遂に復活!
また、KAMIKAZE PORTABLE MEETINGや、IDAでのスクラッチ部門などなどスクラッチDJの活躍の場がかなり増えてきました!
先日CreepyNutsのDJ松永氏が世界チャンピオンになったDMC WORLD FINALでもポータブルスクラッチバトルが開催されたりと、ポータブルターンテーブルでのスクラッチが出てきてから1つのシーンとして確立されつつあります。
そんな盛り上がりを見せているスクラッチ!
スクラッチちょっと興味あるな~という方は是非令和でスクラッチデビューしちゃいましょう!
この記事のお問い合わせは萩尾(はぎお)まで
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この記事を書いた人

三宮オーパ店 DJ.デジタル楽器アドバイザー 萩尾(はぎお)
DJ HAGI a.k.a DRAGON
2001年のDMCのビデオ映像に衝撃を受け、バトルDJに憧れる。その後すぐにDJバトルを企画し、10年以上定期的に草DJバトルをプロデュース。機器のチューンナップや修理が趣味。