
シンセの名演をたずね新しきを知ろうということで「シンセサイザー温故知新」第一回目です。やはりトップは「Moog」シンセサイザーです。
今回のお題:エマーソン・レイク&パーマー(ELP)の“TARKUS”
CDタイトル:TARKUS
Sony UK (2011-02-22)
売り上げランキング: 3,190
リリース:1971年
使用シンセ:Moog Modular、mini moog、etc.
モーグといえばELPですよねやっぱり。ちなみに「Moog」は「モーグ」と読みます。「ムーグ」と呼ぶ方もいらっしゃいますが、これはシンセの祖、故モーグ博士のお名前ですので正しくは「モーグ」です。
Moogは現在も続々と新製品を発売しているアメリカの企業ですが、今回は元祖の「モジュラーシンセ」を使用したサウンド、そしてELPのキース・エマーソンのプレイにフォーカスしてみたいと思います。
で、モジュラーシンセってどんなものかというとこの写真の右側に鎮座している「タンス状態」のものがモジュラータイプです。左の人物はモーグ博士。

モジュラーシンセ
日本では冨田勲先生が1970年にアメリカから購入(現在の通貨価値でいうと1000万以上と言われています)された際、こんな風貌ですから楽器と認められずに、なかなか通関できなかったという逸話が有名ですね。
これはIIIC
Emerson, Lake & Palmer(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)
ということでこの初期型モジュラー・シンセですが、なんとこれをライブで使って有名なのがなんといってもEmerson, Lake & Palmer(EL&P)のキース・エマーソン。2013年現在でもバリバリの現役、大スター・キーボーディストです。
EL&Pはキーボード&ベース&ドラムというトリオ編成。ロックにシンセサイザーをいち早く取り入れ、見事に昇華させたスーパー・プログレッシヴ・ロック・バンドです
アルバム「TARKUS」はキースがシンセを使い倒し始めた頃のELPの大作ですね。一曲目の「Eruption」は、吉松隆氏によってオーケストラ・ヴァージョンとして編曲され、何年か前のNHK大河ドラマでも使われておりました。
さて、4th interval build (フォースインターバルビルド) =4度堆積の和音を中心に作られた組曲「TARKUS」で聴くことができるのが、今回のお題、モーグモジュラーのサウンド。

1:12〜の「ソファソシb」~サウンドに注目してください。
アンプから出しているんでしょうか?あたかも猛獣の咆哮の如きサウンドですね。おそらくこんな音出せるシンセは現役では絶対無理でしょう・・と書くとこのコーナーも終わってしまうので頑張って行きたいと思います。
今回使用したのはArturiaの「Modular V」ソフトシンセです。

見た目はほぼ一緒なので、同じ音が出せそうですw
VCO(発振器)を3個重ねただけのシンプルセッティング。
もちろんノコギリ波です。デチューン(チューニングずらし)かけてミキサーで3オシレーターをミックス、フィルター経由でアンプ部という非常にスタンダードなセッティングです。忘れてならないのはポルタメント。原曲の音痴っぽさを出すためにエンヴェロープ音程をしゃくりあげる効果を与えています。
30分頑張ったんですが、いかがでしょうか?
そういえば、昔のライブではオシレーターの4度重ねサウンドで、4度系フレーズを弾いたりしていますね。3つのオシレーターを使用して、それぞれのチューニングをずらし、単音で弾いても4度ボイシングサウンドになる音色です。

Jordan Rudess氏のTarkusカバー
ドイツのELPとか呼ばれていた「トリアンヴィラート」少々ポップ路線です
TRIUMVIRAT “THE CAPITAL OF POWER”