弦楽器リペア便りVol.6 ~楽器をより弾きやすくするには~

こんにちは! 夏本番になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

以前、弦楽器リペア便りVol.3 ~楽器の健康診断をはじめよう! 【My楽器点検】 ~ で、楽器の状態に問題がないか確認する方法をご紹介しましたが、今回は、楽器演奏時の身体の疲労を最小限に抑え、演奏をより楽しんでいただけるよう、『弾きやすさ』に重点を置いた調整内容をご紹介いたします!


弾きやすさ追及コース (納期: 3~4日) Vn・Va 税込¥8,208,Vc 税込¥10,152

ペグスムーサー

ペグはスムーズに動いて細かい音程の調整ができ、かつ止まってほしいところで止まるのが理想です。ペグの状態が良くなると調弦に割く時間が短くなり、練習もスムーズになります。]
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ペグスムーサーセット

ペグコンポジションとペグソープは当店で販売もしております!

使用方法がよくわからない方はお気軽にご相談ください。(前回の記事雨と湿度対策でも、ペグコンポジションの使い方をご紹介しております)

弦高調整(駒アーチ修正)

弦高とは、指板から弦までの高さを意味します。間隔が広がると弦を押さえる力がさらに必要になるので、指や手の筋肉が疲れやすくなります。この部分を基準値の高さに調整すると、弾きやすさが(特に3rdポジション以上で)変わってきます。

弦高

上ナット高さ調整 または、上ナット底上げ

上ナットというパーツはどこにあるのでしょうか?
・・・こちらです。

上ナット

指板と同じ素材(黒檀)でできていますが、この部分のみの取り外しができるようになっています。上ナットの高さも弾きやすさに大きく影響し、高すぎると特に1st ポジションで弦が押さえづらくなります。上のポジションになるほど間が開いていきますので、さらに力が必要になります。

また、上ナットの弦の通り道が摩耗してしまうと弦が指板に当たってしまい、雑音の原因になることもあります。
指板の反り(←通常指板表面には反りがついています。意識されない方がほとんどですが、この反りが理想的な状態だと、ポジション移動がしやすくなります)によっては上ナットの高さを少し高めにとる場合もありますが、1st ポジションから既に弦高が高くて苦労されている方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

(全体点検自体は無料です。修理は、点検後にお客様からご依頼いただいた場合にのみ行わせていただきます。また、納期・価格は目安です。楽器の状態・リペア予約状況によっては変更することもございます)

いかがでしたでしょうか?
もちろん理想状態に調整済みの楽器もたくさんありますので、必要以上に駒や上ナットを下げる必要はありませんが、今回挙げたリペア項目は、楽器に触れる機会が多い方ほど違いを感じていただきやすいと思われるものです。ご自身の楽器が他の楽器と比べてとても弾きにくいと感じられたときは、是非一度ご相談いただければ、何かお手伝いできることが見つかるかもしれません。
それでは、今回はこの辺で!

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この記事を書いたスタッフ

グランフロント大阪店吉村

クレモナ国際バイオリン制作学校卒業後、島村楽器に入社し修理を担当。弦楽器を楽しむ皆様を技術面からサポートいたします!何でもお気軽にご相談ください!

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