1年分のヴァイオリンニス荒れ、ニス汚れ、キズ補修【弦楽器工房ブログ】

皆様、こんにちは。
弦楽器技術スタッフの高瀬です。


例年通り年末年始もお仕事でしたので、今年(去年?)の年明けは完全にお正月感がありませんでした。
(除夜の鐘を聞かずに寝て、初日の出を拝むことなく目覚めました)
明日はお休みをいただいていますので、少しでもお正月感を出すべく家でお餅を焼こうかと考えています。
醤油かきな粉かとても迷います。


新年も無事あけましたので、ヴァイオリンもリフレッシュさせてあげましょう!
…ということで、ヴァイオリンのニス補修Before、Afterをご紹介します。

1年分のニス荒れ、汚れ、キズ補修

楽器をどんなに丁寧に使用していても、1年も経つとどうしてもニス表面が荒れてきてしまうものです。
特に演奏時手の当たる所は荒れやすく、ニスが摩耗したり、汗でニス表面がくすんでしまうことが多いです。
今回のお客様からは、ありがたいことに定期的(1年に1度)にニスの補修をご依頼いただいております(加えて普段からも頻繁にメンテナンスに持ってきていただいています…とてもありがたいです)。
なので元々がかなり綺麗な状態ではありますが、やはり手の当たる所を中心にニスが痛んでいます。
ニス荒れが酷いところはクリーニング後にニスをコーティングをして、綺麗な状態で2021年を迎えさせてあげましょう。


Before

ペグボックスの傷

G線側のペグボックスのニスが一部欠損しています。
おそらくチューニング、弦交換の際に摩耗してしまった傷だと思われるので、ここはニスのリタッチを行います。

裏板のケース布跡

ケースの跡が付いてしまっています。
こちらは以前のブログ(ニス補修)で紹介させていただいた方法でニスを整えてあげましょう。

ニスの摩耗、荒れ

3rdポジション以上で演奏した時に手が当たってしまう所ですね。
少しわかりにくいかもしれませんが、汗によりニス表面が緩くなり、汚れとくすみが目立ちます。
なので写真の2か所(横板、裏板のボタン)は表面を整えた後、専用に調合したニスをコーティングします。


After

それでは、修理後の状態をご覧ください。


ペグボックスの傷


裏板のケース布跡


ニスの摩耗、荒れ


どうでしょうか。
ニスのくすみも消えて、本来の光沢に近付けられたのではないかと思います。
今回のような修理ですと作業時間はそれほどかからないのですが、ニスを乾かすために10日ほどお預かりさせていただけると安心です。

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この記事を書いたスタッフ

岩田屋福岡店高瀬

弦楽器技術者の高瀬です。楽器の調子が悪い、音をもっと良くしたいと思いましたら、ぜひご来店ください。皆さまをお待ちしています!

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