PRSのネック折れ修理
みなさんこんにちは。
すっかり夏本番、毎日猛暑ですね・・・
私は、昨年から週末は朝から夕方まで長男の少年野球チームに非っ常に微力ながらコーチとして帯同しており、
100%天然の日焼けマシーンを嫌というほど堪能しています。
お肌に気を遣うほどデリケートではありませんが、日焼け止めを塗るか否かが翌週の仕事のパフォーマンスに切実に関わる事を最近になって学習しました。
それでも、久々に会う方からの第一声はほぼ例外なく「焼けてますね・・・」です。
おかげで猛暑に対しては、かなり免疫が出来てきましたが、やはり暑いものは暑いです(笑)
熱中症のリスクは屋内外問わずなので、こまめな水分補給に努めましょう!!
さて、本日ご紹介する修理事例はPRSのネック折れ修理です。
このギターはレスポールタイプのギターでよくあるヘッド付近の割れよりも、写真のように根本で割れるケースが多いように思います。
症状の度合により修理方法は異なりますが、今回は長くお使い頂くためにしっかりとした修理方法をご提案させて頂きました。
内容としては、割れた箇所を別の材に交換して補強し、再度リセットする、という内容です。
さっそく写真と共にレポしていきますが、今回は特別に夏バージョンでお送りします!
(注:夏バージョン=暑くて文章読むのが怠い方のために写真を多用するという体にやさしい執筆手法)
では行ってみましょう!!
まずはスチームで残った材を取り外します。
根本部分はしっかりくっ付いており、取り外しには非常に苦労しましたが無事取れました。
割れ部分を接着します。
今回、割れ部分に欠損箇所が多かった為、木材補修専用の樹脂接着剤を使用。
これは水害が多い欧州のとある国発の接着剤で、硬化後はガチガチに固まることなく木材に近い弾性を持つ、というのが特徴です。
ちょっとお高いですが、工房では多用しています。
硬化後に割れ部分に沿って切断。せっかく付けたのに、なぜ切断?
補強材を装着する前にオリジナル状態の寸法を極力正確に計測しておきたかったからです。
ネックと同じマホガニーを準備します。
このような感じで装着完了。
成型していきます。
ボディにもジャストフィットさせてから接着。
このような感じです。
持ち上げても全然平気!
塗装前に周辺の古い塗装を剝がします。
綺麗に研磨をし、いよいよ塗装へ!
今回は塗装の継ぎ目あたりをやや潰し気味にすることで、新旧塗装で濃淡でることなくかつ、可能な限りオリジナルのように木目が見える部分を多くなるように着色しました。
仕上がりはこのような感じです。
やや引き気味に見るとこのような感じ。
別角度から。
止めの一撃!
いかがでしょうか?
接着して補強材を貼って塗装、という流れはよくあるネック折れ修理と同じですが、こちらの方が断然手間がかかりますね・・・
大切な楽器の破損、望む人は誰もいないでしょうが、そのアクシデントはある日突然やってきます。
精神的な痛手は半端じゃないでしょうが、まずは我々、島村楽器のリペアにご相談ください!!
今回の修理内容
- 接着
- 補強の取付
- 塗装
- 組込調整
- 弦代
合計金額 | ¥91,800+送料 |
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*修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。
ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。
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ネック折れなどワケありな事情を抱えた修理を担当している事が多い阿部です。普段は東京勤務ですが、毎月第一週頃に名古屋工房におります!