楽器にも発生します!
春が来たと思えば、直ぐに梅雨が来て、あっっっという間に夏になってしまう…。
ちょっと肌寒いくらいの気温が恋しくなり、ようやくこたつを片付けた富田です。
新年度、新学期、新生活がそろそろ落ち着いてきたと思います。
さて、今回は誰もが一度は見たことがあるサックスをメインにお話していきます。
「久々に楽器を使いたいので調整をお願いします!」
私達はよく耳にする言葉です。
また、演奏を楽しんでくれる人が増えるので嬉しい限りです!
万全の状態で演奏再開が出来るようサポートする為に、まずはケースを開けて楽器の状態を見てみましょう!
数年ぶりに眠りから覚めたその姿とは…。
管体はとてもキレイな状態です……ですが…おや、様子が変ですね…白い物体がいたる所に着いています。
※衝撃写真なので、苦手な方は画像だけサーっと飛ばしてください…。
こ、これは…。
まさか、そんな……。
正体は…
さて、何でしょうか?
なんだと思いますか?
水垢でしょうか?
それともタンポベタつき防止・対策をしたアイテムのクリーニング不足でしょうか?
いえいえ、これは【カビ】です。
嗚呼、オソロシイ……。
数年前に、バグパイプ奏者が楽器内で繁殖していた菌が原因で死亡してしまったニュースを耳にした方もいると思いますが、極端な話をすればその状態と同じです!
分解してみるとよく見えますね。
↓右手キイのLowCキイとLowE♭キイ
↓LowB♭とLowBキイ
↓左手主鍵キイ
ちなみにこちらがカビが発生しているタンポ(左)と新しいタンポ(右)です。
見た目のキレイさはもちろんですが、表面のツヤっとした感じも違いますね!
さぁ!修理開始です!
一番知りたいと思われる、修理途中の写真を撮り忘れてしまいましたが…
キイを全分解してタンポのカビを見つつ(興味本位で見てしまう笑)
全分解をし、古いオイル類や目立つ汚れを取り除きます。
また、サックスは管体を洗浄できるので(※)、洗浄をし、徹底的にキレイにしていきます。
(※ラッカーやメッキが弱っている楽器は洗浄を行わない場合もあります。)
タンポだけでなく、古くなったコルク・フェルト類も全て交換し、注油をしながら全体調整をして仕上げていきます。
フェルトの内部にまで潜んでいる可能性があるので、徹底的にカビの原因を取り除いていきます。
衛生的によくありませんよね!
カビが発生していたのはタンポの表面と少しだけ管体にもありました。
菌はタンポ内部にも潜んでいる可能性が非常に高く、タンポの表面のカビを取り除いても菌は楽器(タンポ)に潜んでおり、カビは目に見えている物だけとは限りません!
もちろんケース内部にもカビの原因は残っていますので、ケースの買い替え等をオススメすることもございます。
修理完了!
今回ケースにしまっていた期間はたった3年。たかが3年、されど3年。
その間にケース内の換気をする、しないでも状態は大きく変化します。
これからの時期は、パートが決まった学生様でよくあるのが『お母様・お父様が使っていた楽器があるのでそれを使いたい』
また、新生活にも慣れてきて『久々に楽器・演奏を再開したい!』という方が多くなる時期です。
ケースを開けて楽器の状態を見てみましょう。
カビが発生するのはサックスのタンポだけではないんです。
クラリネットの木部にも発生しますので、ご注意下さい!
また楽器を長期間保管している方は時々ケース内の換気をしてあげてください。
状態やモデルによっては買い替えのご提案をすることもありますが、まずは一度ご相談ください。
唯一無二の楽器です、大切にしましょう!
修理・調整代
今回の修理・調整内容は「全タンポ交換、ネックコルク交換、管内洗浄、消耗パーツ交換」です。
修理・調整代 | 82,247円(税込・送料別) |
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※例としてアルトサックスの目安金額です。
同じ症状でも楽器の種類(ソプラノ・アルト・テナー・バリトン)よって異なります。
ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。
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店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。
最後に楽器の調整を行ったのはいつですか?原因は調整崩れかもしれません。演奏する時にベストな状態で思い切り楽しんでいただけるよう全力でサポートします!