【マイスター工房通信】弓の「巻き線」のお話。<後編>
みなさま、こんにちは。
弦楽器修理担当の鍵主です。寒さも一段と厳しくなってきましたが、空気も澄んでお店の近くのイルミネーションもとてもきれいに見えます。どうぞ風邪など体調にお気を付けください。
今回は前回に引き続いて弓の巻き線についてお話させて頂ければと思います。
いつから巻き線は巻かれるようになったのか?
そもそも巻き線はいつ頃から巻かれるようになったのでしょうか?
バロック時代に使われていた弓は、皆様が普段使っている弓とは形も素材も違ったものでした。はっきりとは分かりませんが、バロックボウ~クラシカルボウ~モダンボウ(現在の弓の形)に形が変遷していく中で求められる演奏技術や文化なども変わりクラシカルボウの頃から巻かれるようになったのではないかと思われます。
こちらはバロックボウの写真です。バロックボウにも色々種類があり、この弓のように持ち手のところに刻みが加工してあるものあれば、表面がつるつるのままのものもあります。
巻き線の色々なデザイン
ここでは様々な巻き線のデザインを紹介していきいます。色々と並べて見てみると弓それぞれに表情があり個性があります。
改めて普段お使いの弓も見てみると新たな発見があってますます愛着が湧いてくるのではないでしょうか。
金糸と絹糸の組み合わせですが、製作者によってそれぞれ色の組み合わせやデザインが異なってきます。
写真では分かりづらいですが、少し色味の異なる銀糸を組み合わせています。あまり目立たないかもしれませんが、近くでみるととても綺麗です。
銀糸と青系絹糸の組み合わせですが、色味で随分と印象も変わります。
同じ銀糸と黒い絹糸の組み合わせでも様々なデザインがあり、弓の印象も大きく変わってきます。
巻き線とフロッグがシースルーという面白いものもあります。
ラッピングに合わせて革巻きやカラー毛替で毛の色も変えて楽しむことも出来ます!
※「カラー毛替え」について、料金など詳しくは以下のページをご覧ください。
「カラー毛替え」はじめました!
巻き線交換価格表
こちらでは巻き線を交換する際の価格をご紹介します。もし、デザインや色などご希望があればお気軽にご相談ください。
なお、巻き線は革巻きの下まで巻き込んでありますので、巻き線交換の際に、革巻きもセットで交換が必要になります。
巻き線交換価格表
銀線交換 | 2色ラッピング交換 | |
バイオリン | ¥8,000~ | ¥10,000~ |
ビオラ | ¥8,000~ | ¥10,000~ |
チェロ | ¥9,000~ | ¥11,000~ |
コントラバス | ¥10,000~ | ¥11,000~ |
※表示価格は全て税抜き価格となります。
革巻き交換価格表
革巻き直し(スタンダード) | 革巻き直し(トカゲ革) | |
バイオリン | ¥3,000~ | ¥5,100~ |
ビオラ | ¥3,000~ | ¥5,100~ |
チェロ | ¥3,500~ | ¥5,800~ |
コントラバス | ¥3,500~ | ¥5,800~ |
※表示価格は全て税抜き価格となります。
記事中に表示価格・販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その価格・在庫状況は記事更新時点のものとなります。
店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。
ちょっとした調整でかなり弾きやすくなることもあります。今まで一度も点検に出したことが無い方もお気軽にご相談ください!