アトリエ・コクーンの弦楽器工房日記vol.6 「ネック上げ修理」

みなさま、こんにちは!
弦楽器修理担当の藤村です。島村楽器さいたま新都心店では弦楽器工房を併設しています。弦楽器(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロの本体と弓、コントラバスは弓のみ)の修理を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ!
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今回の工房日記では、ネックを一度抜いて適切な角度・高さで入れ直す「ネック上げ修理」をご紹介します。↑譲りうけた楽器でレッスンを始めたところ、ネックが落ちていて演奏が困難(弦を押さえづらい、ボウイングで弓が楽器に当たってしまうなど)ということで修理をご希望されました。ネック差し込み部分に注目していただくと、指板と表板の間が低く、指板が急角度で右上がりになっています。このような場合はネックを一度抜き、角度・高さを適切に修正して入れ直しすることで、音量・音色も改善することが出来ます。

↑はある名器の画像です。ネックの差し込み部分と指板の角度を見ると、最初の画像に比べ自然な高さ・角度で差し込まれており音量・音色にとって理想的と言えます。実際にネックを入れ直すときは楽器の個体差(表板の膨らみ具合など)を考慮しながら、適切な高さの駒を立てるための角度を目指します。

↑↓はネック入れ直し後の画像です。指板と表板の間を高く、指板角度をより緩やかにし音量と立体感のある音色になりました。弦の押さえやすさ、ボウイングのしやすさも戻っています。

ネック落ちはショックですが…しっかり修理すれば弾きやすさが戻るだけでなく、音量・音色のパワーアップの機会になるかもしれません。ぜひご相談くださいませ。それではまた、次回工房日記をよろしくお願いいたします。さようなら!

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この記事を書いたスタッフ

コクーンシティさいたま新都心店藤村

弦楽器の音と姿に魅せられたバイオリン弾きです。弦楽器プレイヤーの皆さま、修理・メンテナンスなど何でもご相談お待ちしております!

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